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SFテスト初日で速さ見せた“牧野任祐と牧野任祐”。セッション中に5号車、6号車交互に乗り「めちゃくちゃ疲れた」……しかし同条件での比較に意義

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SFテスト初日で速さ見せた“牧野任祐と牧野任祐”。セッション中に5号車、6号車交互に乗り「めちゃくちゃ疲れた」……しかし同条件での比較に意義

 鈴鹿サーキットで行なわれているスーパーフォーミュラの公式/ルーキーテスト。初日は今季のレギュラードライバーが走るケースが多かったが、その中で速さを見せたのが牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)だった。そして一見すると不思議な光景と言えたのが、タイムシート上に牧野の名前がふたつあったことだ。

 これは、牧野がセッション中に5号車と6号車に乗り換えたから。6号車のドライバーとしてエントリーされている太田格之進は、テスト初日の11日はホンダの体制発表に参加するため都内にいた。チームと牧野双方の希望により、この機会に牧野が2台のマシンを乗り比べることになったという。

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 これは度々語られる話だが、スーパーフォーミュラのように同じ車体を使うワンメイクレースであっても、他車のセットアップを丸々コピーしたからといって全く同じパフォーマンスが出せるようになるわけではない。特にスーパーフォーミュラはミリ単位、コンマ数ミリ単位の非常に緻密なセットアップが求められているからこそ、車体のほんのわずかな個体差にも左右されたりする。だからこそ、チームメイトのマシンに乗ってみることはそういった諸々の検証として有用なのだ。

 そのためスーパーフォーミュラのテストではチーム間でマシンを入れ替えるケースも散見されるが、それはあくまでセッション間の話であり、今回の牧野のようにセッション中にマシンを乗り換えるケースは稀。ただこれは比較としては非常に理想的と言える。

 例えば午前と午後でそれぞれ異なるマシンをドライブしたとしても、路面温度、風向き、路面のラバー(ゴム)の付き方などコンディションが様々変化してしまう可能性があるため、挙動の変化が車両由来なのか、コンディション由来なのか判断が難しくなってしまう場合もある。その点について指摘すると「そこなんですよね」と牧野は言う。

「だから僕は午前・午後(で分けての車両スワップ)ではやりたくなくて。絶対同じセッションでやりたいと思っていました」

「午前中は、両方のクルマで新品タイヤのアタックをして、そのまま1アタック落ちのタイヤで5号車、6号車とアタックして、その(6号車での)アタックをしている間に5号車をロングラン用セットアップにして、帰ってきたらすぐ5号車でロングラン、それでその間に6号車をロングセットに変えてもらって……もうめちゃくちゃ疲れてるんです」

「同じセッションで、シートだけポンと入れ替えて、ペダルも事前に合わせておいて……ということをずっとやっていました。(一時期の)フォーミュラEみたいですよね」

 今回の検証で軸となったのは、今季最終鈴鹿ラウンドで太田が2連勝を飾った6号車のセットアップ。土曜の第8戦で太田が圧倒的なレースペースでポールトゥウインを飾ったことを受けて、牧野陣営も太田の「ほぼ完コピ」のセットアップで日曜の第9戦に臨んだが、結果は振るわなかった。牧野はタイトル争いに絡んでいたこともあり、「同じチームの隣のピットのマシンが2連勝しているのを見ていると、チャンピオンシップもチャンスがあったんじゃないかと思っている部分もあるので、そういう意味でもすごく悔しい」と悔しさをあらわにしていた。

 テストでも、6号車のセットアップは鈴鹿大会の“そのまんま”。牧野の5号車もそれと同じセットアップにしたという。その中で前述の通り新品タイヤ、ユーズドタイヤでのアタック、そしてロングラン、さらには部品を交換しての走行など色々なことが試せたという。その手応えについては、「(太田車と)同じにはならない、違うということは分かりました。あとはそれをどうやって再現するかが悩みどころですね」とのことだった。

 具体的な違いとしては、5号車が新品アタックでのパフォーマンス、6号車がロングランに秀でているという点。実際、午後セッションのロングランペースを見ると、6号車でのロングランの方がラップタイムが安定していた。牧野は「もっと相対的に良くできるんじゃないかと感じています」と手応えを口にした。

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