はじめに
数十年にわたり、メルセデス・ベンツの背が高い四輪駆動車といえば唯一、ゲレンデワーゲンがあるのみだった。ところが、いまや8車種にまで拡大している。
今回、ロードテストの対象となるGLBは、そのラインナップの中でも最新モデルだ。車名からもわかるように、メルセデスのSUVとしてはもっとも小さいGLAと、その上位のGLCとの間を埋めるピースである。
もちろん、このクルマが参戦するコンパクトSUVセグメントに、存在意義の小さいモデルはひとつもない。いまやそれらはバカげたほど高い人気を集めており、各メーカーのモデルレンジのボトムエンドに欠かせないものとなっている。
それゆえGLBのライバルは、プレミアムブランドに絞っても、アウディQ3やランドローバー・ディスカバリー・スポーツ、ジャガーEペイス、BMW X1、そしてボルボXC40と、いずれ劣らぬ強敵揃い。このクラスの購買層は、まさによりどりみどりという恵まれた状況にある。それだけに、明確な差別化が必要となってくる。
はたして、GLBは明らかな個性を主張できているのだろうか。その問いへ簡単に答えるなら、十分ではない、ということになる。もっともそれについては、どのライバルたちも似たり寄ったり。唯一の例外は、真のオフローダーと呼べる走破性を備えたディスカバリー・スポーツだけだ。
GLBに、ランドローバー並みのオフロード性能は期待できない。その代わりに訴求するのが、どちらかといえば目を引く堂々としたエクステリアや、テクノロジーを詰め込んだインテリアだ。
さらに、7人乗りが標準仕様という点にも、ユーザーは利便性を見出せるはず。また、広さそのものは、GLAではなくGLBを選ぶ最大の理由になる。
メルセデスとしては、乗り心地や走行時の洗練性もクラストップに近いものがあるはずだが、最近は必ずしもそうではないことがある。走りも平均以上なのは間違いなさそうだが、メルセデスがSUVでマークしてきたサーキットでのレコードにもムラがある。
はたして、GLBが強みを発揮するのはどのような分野か。そして、このクラスのランキングで、何位に食い込んでくるのだろうか。
意匠と技術 ★★★★★★★☆☆☆
メルセデスは、GLBのEVバージョンであるEQBの開発の真っ最中だ。航続距離は480kmを超えるとみられ、発売は来年の予定だ。しかしながら現時点では、このクロスオーバーのメカニズムはもっとトラディッショナル。いかなる電動化技術も取り入れられていない、現行プロダクトとシェアしているものばかりだ。
エンジンは4気筒のガソリンとディーゼルで、前輪駆動と四輪駆動を設定。トランスミッションは7速と8速の自動変速だ。4マチックこと4WDを選ぶと、エンジン出力は電子制御クラッチによって前後アクスル間で可変配分される。
通常、後輪への駆動力配分は20%だが、スポーツモードではそれが30%に増加する。オフロード環境では、このクラッチがデフロックとして機能し、前後へ50%ずつトルクを分配する。
英国でのラインナップは、163psの1.3Lガソリンを積む200、2.0Lディーゼルで150psの200dと191psの220d。それらの上位に位置するのが、AMGが手掛けたGLB 35 4マチック。ホットハッチのA 35と同じ306psの2.0L直4と、8速DCTを積む。1755kgの車両重量は、GLBでもっとも重いが、0-100km/h加速は5.2秒と、エントリーモデルのGLB 200に対しほぼ半分のタイムだ。
メキシコで生産されるGLBのプラットフォームは、Aクラスと同じMFA2がベース。ただし、ホイールベースは100mm延長され、3列シートを収めるスペースを稼いでいる。2829mmというのは、このクラスで最長だ。ディスカバリー・スポーツやQ3はもちろん、1クラス上のQ5さえ凌いでいる。
サスペンションはフロントがストラット、リアがマルチリンクで、コイルスプリングを組み合わせる。オプションでアダプティブダンパーは用意されるが、エアスプリングはもっと大型のモデルでなければ与えられないアイテムということになるらしい。
デザインに関していえば、2019年の上海モーターショーで公開されたコンセプトモデルをなぞったもの。ボクシーなスタイリングで、キャラクターは兄弟分のGLAより兄貴分のGLCに近い。
ホイールハウスの追加アーチと直立したバンパーはとりわけストロングな造形。メルセデスは明らかに、ディスカバリー・スポーツを人気のファミリー向けSUVたらしめている類のいかつさを、多少なりとも取り入れようとしている。
内装 ★★★★★★★★☆☆
AクラスやBクラスに乗り慣れていたら、GLBのインテリアには、慣れ親しんだデザインやレイアウトを数多く発見できるはずだ。そこで時間を過ごす環境としては体裁がよく、とはいえトリムのフィニッシュには、誰もが満足できるとはいえないところがみられる。
調整可能なアンビエントライトは、クールなメタリック調とピアノブラックのパネル表面に上品さをもたらす。また、レザーとスウェード風のシートが、GLBの質感を高めている。
しかしながら、ほかの小型メルセデスと同じく、キャビンの低い位置にはザラついたプラスティックが見つけられる。おそらくは、ほかの部分よりきしみ音も発生しやすいだろう。
ディスカバリー・スポーツのインテリアに、ヴィジュアル的に驚かされるような要素はない。しかし、全体的にはランドローバーらしいソリッドさが感じられる。それは、メルセデスには存在しないものだ。
しかし、そうはいってもGLBのキャビンは、実用性の面からみれば満足のいくものだ。ドライビングポジションのアジャスト性は良好。ステアリングコラムのテレスコピック量は大きく、前席にはふともも裏を支える適切なサポートも備わる。
たしかに、シートそのものは硬い。硬すぎる、と形容したテスターもいる。それにもかかわらず、走行中には胴体もヒップもしっかりとサポートしてくれる。
2列目のベンチシートは、スライドすれば最大760mmのレッグスペースを得られるので、大人が長時間乗っていても苦痛を強いられることはない。ディスカバリー・スポーツの780mmには及ばないが、その差は非難を受けるほど大きなものではない。
このクルマには3列目シートがあるが、2列目がスライドするということは、当然ながら3列目の広さを増すこともできる。もっとも、主に子供用ではあり、タイトな空間は大人が進んで過したいと思わせるものではない。
3列目シート使用時には、荷室の使い勝手は低い。バックパック程度の大きさでも、テールゲートを開ける際に落とさないよう積むのは難しい。しかし、3列目を畳めば500L、2列目まで倒せば1680Lの容量を稼ぎ出すことができる。
走り ★★★★★★★☆☆☆
GLBの購入を検討中で、パフォーマンスを重視するユーザーなら、306psを誇るAMGモデルのGLB 35を選ぶだろう。だが、ディーゼルの最上位モデルである220dでも、パンチが足りないと非難されることはないだろう。179psのディスカバリー・スポーツよりも200kg軽いので、GLB 220dは発進も速度が上がってからも、かなり活発に感じられる。
われわれが計測した0-97km/h加速タイムは、往復の平均が7.4秒で、ディスカバリー・スポーツの10.3秒を大きく凌ぐ。0-100km/h=7.6秒というメルセデスの公称値を裏付けるものでもある。
しかし、それ以上に重要なのは、そのパフォーマンスを路上で容易に使えるということだ。中回転域トルクの余力が十分で、自動変速時にもギアボックスのスロットル入力に対するレスポンスがいいので、過度に我慢を強いられることはない。
48-113km/h加速は7.1秒で、ディスカバリー・スポーツより3.4秒も速い。もちろん、その加速にドラマティックさや華々しさはないが、速度が乗っても安定感があり、後方への荷重移動は過剰ではない。
もっとも、思いのほか燃費がよくないのは残念だが、それは決定的な欠点といえるほどではない。気になるのは、スロットル開度が少ないときに絶えず耳に入る唸りで、回転が上がるにつれてより耳障りで煩くなる。
クロスレシオのギアボックスにより、それに長く悩まされ続けることはなく、一定速でクルーズしていればそのノイズは背景音に溶け込んでしまう。しかし、ランドローバーのインジニウム・ディーゼルのほうが間違いなく洗練度は高い。
ブレーキ性能と制動時のスタビリティは良好で、113km/hからの停止に要する距離は45.3m。ブレーキペダルのチューニングも上々で、直観的な効きかたと適正なフィールがある。
使い勝手 ★★★★★★★★★☆
インフォテインメント
スポーツとAMGラインの各グレードは、MBUXインフォテインメントシステムとメーターパネルに7.0インチのディスプレイを標準装備する。
ただし、テスト車と同じプレミアムパッケージを選択すれば、どちらも10.3インチにアップグレードされ、出力225Wのサウンドシステムも追加される。
あわせて装備されるのが、注目のARナビゲーション。カメラで撮影した進路上の実映像をナビゲーション画面に投影し、案内をわかりやすくするというデバイスだ。先進性で話題になっているが、テスター陣はすぐにオフにしてしまった。
それはともかく、システムのOS自体は直観的に使える。センターコンソール場のトラックパッドは多少の慣れが必要だが、ディスプレイはタッチ操作へのレスポンスがよく、ステアリングホイールの親指パッドも十分に役立つ。
グラフィックはかなりなめらか。メルセデス・アドバンスト・サウンドシステムの音質は実にいい。
燈火類
ヘッドライトは明るく、照射距離も長いが、アクティブ制御系は備わらない。それを備えるマルチビームLEDが標準装備されるのは、プレミアムプラス以上のグレードだ。
ステアリングとペダル
長距離運転しても、明らかに不快になるような要素は見出せない。ステアリングホイールにオフセットはなく、ペダル間隔も適切だ。
操舵/安定性 ★★★★★★★★☆☆
GLBのプラットフォームは、もっとコンパクトなハッチバック向けに開発されたものがベースである。それがもっとも明らかになるのは、この7座SUVの舵を切ったときだ。
ステアリングホイールを回すと、ひどく急激ではないものの、気持ちいいくらいキビキビとしたフロントのレスポンスが返ってくる。それからやってくる、背が高く角張ったクルマには付きもののロールはうまく抑えられて、徐々に進むものだ。
実際、GLBのフラットなボディサイドや、コンフォート寄りのサスペンションチューンを考えれば、速いコーナリングでも比較的控えめなロール角は、想像したほど大きいものとはいえない。
この断固たるロールへの抵抗ぶりに加え、グリップは十分で、比較的緩やかなギア比ながら直観的な手応えのあるステアリングは正確。そのため、走り志向のドライバーなら、これよりゆったりとしたディスカバリー・スポーツより、GLBのほうを好みそうだ。
英国製のライバルは、ほかの小型SUVでは踏み入れないような場所を走るために造られ、おそらくは結果としてより高級で頼れる感じのクルマとなった。それに対しGLBは、キビキビ走る感じのキャラクターで、市街地によくマッチしていると思わせる。
だが、コーナーにある路面の窪みやジョイントはその走りを妨げる。左右への揺れを抑えるべく横方向を固めたことで、ふらつきに弱いところも出てしまっているのだ。ステアリングは、コーナリング中に大きな路面不整に遭うと、ひどく強烈なものではないが、キックバックを伝えてくる。
にもかかわらず、運動性能は文句なしに、平均的なGLBオーナーにハンドリングの安心感が足りないとは思わせないレベル。高さのある、SUVにふさわしく周囲を見下ろすドライビングポジションは、全周囲とも優れた視認性を提供してくれる。
快適性/静粛性 ★★★★★★★☆☆☆
サスペンションはコンフォート志向でありながら、垂直方向のボディ挙動のマネージメントには常に自己主張するところが残っている。
アンジュレーションがそこかしこにあるカントリーロードのストレートを飛ばしても、このメルセデスは沈み込みながらも楽に、そしてとびきりしなやかに駆け抜ける。それに続く上方向へのリバウンドは、スマートに食い止められている。
プライマリーライドに関していえば、スムースな高速道路におけるGLBは快適な相棒だ。たとえ、ディスカバリー・スポーツほどクッションが効いてはいなくてもだ。
それより荒れた道でも、その振る舞いはおおむね変わらない。ほとんどの場面で、落ち着きぶりに不足はないのだ。たとえ、わずかながら頭を揺すられることが、ときどきあるとはいっても。
ペースを上げるとややノイジーで、きついエッジを越える際の動きは優雅とはいえないものだ。けれども、市街地での速度域では、おおむねマナーのいい走りをみせる。
大きな衝撃を受けた場合や先述したエンジンの騒々しさを別にすれば、このGLBのキャビンはかなり遮音が効いているが、ずば抜けているほどではない。高速道路においてはドアミラー周辺で風切り音がバタつき、ロードノイズもそこそこある。
計測値は113km/hで68dBと、期待していたほど小さくなかった。同じ状況でディスカバリー・スポーツ D180は、66dBに収まっている。
購入と維持 ★★★★★★★★☆☆
おそらく、GLBにとって大きな脅威となるのは、モデルチェンジ間近とみられるX1をはじめ、Q3やディスカバリー・スポーツといった、すなわちプレミアムブランドのライバルではなく、より安価なプジョー5008やスコダ・コディアックのほうだろう。
ユーザーは、安価なモデルのデザインがいかに考え抜かれたものになったかを目にして驚きを覚えるだろう。また、メルセデスなどに比べれば質感はまだまだ及ばないものの、7人乗りが用意されてはいる。
あくまでもプレミアムブランドにこだわるなら、少なくとも残価予想をみる限り、アウディやBMWのライバルを上回るメルセデスは魅力的な選択肢だといえる。ディスカバリー・スポーツのデータはないが、ランドローバーの残価率は得てして悪くない。
ツーリングで19.6km/Lという燃費も、重量や空気抵抗値を踏まえればみごとなもの。60Lの燃料タンク容量から計算するに、最大航続距離は1100kmを優に超える。
英国市場では、1625ポンド(約22.8万円)でオフロードパッケージを追加できる。これにはアンダーフロアの強化パネルや、パワーデリバリーとABSの作動を悪路向けにする走行モードが含まれる。また、20km/h以下で使用可能なヒルディセントコントロールも装備される。
スペック
レイアウト
メルセデスのコンパクトモデルとしては最新世代に入るGLBは、エンジンをフロントに横置きする。4マチック仕様には、クラッチ式4WDを搭載する。
ほかの小型メルセデスと異なるのは、サスペンションが四輪独立懸架のみとなる点。テスト車の前後重量配分は、実測で58:42だった。
エンジン
駆動方式:フロント横置き四輪駆動
形式:直列4気筒1950ccターボ、ディーゼル
ブロック・ヘッド:アルミニウム
ボア×ストローク:φ82.0×92.3mm
圧縮比:15.5:1
バルブ配置:4バルブDOHC
最高出力:191ps/3800rpm
最大トルク:40.8kg-m/1600~2600rpm
許容回転数:4600rpm
馬力荷重比:109ps/t
トルク荷重比:23.5kg-m/t
エンジン比出力:97ps/L
ボディ/シャシー
全長:4634mm
ホイールベース:2829mm
オーバーハング(前):905mm
オーバーハング(後):900mm
全幅(ミラー含む):2020mm
全幅(両ドア開き):3720mm
全高:1662mm
全高:(テールゲート開き):2100mm
足元長さ(1列目):最大1120mm
足元長さ(2列目):620~760mm
足元長さ(3列目):540~680mm
座面~天井(1列目):最大1070mm
座面~天井(2列目):990mm
座面~天井(3列目):840mm
積載容量:130~1680L
構造:スティールモノコック
車両重量:1735kg(公称値)/1810kg(実測値)
抗力係数:0.31
ホイール前・後:8.0Jx19
タイヤ前・後:235/50 R19 92Y
ブリヂストン・アレンザ
スペアタイヤ:なし(パンク修理キット)
変速機
形式:8速DCT
ギア比/1000rpm時車速〈km/h〉
1速:4.20/7.4
2速:2.62/11.9
3速:2.65/17.2
4速:1.92/23.8
5速:0.96/32.5
6速:1.12/40.7
7速:0.90/50.7
8速:0.75/60.8
最終減速比:1、2、5速・4.33:1/3、4、6~8速・2.96:1
燃料消費率
AUTOCAR実測値:消費率
総平均:13.8km/L
ツーリング:19.6km/L
動力性能計測時:8.1km/L
メーカー公表値:消費率
低速(市街地):13.3km/L
中速(郊外):16.7km/L
高速(高速道路):19.6km/L
超高速:16.4km/L
混合:16.7km/L
燃料タンク容量:60L
現実的な航続距離:829km
CO2排出量:156g/km
サスペンション
前:マクファーソンストラット/コイルスプリング、スタビライザー
後:マルチリンク/コイルスプリング、スタビライザー
ステアリング
形式:電動、ラック&ピニオン
ロック・トゥ・ロック:2.8回転
最小回転直径:11.7m
ブレーキ
前:330mm通気冷却式ディスク
後:320mmディスク
制御装置:ABS、ブレーキアシスト
ハンドブレーキ:電動、スイッチ(ダッシュボード右側に設置)
静粛性
アイドリング:43dB
全開時:73dB(4速)
48km/h走行時:59dB
80km/h走行時:63dB
113km/h走行時:68dB
安全装備
ABS/ESP/ASR/アクティブブレーキアシスト
Euro N CAP:5つ星(GLB 200)
乗員保護性能:成人92%/子供88%
交通弱者保護性能:78%
安全補助装置性能:74%
発進加速
テスト条件:乾燥路面/気温20℃
0-30マイル/時(48km/h):2.7秒
0-40(64):3.9秒
0-50(80):5.5秒
0-60(97):7.4秒
0-70(113):9.8秒
0-80(129):12.5秒
0-90(145):16.1秒
0-100(161):20.4秒
0-402m発進加速:15.9秒(到達速度:143.9km/h)
0-1000m発進加速:28.9秒(到達速度:180.6km/h)
ライバルの発進加速ライバルの発進加速
ランドローバー・ディスカバリー・スポーツ D180 SE AWD(2019年)
テスト条件:湿潤路面/気温4℃
0-30マイル/時(48km/h):3.1秒
0-40(64):4.9秒
0-50(80):7.3秒
0-60(97):10.3秒
0-70(113):13.7秒
0-80(129):18.3秒
0-90(145):24.9秒
0-100(161):35.2秒
0-402m発進加速:17.6秒(到達速度:126.5km/h)
0-1000m発進加速:32.5秒(到達速度:157.6km/h)
中間加速
20-40mph(32-64km/h):2.3秒(3速)/3.6秒(4速)
30-50(48-80):3.1秒(4速)/4.3秒(5速)
40-60(64-97):3.4秒(4速)/4.1秒(5速)/5.6秒(6速)
50-70(80-113):4.3秒(5速)/5.6秒(6速)/8.1秒(7速)
60-80(97-129):4.9秒(5速)/5.8秒(6速)/8.4秒(7速)/12.9秒(8速)
70-90(113-145):6.3秒(5速)/6.5秒(6速)/8.7秒(7速)/14.5秒(8速)
80-100(129-161):7.8秒(6速)/9.5秒(7速)/16.3秒(8速)
90-110(145-177):10.7秒(6速)/11.8秒(7速)
各ギアの最高速
1速:33.8km/h(4600rpm)
2速:54.7km/h(4600rpm)
3速:78.9km/h(4600rpm)
4速:109.4km/h(4600rpm)
5速:149.7km/h(4600rpm)
6速:186.7km/h(4600rpm)
7速:217.3km/h(4286rpm)
8速:(公称値):217.3km/h(3571rpm)
8速・70/80マイル/時(113km/h/129km/h):1852rpm/2116rpm
制動距離
テスト条件:乾燥路面/気温20℃
30-0マイル/時(48km/h):8.6m
50-0マイル/時(64km/h):23.4m
70-0マイル/時(80km/h):45.3m
60-0マイル/時(97km/h)制動時間:2.75秒
ライバルの制動距離ランドローバー・ディスカバリー・スポーツ D180 SE AWD(2019年)
テスト条件:湿潤路面/気温4℃
30-0マイル/時(48km/h):11.2m
50-0マイル/時(64km/h):31.1m
70-0マイル/時(80km/h):62.2m
結論 ★★★★★★★☆☆☆
GLBは、それだけをみれば完成されたクルマだ。プレミアムなファミリー向けSUVに、魅力的なレベルの実用性を上乗せしている。その7座レイアウトによって、ディスカバリー・スポーツはかつてのような唯一のチョイスではなくなった。
しかし、間違いなくこのメルセデスの最新モデルは好ましいのだが、同時にテスター陣は、ある思いを否定するのが難しかった。それは、あくまで使い勝手のいい派生モデルであって、クラストップの座を競える専用モデルではないというものだ。
より硬く、融通のききにくい乗り心地と、速度の高いコーナリング時のインパクトを扱いかねる傾向は、ハッチバックベースのシャシーが、限界ギリギリまで大幅にストレッチされていることを示唆している。
また、パワープラントは、実用的でヴィジュアル面でも魅力的なキャビンや、機敏さが心地いいハンドリングの魅力を削いでいる。もう少しリファインする必要があるだろう。
そうした点から、このクルマは真に勢力図を塗り替えるものだということはできない。だが、ディスカバリー・スポーツの遠慮ないまでにオフロードフレンドリーな運動性能とイメージも、5シーターしかないQ3やX1も好みではないのであれば、7シーターのGLBに心を動かされることだろう。そして、それは至極もっともなことでもある。
担当テスターのアドバイス
サイモン・デイヴィスGLBのマニュアル変速は、非常に鋭いレスポンスをみせるとはいえない。パドルを引いても待たされるか、なにも反応しないかだ。牽引する際にのみ使うのがベストではないだろうか。
リチャード・レーンかつてのGLKは英国へ導入されなかったが、欧州本土では人気だった。支持された理由のひとつに、コンパクトなサイズながらゴツくて直立気味のデザインだったことが挙げられる。その点でGLBには共通するものがある。おそらく好調なセールスを記録するだろう。
オプション追加のアドバイス
トリムレベルは、スポーツ/AMGライン/AMGライン・プレミアムの3つ。もっともベーシックなスポーツでも装備内容は十分だが、その場合はエンジンが1.3Lガソリンのみとなる。そこでわれわれはもう少し追い金をして、2.0Lディーゼルを積む200d AMGラインを選びたい。
改善してほしいポイント
・2.0Lディーゼルエンジンは、負荷がかかった際の上品さをもっと改善すべきだ。
・乗り心地には、もっとしなやかさがあっていい。たとえ、ハンドリングのレスポンスを犠牲にしても。
・マニュアル変速のレスポンスは、もっと高めてほしい。
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みんなのコメント
褒め言葉べったりのものは信用置けないですね。