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こんな事は初めて……経験のない事態に驚きながらも迅速に対応した医療チーム。グロージャン炎上事故の状況を語る|F1バーレーンGP

こんな事は初めて……経験のない事態に驚きながらも迅速に対応した医療チーム。グロージャン炎上事故の状況を語る|F1バーレーンGP

 F1バーレーンGPの決勝スタート直後には、ロマン・グロージャン(ハース)のマシンがガードレールに激突して炎上するという大きなアクシデントが起こったが、その際にはFIAのメディカルカードライバーであるアラン・ファン・デル・メルヴェや地元のマーシャル、そしてF1のメディカルデリゲートを務めるイアン・ロバーツなどが迅速に事故現場へと到着し、このことは広く賞賛された。

 炎の中から自力で脱出したグロージャンは彼らの助けを借りながら病院へと運ばれた。幸いにも骨折などはなく、手の火傷の治療のために一晩を過ごすこととなった。

■大クラッシュのグロージャン、大事を取りひと晩入院。チーム代表も電話で会話

 ロバーツは事故の状況を次のように語った。

「大きな炎が上がっていたが、我々がそこに到着した時、奇妙な光景が広がっていた。マシンの(後ろ)半分が逆を向いていて、炎に包まれた塊がバリアの向こうにあったんだ」

「それから右の方を見ると、ロマンが立ち上がろうとしているのが見えた」

「このままでは我々も彼のところへは近付けなかったので、マーシャルに消火器を持ってきてもらった。消火器は炎をロマンよりも高い位置に遠ざけるのに十分な力があったので、彼に手を差し伸べてバリアから引っ張り出すことができた」

 ロバーツはその後グロージャンの身体をチェックし、診察を行なった。

「彼に座るよう言ったと思う。彼は酷く震えていた。そしてバイザーはくすんで不透明になっていて、実際には溶けていた。なんとか彼のヘルメットを脱がせて、他に問題がないことを確認したんだ」

「炎や煙を吸い込んでいて、気道に問題が起きている可能性もあったが、ヘルメットの方には入り込んできていなかったようだ」

「彼を臨床的に見た場合、命に関わる怪我(がなかった)という点で安心した。そのため、目に見える怪我から彼を楽にさせようとした」

「彼は手と足に痛みを感じていたので、その時点で我々は彼を保護するために一旦メディカルカーへと移動させ、火傷を負った箇所にジェルを塗って、救急車でメディカルセンターへと運ぶのが安全だと判断した」

 またメディカルカーを運転したファン・デル・メルヴェは、日頃の準備や練習だけでは対処しきれないほどの事態が起きていたと説明した。

「大半のケースが準備の賜物だと思う」と彼は言う。

「ただこのような状況の組み合わせは見たことがなかった。これほどの炎はメディカルカードライバーとしてこれまで見たことがなかったし、多くが未知の領域だったので、自分たちの考え得るレベルの準備しかできていなかった」

「我々は多くのチェックリストを作成して、様々なシナリオについて話をしながら準備を進めているが、これは狂気の沙汰だった」

「正直なところ、現場について半分になったマシンが見えたが残りの半分はどこにあるか分からず、大きな火の玉がそこにあった。文字通り一瞬で迅速な判断をすることになるので、準備はある程度しか役に立たない」

「そこからは、本能と素早い思考力に頼ることになる」

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