この記事をまとめると
■全日本ラリー選手権第2戦ではGRヤリスRally2が激しい上位争いをしていた
「レーサー」は天才! 「ラリースト」は神! レーシングドライバーが語る「ドッチが速い」論争の結論とは
■GRヤリスRally2の戦闘能力の高さをドライバーたちのインタビューで明らかになった
■今後のJN1クラスの主導権を握る存在になることは間違いない
デビューしたての最新モデルが見せつけたポテンシャル!
2024年の全日本ラリー選手権・第2戦「ツール・ド・九州」が4月12日~14日、佐賀県唐津市を舞台に開催。シュコダ・ファビアR5を駆る新井大輝選手が最高峰のJN1クラスで今季初優勝を獲得したのだが、その新井選手と激しいタイム争いを展開したのが、トヨタの最新モデル、GRヤリスRally2のユーザーたちだった。
事実、レグ1のSS2、レグ2のSS7でベストタイムをマークしたラックwithルーキーレーシング・ラリーチームの勝田範彦選手が2位に入賞したほか、胸部上行大動脈瘤の手術で欠場したヘイッキ・コバライネン選手のピンチヒッターとしてGRヤリスRally2のステアリングを握ったラリーチーム・アイセロの田口勝彦も5位に入賞。さらにレグ1のSS1でコースアウトを喫し、リタイヤに終わったヌタハラ・ラリーチームの奴田原文雄選手もレグ2で再出走を果たすとSS8、SS10でベストタイムを叩き出すなど、抜群のスピードを披露している。
残念ながら勝田選手はレグ1のファーストループでポップアップバルブが破損し、ブーストがかからない状態となったことで大きく出遅れたが、そのトラブルがなければ新井選手×ファビアR5と激しいトップ争いを繰り広げたに違いない。
奴田原選手に関しても、ペースノートの読み遅れによりSS1で離脱することになったが、ペース的には十分にトップを争えたことだろう。
まさにGRヤリスRally2は噂に違わぬパフォーマンスを披露しているが、同マシンにはどのような特徴があるのだろうか? というわけで、ここでは2024年の全日本ラリー選手権にデビューした最新の国際モデルをクローズアップしたい。
まず、GRヤリスRally2は文字どおり、GRヤリスをベースに開発されたラリー用の国際規定「Rally2」に合致したモデルで、2024年1月にFIAの国際公認を取得。以来、カスタマーモデルとして世界各国にデリバリーされており、WRCのほか、国内外のラリー選手権にデビューしている。
全日本ラリー選手権においては2023年よりトヨタGAZOOレーシングWRJが開発の一環としてプロトタイプ車両を投入していたが、2024年は国際公認を取得したことで、ラックwithルーキーレーシング・ラリーチーム、ヌタハラ・ラリーチーム、ラリーチーム・アイセロと3つのカスタマーチームがGRヤリスRally2を投入。開幕戦のラリー三河湾では勝田選手が初優勝を獲得したほか、奴田原選手が4位、田口選手が5位につけるなど、デビュー戦で素晴らしいパフォーマンスを披露したのだが、GRヤリスRally2にとって最大の武器となっているのだが、卓越したコントロール性能にあるといえるだろう。
ドライバーたちから絶賛されるコントロール性!
「昨年までのテスト車両はリヤが突発的に出ることがあったんですけど、公認モデルはリヤが粘ってくれる。一瞬、リヤが流れても、すぐにコントロールできるので安心感がありますし、リヤが粘るとフロントがアンダーステアになる傾向にあるんですけど、GRヤリスRally2はしっかりと曲がってくれるので乗りやすいですね」と語るのは勝田選手だ。同時に気になるエンジンに関しても「テスト車両よりもトルクが上がっているのでエンジンも扱いやすい。そこも乗りやすくなっているところだと思います」と勝田選手はインプレッションしている。
これに加えて田口選手も「レーシングカー的な感覚でハンドリングがいいですね。日本の林道ではリヤが出やすくて、どうしてもアンダーステアになりがちだから、セッティングでいいところをいかに見つけるかがポイントです。いまはまだ、いろいろと試している状況なので、もっと速くなると思いますよ」と分析している。
一方、昨年までJN2クラスで国内規定のGRヤリスをドライビングしていた奴田原選手は「同じ競技車両でも足まわりが市販車と同じ国内規定モデルに対して、Rally2は専用の足まわりを持つレーシングカーだから昨年までドライビングしていた国内規定モデルとRally2はまったく違います。すべての動きがダイレクトだし、ステアリングもクイックだから面白い」とファーストインプレッション。
さらに奴田原選手によれば「リストリクターが小さいから、エンジンパワーだけでいえば、国内規定モデルのほうがあると思うけれど、加速とブレーキに関しては、Rally2のほうが圧倒的に優れていると思う。加速に関してはシーケンシャルを使って、エンジンの美味しいところだけを使って加速することができるし、シフトのロスもないから一気にトップスピードへ持っていける。ブレーキも常に四輪が設置しているので、すごくよく利きます」とのこと。
「GRヤリスRally2は全体的に四輪を使って走っている感じです。国内規定モデルだと、どっかのタイヤに荷重が大きく乗ったりしてインリフトしますが、Rally2は四輪すべてを使えるのでトータルでのグリップ力は高いし、トラクション性能も高いと思います」と分析する。
ちなみに、GRヤリスRally2は整備性も良く、ヌタハラ・ラリーチームのチーフメカニック、山田淳一氏によれば「整備性はいいですね。いろんなことがうまく考えられていると思います。これまでグループAやグループNなど、いろんなクルマを触ってきましたが、それと比べてもRally2は簡潔に作られていると思います」とのことだ。
まさにGRヤリスRally2はラリー競技のカスタマー用モデルとしては最高峰となるマシンで、今後もJN1クラスではGRヤリスRally2がトップ争いの主導権を握るに違いない。
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みんなのコメント
豚に失礼なぐらい
歴代の名車は全て美しさがあったが
GRヤリスだけは見ると嫌悪感しか無い