スクーデリア・アルファタウリから名称を変更し、2024年のF1に臨むイタリア・ファエンツァに拠点を置くチーム。トロロッソ時代からレッドブルの若手ドライバー育成という側面も兼ね備えるこのチームでは、若手ドライバーを対象に大規模なF1テストプログラムを実施していくと、チームCEOのピーター・バイエルが明かした。
長年に渡ってレッドブルの若手F1ドライバーに、F1で最初に戦うチャンスを与え、その才能を育てる役目を追ってきたこのチームが着目したのは、2023年シーズンのルーキーだったオスカー・ピアストリ(マクラーレン)だ。ピアストリは初年度ながらも日本GPとカタールGPで表彰台を獲得し、カタールGPのF1スプリントではチームメイトで先輩のランド・ノリスすら手にしていない勝利を飾った。
■岩佐歩夢、2024年はSF参戦と並行してレッドブル陣営でF1シミュレータ担当へ。FP1出走プランは「まだチームも決めていないはず」
この好結果には、ピアストリの天賦の才や冷静さ、チームのアップデート成功といった要因も関係しているのは明らかだが、バイエルCEOはF1デビューに向けた準備が整っていたことも重要だったと考えている。
結果的にマクラーレンからF1デビューを果たしたが、ピアストリはジュニアカテゴリー時代にアルピーヌの育成に所属。F1のリザーブドライバーを務めた2022年には、秘蔵っ子としてF1プライベートテストなどを数多くこなしていた。
バイエルCEOはこの例に倣い、2024年は若手ドライバーを対象としたF1テストの回数を増やし、可能な限りベストな形で若手ドライバーをF1へ送り出せるようにすると明言した。
「2024年は我々にとって新たな分野になる」とバイエルCEOは言う。
「現在得ている資金の一部を、可能な限り最善の方法で若いドライバーたちの準備に使いたい」
「オスカー・ピアストリはその最たる例だと思う。彼は(アルピーヌで)何百キロ走ったか分からないが、乗ってマシンを理解した。ダイナミクスやスイッチ類を学習したんだ。それが大きな違いを生む。そうすることでマシンと一体になれるんだ」
またバイエルCEOは、チームのF1テストプログラムに参加するドライバーとしてリアム・ローソン、岩佐歩夢、アイザック・ハジャーの名前を挙げた。
2024年からは、2022年に導入された現行テクニカルレギュレーション下のF1マシンを旧車テスト(TPC)で使用することが解禁されるため、F1昇格を間近に見据える若手ドライバーにとっては、より良いマシン習熟の機会を増やすことに繋がるとバイエルCEOは考えている。
「リアム、アイザック、イワサにも大きなプログラムを用意している。彼らには可能な限り沢山走らせてあげたい」とバイエルCEOは言う。
「(テストで使用するのが)2022年マシンというのも興味深い。ようやく(現行規則と)関連性のあるマシンになった訳だからね」
ローソンは2023年シーズン、日本のスーパーフォーミュラへ参戦する傍らレッドブル陣営のF1リザーブドライバーを担当し、アルファタウリのダニエル・リカルドが怪我で欠場となった際には代役としてF1参戦を果たした。2024年はレースへ参戦せず、フルタイムのリザーブドライバーとしてF1に帯同する。
そのローソンの後任としてFIA F2からスーパーフォーミュラへ参戦するのが岩佐歩夢。2023年のF2でランキング4位を獲得したことでスーパーライセンス発給条件を満たし、年末にはF1ポストシーズンテストにアルファタウリから参加した。2024年はスーパーフォーミュラに参戦しつつ、レッドブル陣営でF1シミュレータ作業を行なうことが決まっている。
そしてハジャーは2023年シーズンにF2初挑戦。メキシコシティGPではアルファタウリから、アブダビGPではレッドブルからフリー走行1回目に出走し、F1公式セッションデビューを果たした。2024年も引き続きF2に参戦する。
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