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スーパー耐久公式テストで2クラス+ST-Qがブリヂストンの市販ラジアルタイヤを装着。その感触は

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スーパー耐久公式テストで2クラス+ST-Qがブリヂストンの市販ラジアルタイヤを装着。その感触は

 4月28日、静岡県の富士スピードウェイでスーパー耐久シリーズの公式テストが行われた。前日の4月27日のスポーツ走行枠から参加していた車両も多くいるが、今回注目を集めたのが、ST-4クラス、ST-5クラス、ST-Qクラスの一部で使用されるブリヂストンの市販タイヤ使用だ。装着した車両のドライバーにその感触を聞いた。

 スーパー耐久では、2021年からハンコックが公式タイヤサプライヤーを務めており、2023年はその最終年になる予定だった。しかし、3月12日に発生した韓国のハンコックタイヤ大田工場の大規模火災の影響で、レース用タイヤの供給が不可能な状態になってしまっていた。

ハンコック工場の火災をうけスーパー耐久第2戦からブリヂストンが緊急対応でタイヤ供給を開始へ

 そんななか、緊急対応として2024年から公式タイヤサプライヤーに決定していたブリヂストンが第2戦富士24時間から供給を開始。ST-4、ST-5以外の車両は、ドライタイヤはブリヂストン、ウエットタイヤはハンコックを使用する。またST-4、ST-5の2クラスは、スリックタイヤの供給が可能となるまで、ブリヂストンのスポーツブランドであるポテンザの市販ラジアルタイヤが供給される。

 今回の富士公式テストでは、多くのクラスはまだハンコックのスリックを使用していたが、ST-4、ST-5ではブリヂストンの市販タイヤが使用されはじめた。ST-4、ST-4と速さが近いST-QのORC ROOKIE GR86 CNF Concept、Team SDA Engineering BRZ CNF ConceptはポテンザRE-12D、ST-5はポテンザRE-71RSを使用している。

 まずポテンザRE-12Dを使用したST-4、ST-Qのドライバーに聞くと、非常に興味深いレビューが聞かれた。ST-QクラスのORC ROOKIE GR86 CNF Conceptの大嶋和也は「ぜんぜん普通に走れますし、タイムもそれほど変わりません」という。ラップもかなり多く重ねられるようで、同様にORC ROOKIE GR86 CNF Conceptをドライブした関口雄飛も「違和感がありません」という。

 同様にST-Qクラスに参戦するTeam SDA Engineering BRZ CNF Conceptの井口卓人は「正直、想像以上に良かったです。言われなければスリックのような感覚で走れますし、27日のスポーツ走行枠で30分のセッションを6本、3時間分走りましたが、良い減り方をしていました」という。

「市販ラジアルなので、アタックを1~2周すると“落ち”はあるのですが、その後は落ちずにタイヤなりに走ってくれます。すごく好印象ですね。しかも、溝があるのでこのままウエットも走れるでしょうし」

 また、ST-4クラスのTOM'S SPIRIT GR86の松井孝允は「ドロップしないです。最初の冷えているところから熱が入ったあたりで多少のグリップダウンはありますが、タイムで言うとそこから一定で、練習にもなりますし、セットアップもできる。温度が上がったときだけ動く感じはありましたが、すごく安定したタイヤだと思います」と評した。

 同じくST-4クラスのシェイドレーシング GR86をドライブする国本雄資は「ゴムのグリップは高いですね。ただ溝がある分、“支え”が少しない感触があるので、その調整は難しいですが、パッと乗ったグリップ感は高いです」とこちらも好印象が聞こえてきた。

■ドライもウエットもこれでOK?
 他にも多くのドライバーに聞いたが、「言われずに乗ったらスリックと分からない(河野駿佑)」「すごく良いです。ラジアルと聞いて、スリックと比べて保たないのかと思いましたが、溝をぜんぶ使い切ってもドロップしない。タイヤの素性が良くて乗りやすい(菅波冬悟)」、「ドライとウエットと分けずに、これで両方走れるなら『これでいいじゃん』と思ってしまいます。エコですしね(井口)」と多くの好感触の声が聞こえてきた。

 総じてポテンザRE-12Dの印象としては、乗り始めてすぐのわずかなグリップダウンはあるものの、その後はずっと高いグリップが続く……というもの。同様に市販タイヤを履くTGR GR86/BRZ Cupでは、ワンアタック後はすぐにグリップダウンするというのが定説で、その印象をもっていたドライバーも多いようだったが、スーパー耐久の方が車重が軽く、タイヤも太くキャラクターも異なることで、大きく印象が異なったようだ。

 ちなみに忘れてはいけないのが、これがハンコックとのポテンシャルの差……というわけではないことだ。ハンコックはワンメイクレーシングタイヤとして、レースを盛り上げる絶妙なグリップダウンのさじ加減をスーパー耐久とともに作り上げてきた。そこからの市販ラジアルへの変化であるため、両者は狙い自体が別物なのだ。

 一方、ポテンザRE-71RSを使用するST-5クラスはどうだろうか。AutoLabo Racing 素ヤリスをドライブする伊藤大輔に聞くと「違和感はなくて、タイヤに合わせてスプリングを柔らかくしてきましたが、タイヤによるものなのか、スプリングによるものなのかは分かりませんが、多少動きはありますね。でも思ったより違和感はなかったです」という。タイムもさほど落ちていないという。

 ただST-5では摩耗に関しての声も聞こえているが、この点について伊藤は「1時間だけではまだ分からないです。昨年はフロントタイヤはダブルスティントをこなしていたので、それができないと少し辛いですね。周回を伸ばしたときにいかに持続するか」とのことだった。

 ポテンザRE-12D、ポテンザRE-71RSが使用されるのは第2戦富士のみで、第3戦SUGOからはブリヂストンのレーシングスリックが使用される。ただ、“緊急対応”の代役としては、走る側も観る側も安心して任せられる存在のようだ。




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