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「ダウンフォースはちゃんと抜けた」「連携も含めバタバタ」「マイルドな言葉が見つからない」【SF Mix Voices 第1戦(1)】

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「ダウンフォースはちゃんと抜けた」「連携も含めバタバタ」「マイルドな言葉が見つからない」【SF Mix Voices 第1戦(1)】

 全日本スーパーフォーミュラ選手権は4月8日、静岡県の富士スピードウェイで2023年第1戦の予選・決勝が行われ、ルーキーのリアム・ローソン(TEAM MUGEN)が初優勝を飾った。

 新型車両『SF23』のレビューレースとなった今戦は、スタートから終盤まで波乱の展開となった。決勝後、全ドライバーが参加して行われる取材セッション“ミックスゾーン”から、予選と決勝を戦い終えたドライバーたちの声を2回に分けてお届けする(後編はこちら)。

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■大湯都史樹(TGM Grand Prix) 予選4番手/決勝7位

 予選で4番手を獲得し、1コーナーまでに2番手へと順位を上げる好スタートを決めた大湯。ミニマム周回数でピットインするも、その後のペースに悩まされるレースとなった。

「スタートで順位を上げたのですが、意味がない形になってしまいましたね。前のドライバーたちに動く様子がなかったのでピットに入ったのですが、ピットロスも大きくて。ですがそれがあったにしても、そもそもペースが遅い」

「鈴鹿の時(公式テスト)にも思っていたのですが、決勝で全然速く走れる感覚がないので、そこが謎です。今回はタイヤをだいぶ温存していたのですが、それでもやはりダメでした」

 予選では、チームメイトに近づいてひっかかってしまう場面もあった。

「(順位としては)ポジティブな方向を示せたんじゃないかなと思います。ただ、正直厳しいところもありました。連携も含めバタバタしてあまりうまく噛み合っていなかったですね」

■太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING) 予選17番手/決勝15位

 スーパーフォーミュラデビュー戦を迎えた太田だが、金曜の専有走行がキャンセル。この日の予選がSF23での“ぶっつけ本番”走行となった。

「予選では、始まってすぐの段階ではタイムも出せていたのですが、中盤にペースをうまく上げきれなかったですね。路面コンディションにマシンもドライビングもうまく合わせられなかったのが大きいのかなと思います」

 そして迎えた初の決勝のスタートでは、ストールで大きく出遅れるかたちとなってしまった。

「エンストしてしまいましたね。練習は一回だけでしたし、エンジニアにはデータも見てもらっているのですが、残念です」

「(1日を振り返って)自分のなかではもうすこしうまくできたかなと思う部分もありますが、明日のレースもありますし、とりあえず無事に終わったかなという感じです。また明日頑張りたいです」

■関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)予選13番手/決勝11位

 予選では、トラブル発生によりエンジンがかからず、最終アタックへと出走できなかった関口雄飛。不幸中の幸いか、最終アタックでタイムアップするライバル勢は少なく、なんとか中団グリッドを確保することができた。

 しかし、スタート直後に波乱が待ち受けていた。

「1コーナーに向けてインに入ったんですけど、一番右まで行ったので(その後)左に寄ったら、セルモがいて、ちょっと渋滞みたいになっていて。『ぶつかる!』と思って、“ビックリブレーキ”してしまいました。ついつい足に力が入ってしまい……ステアリングは右に切っていたのですが、ロックしているので曲がらず、(3号車に)ぶつかってしまいました」

(※山下健太のコメントはMix Voices後編に掲載)

 これにより、関口にはドライブスルーペナルティが科せられた。

「その後のペースも、あまり良くなかったですね。最初平川選手を抜いたり抜かれたりして……抜かれる1周くらい前に、急にリヤが滑り始めて、抜かれてからも全然離されてしまいました」

 関口によれば、SF23のエアロパッケージになっても「100Rで前のクルマの後ろにつくと、ダウンフォースはちゃんと抜けました。鈴鹿のS字で追走できる感じではないですね」という。それよりも、今季から変更されたタイヤスペックの方に、レースが変わる要素を見出してるようだ。

「そっちの方が、たぶんレースが面白くなっていると思います。やっぱりタレるし、人によってはガクンとラップタイムが落ちるので」

 ロングランのセットアップは「まだ見えてない」と語る関口。第2戦に向け、改善の糸口を探る必要がありそうだ。

■宮田莉朋(VANTELIN TEAM TOM’S)予選2番手/決勝5位

 予選で2番手タイムをマークし、フロントロウからスタートを迎えた宮田。ただ、スタートでは2列目発進の大湯都史樹(TGM Grand Prix)、リアム・ローソン(TEAM MUGEN)に先行を許すこととなり、オープニングラップで4番手まで後退してしまう。

 宮田はこのスタートについて「新しいエンジンになってから、スタート練習ができてない中でのレースでした。去年からエンジニアさんと新しいエンジンマップだったりなどいろいろと作って、『これがいい』というテストも踏まえての開幕戦だったのですけど、新しいエンジンになったらそこがぜんぜん良くなくて(苦笑)」と、出遅れた理由を分析する。

「アクセル踏んでるのまったく前に進まず、ただ踏ん張っているという状況でした。なぜそうなったのかは今検証中です。本当に今回はエンジン関係の部分ではデータ取りという感じで僕はやっているので、それも仕方ないのかなっていうふうに思っています」

 やはり、専有走行(フリー走行)中止の影響は大きく、予選で好調を見せた宮田も決勝でその魔の手に捕まれることとなった。スタートで失ったポジションは取り戻すことはできず、4番手の山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING)の背を追うなかセーフティカー(SC)導入となり、そのまま5位でチェッカーを受けることとなった。

「エンジニアと全車両のウイングとかを見ても、僕のクルマが(ダウンフォース量を)一番削っていましたね。ダウンフォース量が少ない中でのレースを進めたのは僕だったので、その差がやはりセクター2で結構きつかったですし、セクター3もタイヤが厳しいときには結構きつくなりました。逆に言えば予想外に周りがダウンフォースをつけていたというのがいい意味でヒントになったので、明日に向けて良いデータが取れたかなという感じです」

 翌9日に行われる第2戦に向けて、ポジティブな要素を活かせばと語った宮田。そんな宮田に一番悔しかったポイントを尋ねると「それは全部ですけど……。それを言い出したら36号車のアクシデントがなければ僕はもうひとつ順位を上げることはできた展開でした」という。

「ちょうど前で山本選手が平川選手とやり合っていて、OTSを使えない状況で真後ろについたときだったので、『絶対にもう抜けるな』というところだったのですけど……そこはもったいないなと」と、悔しさを滲ませた宮田。

「でも、リアム選手のようにうまくいくときもあれば、そういかないときもあると思います。ただ僕はそのなかでクラッシュに巻き込まれずにデータも取れましたし、予選もこの状況で2番手を取れたというポジティブな要素もあります。『明日は絶対に結果を残します』とは断言できないですけど、ポジティブな要素を活かせれば、明日はいいレースができるのかなと思います」

■佐藤蓮(TCS NAKAJIMA RACING)予選5番手/決勝6位

 約1年前の2022年開幕戦富士で、新人ながら予選で2番手に入り、衝撃的なSFデビューを果たした佐藤。今季はチームを移籍し、また富士に戻ってきた。

「富士を走るのは昨年のSF第6戦以来と久しぶりの走行となったのですが、持ち込みのセットもそこまで大きく外れてるわけではなく、予選も最後は落ち着いてタイムを上げることができたのでそこは良かったかなと思います」と佐藤は第1戦を振り返る。

 そんな佐藤は、スタートで(チームメイトの山本に先行を許し)ポジションをひとつ落とすと、決勝では10周目終わりとミニマム周回数でピットインを敢行する作戦を採った。「元々は引っ張る予定でした。でも、スタートでポジションを失ってしまったので前の車両の裏をかくということで、ミニマムを選択しました」と、佐藤は作戦の意図を語った。

「2スティント目のペースとしてはミニマムピット組では一番良かったと思うのですが、結果的にタイヤのデグラデーションなどが大きく、後半に軽い状態でタイヤを変えた組にはどうしてもついていけない部分もありました。そこは明日に向けてもう少し戦略面で見直していく必要あるかなと思います」

 タイヤのデグラデーションに悩まされた佐藤だが、SF19からSF23への車体変更により、ロングランでのフィーリングに違いを感じている。

「昨年からチームも変わってるので一概に言うことはできないんですけれども、タイヤの落ち方とか、そういったものはわずかに緩やかになってるのかなとは思いました。前に車両がいるとエアロが乱れて余計にタイヤ性能が落ちるということはあったのですけど、それが今年はだいぶ少なく感じてるので、そこはいい面かなと思います。ただ、タイヤだけを見ると、去年とそこまで変わらないような気はしますね」

 TCS NAKAJIMA RACINGは山本が4位、佐藤が6位と、表彰台には届かなかったが、2台ともにポイントを獲得する幸先のいい走り出しとなった。「テストで評価の良かった部分を導入して挑んで、前の方にいることができたので、そこはポジティブな面かなと思います」と佐藤は語ったが、同時に反省点も口にする。

「スタートでポジションを落としてしまったのがこのレースでの一番の失敗、反省点だと思います。まずはスタートをしっかりと見直して、それでいて今日ロングランでで良かった部分を継続しつつ、悪かった部分も見直してより良い結果を明日得られればいいかなと思います」

■小高一斗(KONDO RACING) 予選21番手/決勝10位

 スーパーフォーミュラ・ライツでのタイトルを引っ提げてのスーパーフォーミュラ・フル参戦となった小高。21番手と下位に沈んでしまった予選について、悔しい思いを漏らしていた。

「マイルドな言葉が見つからないくらい、悔しい予選だったなと。ちゃんと自分の力を発揮できずに下位に沈んでしまったので、そこがちょっと悔しいところです」

「車についても、若干のトラブルだったり、鈴鹿(公式テスト)から改善したかった点も改善しきれなかったり、チームとしてはかなりミーティングをして合わせ込んできたつもりだったのですけれど、ぶっつけの予選だったのはちょっと痛かったかなと思います」

 後方からのスタートとなった決勝では、1コーナーでの波乱に巻き込まれるかたちとなってしまう。

「スタートがうまく決まって、1コーナーに入っていったのですが、接触の影響でマシンを制御不能になっていた山下選手(KONDO RACING)がいて。僕も避けたのですが、速度差がありすぎて左フロントをひっかけてしまいました」

 ただ、ポイント獲得となる10位フィニッシュについてはポジティブな感覚を得ているようだ。

「たまたまSCが入ってくれたので、僕は仕切り直せました。ペースについては、もう少し速く走れるとは思いますけれど、全体としては悪くなかったので、決勝は予選よりはいい走りができたのではないかなと思います」

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