F1はコースレイアウトよりも難しい数々の問題を抱えている。だが、ポール・リカール・サーキットに関して言えば、途中にシケインが設定されているミストラルストレートを一直線に戻すことで、マシン同士の競り合いが激しさを増すと、メルセデスF1代表のトト・ウォルフは考えている。
日曜日に行われたF1第8戦フランスGPの決勝は、誰もが口をそろえて今シーズン最悪のレースだったと評した。退屈なマシンの行列がただ前へと進むなかで、ルイス・ハミルトンがF1通算79度目の優勝を飾った。
劣勢のボッタスにメルセデスF1代表が助言。「ハミルトンに挑むにはタイヤマネジメントの改善が必要」
ウォルフは、現在のグランプリレースはコースごとの特性にかなり左右されるようになったが、そのなかでポール・リカール・サーキットは、優れたコースに求められるレベルのクオリティをすべて満たしていると語った。しかしながらレイアウトについては微調整が必要だろうという。
「コースには重要な役割がある」とウォルフ。
「ポール・リカールには、我々が求めるすべての要素がそろっている。フランス南部に位置しており、華やかな雰囲気がある。素晴らしいコースだ。あとは、途中のシケインを廃止して非常に長いストレートを作れば、スリップストリームの効果を増大させることができるだろう」
「そうなれば、間違いなく観戦の楽しさは増すはずだ。私にとって、将来に向けて取り組むべき主要な課題は、でき得るかぎり最高のコースレイアウトを実現していくことだ」
■長いストレートのあるコースでは面白いバトルが繰り広げられている
ウォルフは、バクーとモントリオールという長いストレートを持ったふたつのコースを挙げた。どちらも観客を楽しませるレースを実現できているからだ。
「もしも2021年の規則が、空力の効率性やマシン後方に発生する乱気流などの点で適正に改定されて、新たにわくわくするような競技規則もいくつか作られるならば、それは良いレースを実現するための材料になる」
「だが、サッカーと同じで、退屈な試合もあれば、興奮するような試合もある、ということだ」
FIAレースディレクターのマイケル・マシは、ミストラルストレートを簡単に開通させようとする意見には反対しており、そうした変更が一体どのような結果を伴うことになるのか、極めて慎重な評価を行う必要があると主張した。
「この件については、検証して、その利点を考慮し、各種データを参照したうえで、そこから先に進むべきだろう」と、マシは『RaceFans.net』に語った。
「シケイン廃止の影響で、様々な良い効果につながるかもしれない。だが、仮にシケインを今よりも500メートルほど動かしてみたら、これまで我々が想定していなかった結果につながる可能性もある」
「だから現時点ではノーだ。だが、どのようなやり方があるのか、ぜひ検討したいと思う」
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