チューニングカーのタイムアタッカーとしても知られ、スーパーGT300クラスでは2011年、2014年、2017年にチャンピオンを獲得している谷口信輝が12月2日、筑波サーキットで開催された『スピード×サウンド トロフィー 2018』に登場。アウディが展開するカスタマーレーシングカー3台を乗り比べた。
これは同イベントにおける雑誌auto sportによる企画のひとつとして実施されたもので、アウディジャパン、Audi Team Hitotsuyama、アドバンスステップの協力により実現。タイムアタックの聖地とも呼べる筑波にGT3マシンであるアウディR8 LMS、GT4マシンであるアウディR8 LMS GT4、TCRマシンであるアウディRS3 LMSが集結した。
12月2日、筑波で開催の『SPEED×SOUND TROPHY』でアウディのTCR、GT4、GT3を谷口信輝がドライブ
午前と午後にそれぞれ用意された走行枠で、谷口は当初それぞれ一気に3台を乗り比べることになっていたが、イベント当日は気温が低く、タイヤのウォームアップに時間がかかることが予想されたため、1枠あたり2台ずつの走行に変更。さらにタイヤのウォームアップをサポートするべく、レーシングドライバーの山田英二も助っ人として参戦した。
谷口はまず、午前8時半から30分設けられた最初の走行枠で、R8 LMSとR8 LMS GT4に試乗。そして気温が比較的高くなった12時45分から25分の枠ではRS3 LMSで走行、さらにR8 LMSを“おかわり”した。
合計55分間でGT3、GT4、TCRを乗り比べた谷口。R8 LMSは Audi Team Hitotsuyamaが実際に2018年のGT300クラスで走行させたもので、その印象について「リヤのトラクションがかなりあるので、コーナー出口でのアクセルオンが早い。踏み始め(のタイミング)ではなくて、全開にできるタイミングが早い」という。
「(ミッドシップレイアウトのため)フロントの軽さはちょっとある。(自身がスーパーGTでドライブした)メルセデスAMG GT3のほうがフロントの圧はある。でも前に何もない割には軽くてフラフラするという感じはないね」
また、午前のセッションでは最終コーナーでコースアウトする場面もあったGT4については「クルマのフィーリングとしては、リヤウイングの角度をもう少しつけたい感じ。少しオーバーステアで、コーナーのミドルでクルマが曲がろうとしたときにリヤ(のスタビリティ)が足りない感じで、ぺろーんと出てしまう。そこを少しセッティングしたいという感じ」とコメント。
そして「一番気になっていた」というRS 3 LMSはリヤタイヤが温まるまで「ちょー怖」だったと言うが、「TCRはかなり楽しいね」と笑顔をみせた。
「トラコン(トラクションコントロール)が賢いみたいで、ハンドル切って、あとはもうトラコン任せに(アクセルを踏んで)いけるので、誰が乗ってもさほどそん色なく、腕の差もそんな出ずに走れるんじゃないかな。クルマがかなり助けてくれる。でもすべてにおいてリヤが温まってくれたらの話なんだけど(笑)」
ちなみに各車両のベストラップはR8 LMSが54秒640、R8 LMS GT4が58秒359、RS 3 LMSが58秒669だった。スリックタイヤで走るには気温、路温ともに低すぎたこと、またタイヤそのものもピレリの耐久レース用タイヤだったことを踏まえると、あくまで参考タイムといったところだろう。
ただ、谷口の走りもデモランと呼ぶには“攻めすぎている”ように見え、ドライバー魂がうずいていたようだった。
今回の谷口によるアウディカスタマーレーシングカーインプレッションは、12月14日発売のオートスポーツ No.1496に詳報される。
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