F1新規参戦を目指すアンドレッティ・グローバルは、アメリカの新ファクトリー建設プロジェクトの詳細を発表。そこからはF1参戦へかける本気度が伝わってくる。
アメリカを拠点に様々なカテゴリーに参戦してきたアンドレッティ。彼らはゼネラルモーターズ(GM)と傘下のキャデラックブランドを介してタッグを組み、“アンドレッティ・キャデラック”としてF1に11番目のチームとして参戦することを目指している。
■F1ドメニカリCEO、アンドレッティの新規参戦却下に「プロセスは適切だった」とコメント。再申請の鍵となる次期コンコルド協定は近く話し合いへ
アンドレッティ・キャデラックはFIAからは新規参戦の承認を受けたものの、F1の商業権を司るフォーミュラ・ワン・マネジメント(FOM)によって2025年からF1グリッドに並ぶことが却下された。しかし同陣営は将来的にF1参戦の承認が下りることを前提に、プロジェクトを継続している。
インディアナ州フィッシャーズに建設されるアンドレッティの新ファクトリー計画は2022年8月に発表され、建設作業は既に進行中。2025年に完成する予定だ。90エーカー(約36ha)という規模からも、F1プロジェクトに対していかに本気であるかが示されている。
重要なのは、ファクトリー建設に関わっているパートナーに、イギリス・シルバーストンにあるアストンマーティンの新ファクトリーを含め、イギリスのF1施設のいくつかを手掛けているリッジ社がいるという点だ。
新ファクトリーではチームのインディカー、インディNXT、IMSAプロジェクトの運営も行なわれることになるが、約50%がF1マシンの設計・製造に充てられる。
またチームはイギリス・シルバーストンにも新ファクトリーを構える。これまで仮オフィスで稼働していた空力部門の拠点となり、フィッシャーズのファクトリーと連携してマシン開発を行なう。
フィッシャーズに建設されるファクトリー建設計画の第一段階は、40万平方フィート(37161平方メートル)のメインビル。その後にミュージアムやレストランを併設したアンドレッティ・エクスペリエンス・ビルが一般公開される予定となっている。敷地内には、将来的にさらなる拡張の余地もある。
アンドレッティは従業員の福利厚生に重きを置いており、「国際的ブランドとしてインディアナ州の従業員、グローバルな才能を惹きつけるため、このプロジェクトの重要な要素は従業員のエンゲージメントと福利厚生の文化を中心に捉えている」という。
ファクトリー施設内には、近隣の自然保護区に繋がるウォーキングトレイル、フィットネスセンター、円形劇場が備えられる。
「着工以来、我々はプロジェクトのあらゆる側面を評価し、深く掘り下げるために時間をかけてきた」
マイケル・アンドレッティ会長兼CEOはそう語った。
「我々の目標は、従業員にとって健康的な職場と文化を創造し、地域社会にとって目標となるキャンパスを作ることであり、同時にレースチームのためのパフォーマンスと競争力の強化に焦点を当てることだ」
「刷新されたデザインと方向性は、それら全てを叶えてくれる。我々が築き上げようとしているモノをとても誇りに思う」
「インディアナ州は長年にわたりアンドレッティという組織のホームであり、フィッシャーズ市はとても歓迎してくれている。我々はキャンパスの開発が進んでいることに胸を踊らせており、このコミュニティに正式に加わるのが待ち切れない」
また副社長のマリッサ・アンドレッティは次のように続けた。
「新社屋のあらゆる面において、従業員の経験へのエンゲージメントと改善は重要で、インディアナ州にグローバルな人材を呼び寄せる上で重要な要素になります」
「従業員文化は前向きな職場環境を形勢し、 ワンチーム、ひとつの夢へ向かうチームワークを育む上で極めて重要です。新社屋のいくつかの刷新された要素を通じて、我々はチームの福利厚生をより重視し、誇りと帰属意識を強化することができます」
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