2023年からFIA世界耐久選手権(WEC)のハイパーカークラス、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権(IMSA)のGTPクラスに新開発のLMDh車両『963』を投入するポルシェ。ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツとして2カテゴリーに挑むファクトリープログラムに、ニック・タンディとフレデリック・マコヴィッキィのふたりが加入した。
ポルシェは昨年12月に、まずフェリペ・ナッセとデイン・キャメロンのふたりを最初のファクトリードライバーとして発表。今年の夏にグッドウッドで963がアンベイルされた際には、アンドレ・ロッテラー、ケビン・エストレ、ミカエル・クリステンセン、ローレンス・バンスール、マット・キャンベル、マシュー・ジャミネの6名がリストに加えられた。
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そして今回のタンディとマコヴィッキィの加入により、WEC用フルタイマー6名とIMSA用4名のドライバーラインナップが確定した。
ポルシェはこの10名をふたつの選手権でどのように配置するかを明らかにしておらず、最終的な決定はまだ下されていないものと思われる。
2013年から2020年までポルシェに在籍していたタンディは、2015年にポルシェ『919ハイブリッドLMP1』でル・マン24時間レースを制覇した経歴を持つ。その他にも2015年のIMSAプチ・ル・マン総合優勝や、2018年と2020年のスパとニュルブルクリンクでの24時間クラシックでの優勝を同メーカーで飾ってきた。
ポルシェがCOREオートスポートチームとのIMSA GTル・マンクラスのファクトリー参戦契約を終了した後、タンディはシボレーのコルベットレーシングでIMSAやWECを走らせてきたが、2年間の離脱を経てポルシェ陣営に戻ってくることとなった。
一方マコヴィッキィは、ポルシェがマルチマチック・モータースポーツと共同で行なった963の開発プログラムにおいて不可欠な役割を果たしてきた。
マコヴィッキィは開発ドライバーとして、シミュレーターとサーキット走行の両方で963の初ドライブを担当。963のアンベイルの際には、その貢献が高く評価されていた。
今年42歳を迎えることになるマコヴィッキィは、FIA GT1世界選手権や日本のスーパーGTに参戦。2014年以降はポルシェ陣営に加入し、今年はポルシェ『911 RSR-19』を駆り、ル・マン24時間レースでクラス優勝を収めている。
そして、963の開発プログラムに従事した後、ファクトリードライバーとして選出されることとなった。
12月に963の初ドライブを迎えるタンディは、発表に際して次のように語っている。
「2023年にポルシェ・ペンスキー・モータースポーツに加わり、再び最高峰クラスに戻って、963でレースをできることを光栄に思っている」
「ポルシェ・モータースポーツは、私のキャリアと人生において大きな飛躍の機会を与えてくれた」
「僕らは共に信じられないような成功を収めてきたが、これがほんの始まりに過ぎないということを願っている」
またマコヴィッキィは次のように語る。
「僕はポルシェ963の開発に初日から携わってきたら、この数ヵ月の間、僕らが成し遂げてきた大きな進歩を直接この目で見てきた」
「僕らは素晴らしい過程を歩んできた。だからこそ、2023年シーズンの開幕戦が楽しみなんだ」
そしてポルシェ・モータースポーツのトーマスローデンバッハは、ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツの布陣は「無視できない存在」になると語っている。
「ニックとフレッド(編注:マコヴィッキィの愛称)の加入によって、我々が何を得られるかがハッキリと分かっている。全身全霊の献身と豊富な経験、信じられないほどの才能だ」
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