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外観だけじゃない!乗ってわかった三菱の新型「デリカD:5」の進化のポイント

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外観だけじゃない!乗ってわかった三菱の新型「デリカD:5」の進化のポイント

三菱の新型「デリカD:5」の劇的な進化に感心

「デリカD:5、お前もか!」、2月15日にマイナーチェンジを果たした姿を、三菱自動車のリリース写真で見たときの私の第一印象だ。そのフロントマスクは、トヨタのアルファードやヴェルファイアなど、最近のミニバンではあたり前となりつつあるコワモテ顔の特徴的なデザイン。

クリーンディーゼルエンジンと新開発8速スポーツモードATを搭載した新型「デリカD:5」

ただ「デリカD:5」といえば、それらのミニバンとは一線を画す、オフロードでの走破性も併せ持つオールランダーとして、長きに渡り独自路線を貫いてきたモデル。もしかして、同じ方向性へと舵を切ってしまったのか?

それとも、まさかトレンドに合わせてデザインを変えただけ、ということではなかろうか。そんな疑念を抱きつつ、新型の「デリカD:5」に試乗してきたのでレポートしてみたい。

特徴的なフロントデザインと上質なインテリア

その新型の写真を発表して以来、賛否両論、さまざまな意見がネットでも飛び交うほどインパクトのある「デリカD:5」のフロントデザインだが、実車を目の前にするとその印象が少し変わった。

特徴的な縦型形状のLEDヘッドランプをはじめ、最近の三菱車に共通するフロントデザインコンセプト「ダイナミックシールド」を採り入れた外観は、迫力ある顔立ちには間違いないのだが、派手というよりはスマートで端正な顔立ちで、見れば見るほどしっくりと馴染んでくるから不思議だ。

フロントの大幅な変化に比べると、サイドやリアのデザインはあまり変わっていないのだが、全体的に一体感があり、むしろ従来型よりバランスがとれている印象を受けた。

ボディサイズは、全長4800×全幅1795×全高1875mmで、最小回転半径が5.6mということを考えると、街中での取り回しにそれほど苦労することはないだろう。

また、オフロードも得意とする「デリカD:5」の特徴ともいえる最低地上高は、従来型の210mmから185mmとなり、アプローチアングルも24度から21度にダウンしているものの、悪路走破性ではほかのミニバンに対し、まだまだ圧倒的なアドバンテージがある。

とはいえ、最近の低床設計のミニバンと比べると床が高いため、子供や高齢者の乗り降りのしやすさなど、事前に確認したほうが安心だ。

インテリアについては、インストルメントパネルに水平基調のデザインを採用し、カーナビゲーション画面も大型化に対応。さらに、木目調の加飾やソフトパッドの採用など、上質さが増している。

今回のモデルチェンジでは、室内スぺースやシートアレンジ、ラゲッジスペースについてはほとんど変更がない。ただシートは、ダイヤモンドのステッチが施されるなど、ラグジュアリーなイメージに貢献している。

もちろん、3列目のシートも快適だ。実際に座ってみても、ヒザの前や頭上空間にかなりの余裕があり、長時間の移動でも不満が出ることはないだろう。

ラゲッジスペースは、3列目のシートを折り畳んで跳ね上げれば、かなりの広さを確保できる。これなら、家族4人で本格的なキャンプ道具一式を積載するという使い方でも余裕だ。

フルモデルチェンジのような走りの進化

さて、今回のマイナーチェンジでは、フロントデザインの激変ぶりばかりが話題になっているが、実は、走りのほうにもかなりの進化を感じることができた。

その搭載される排気量2.2L・直列4気筒の直噴ディーゼルエンジンは、型式こそ従来の4N14型と変わりないのだが、尿素SCRシステムを三菱車として初採用し、世界標準のWLTC排出ガス規制に対応。

さらには、最大出力145psのエンジンは、フリクションの大幅低減や燃焼室の変更、次世代燃料インジェクターの搭載などの改良によって、最大トルクを従来型よりも20Nm向上させた380Nmを発生。

また、トランスミッションも従来型の6速ATに替えて新開発の8速ATを採用したことにより、低速から高速側までギア比がワイドになった上、クロスレシオ化された。

今回は、オンロードのみの試乗となってしまったが、富士山の5合目付近までの山道を走らせてみて、その進化度合いに驚かされた。あの大きな車体で、高低差のある登り坂も、実に力強く加速していくのだ。しかも、8速ATのおかげもあり、とてもスムーズで上質な走り。

また、ボディ剛性も高く走行安定性も向上していて、新採用の電動パワステによるハンドリングも軽快で気持ちいい。さらに、三菱のお家芸ともいえる4WDシステムで、荒れた路面やカーブなどでも不安を感じることはない。

もっとも、ボディ重心が高いだけに、ある程度の傾きや揺れなどに慣れる必要はあるが、ダンパーやサスペンションなど足回りがしなやかに動いているため、挙動が素直で乗り心地にも優れている。

さらに言えば、従来型のディーゼルエンジンと同型とは思えないほど、静粛性に優れているのもポイント。あのディーゼル特有のガラガラ音や振動が、エンジンはもとよりボディの遮音性向上などにより、車内ではほとんど感じられないほど静かなのだ。

愛を込めて“ダメ出し”

「デリカD:5」が登場して、すでに12年。正直、この新型は、内外装のデザインも走行性能も、フルモデルチェンジと言っていいくらいのレベルアップを果たしている。

ただ、それはデザイン部分に限ったことなのかも知れないが、ほかのミニバンたちに歩み寄ったような印象を受けてしまっているのも確か。

もちろん、ある程度のクルマ好きならオールラウンドミニバンとしての「デリカD:5」のよさを把握しているが、それ以外の人たちには違いがわかるだろうか?

三菱自動車として、デザインコンセプトを統一するというのは、正しい判断だと思うが、もう少し違った方向で個性を主張できなかったものか。

その迷いがあるのか、または今後「デリカD:5」は、ディーゼルエンジンだけになるのか(もしくはPHEVが追加されるか?)わからないが、ガソリン車は従来型がそのまま併売されている。

■関連情報
https://www.mitsubishi-motors.co.jp/lineup/delica_d5/

文/土屋嘉久(ADVOX株式会社 代表)

クルマは走らせてナンボ!をモットーに、どんな仕事にも愛車で駆けまわる日々。クルマのほかにもグルメやファッション情報、また小学館Men’s Beautyでは、男性に向けた美容・健康法、化粧品情報なども発信。

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