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【続報_メルセデスAMGを知る】トップスピード300km/hを体感! 「最新AMG」FISCOを激走レポート

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【続報_メルセデスAMGを知る】トップスピード300km/hを体感! 「最新AMG」FISCOを激走レポート

「ハンマー」と呼ぶにふさわしい強烈な加速に感動しました

 カー・アンド・ドライバー2025年7月号の特集「AMG&Mを知る」では、AMG初期の代表作である300SEL 6.8に「ハンマー」というニックネームが付けられていたと触れられていました。ハンマーは、強烈無比な加速をイメージさせる言葉。それはAMGモデル全般に対して筆者が思っていたものと同じでした。これまでのキャリアの中で、AMGモデルに触れる機会は限られていました。それでも、なんとなく直線番長的なイメージを感じていたのです。それだけにハンマーという記述が腑に落ちました。

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 今回、サーキットを中心にAMGモデルを試乗する機会を得たのですが、4リッターのV8ツインターボを搭載する63系のモデルたちはまさにハンマーと呼ぶにふさわしい加速を見せてくれました。その走りは筆者が思っている他のドイツブランドのハイパフォーマンスモデルとは異なる世界観だと、強い印象を受けました。他のブランドではハイパワーなエンジンを搭載しても、シャシー性能が優勢で必ず「目が追いつく」……そんなイメージがあります。しかし、AMGは優れたシャシーを持ちながらも、エンジンがさらに優勢。まさにハンマーで後ろから叩かれたような胸がすく加速を見せてくれました。

 電動モーターをプラスした新時代のAMGパワーユニットは、ハンマーという言葉を思わせるにふさわしい加速はもちろんですが、これまでAMGで経験したものとは異なるフィーリングも見せてくれました。現AMGラインアップの頂点に君臨するGT63S Eパフォーマンス(システム総合816ps/1420Nm)は凄まじいスピード性能を見せ、約1.5kmの富士スピードウェイのホームストレートでは300km/hに到達するほどの性能を誇ります。モーターが威力を発揮するひと伸び、その速さに圧倒されました。

 意外な発見だったのが3リッター直6ターボエンジンとPHEVを組み合わせたE53ハイブリッド(システム585ps/750Nm)です。強烈ながらシームレスな加速フィーリングを見せ、電気の力を使った新時代のハンマーだと思わせてくれました。

最新AMGは「直線番長」ではなく「曲がる」のも得意

 当初持っていた直線番長なイメージをしっかりと有していたAMG。しかし、サーキットでGT63やGT63S Eパフォーマンスに乗ると決して曲がることが不得意でないのも実感できました。基本的にはアンダー方向のセットアップと感じましたが、それが高速域での安定性を高めている印象。高速コーナーでもヒヤリとするシーンは少なく、電子制御も秀逸。クルマに慣れるほど「サーキットを速く走るためにこの電子制御は使える」と確信できました。

 また、コーナリング性能という面でいえば、2リッターターボを搭載するGT43(431ps/500Nm)に感心させられました。軽量コンパクトなパワーユニットを搭載して、FRスポーツカーとして優れたパッケージを実現しており、純粋な後輪駆動で高次元のドライビングの楽しさが味わえました。GT43はドイツ製スポーツカーらしい優れたシャシー性能がもたらすハンドリングとスタビリティのよさが際立つ乗り味です。ハンマーのような加速か? それともハンドリングが楽しいスポーツカーか? とドライバーの好みに応じて選べる楽しさ、GTモデルには、AMGの奥深さが感じられる選択肢があると実感しました。

 AMGの奥深さという意味では公道での印象も忘れられません。公道ではGT63S Eパフォーマンスをドライブしたのですが、コンフォートモードでは想像していたよりも積極的に電動走行を行い、静粛性が高い移動時間になったのが記憶に深く残っています。また、乗り心地も良好で快適性の高さを十分に堪能することができました。スポーツカーの性能に加え、まさに「GT」としての資質も高いところにあることが実感できた時間でした。

 さまざまなシーンで最新AMGに触れてみて、最も興味がわいたのがE53ハイブリッドです。新時代のハンマーと表現しましたが、試乗できたのはサーキットでの限られた時間だけで、公道ではまだ乗れていません。GT63S Eパフォーマンスで素晴らしい静粛性を中心とした快適性に驚かされたのですから、セダンとワゴンボディが選べるプラグインハイブリッドのE53が公道でどんな世界観を見せてくれるのか実に気になります。

 そして、興味があるといえばもう1台。今後登場するGT63PROも期待が高まる存在です。GT63をベースにブレーキや冷却性能などが高められたこのモデルは、よりサーキット志向が強くなっています。Eパフォーマンスの圧倒的な加速も魅力ですが、やはりコーナーでコントローラブルなのは軽量な純ガソリンエンジンモデルの63(585ps/800Nm)でした。そう考えると612ps/850NmにパワーアップしたPROの日本発売が待ち遠しいところです。

 多彩なバリエーションでさまざまな世界観を見せてくれるAMGモデルたち。その圧倒的なポテンシャルがファンとユーザーを増やし続けている理由だと、サーキットと公道での試乗を通じて理解できました。

文:カー・アンド・ドライバー 西川昇吾
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