はじめに
自動車産業がまるで週替わりのように目まぐるしく姿を変えざるをえない昨今、アルピナのプレゼンスに覚える安心感はかつてないほど高まっている。
なんといっても、フェラーリがSUVを造ろうという時代である。電気で走るポルシェは、すでに数多く出荷されている。AMGは次世代スーパーセダンで、8つあるエンジン気筒数を減らそうとしているが、その数は6ではなく4になる見込みだ。
しかし、今回はワゴンボディでロードテストに挑むアルピナの新型B3の場合、このブランドの特質だと認知されているものをなぞろうとするのみ。シリンダー数は6つで、路上でのマナーは豪華なインテリアにふさわしく洗練され、とてつもないパフォーマンスを秘めながらもエクステリアは控えめだ。
そのパフォーマンスを試したくてたまらない想いを抱えて、われわれはこのクルマをロードテストで取り上げる機会を待っていた。というのもこの新型B3、BMWのレギュラーモデルをコンバージョンするアルピナ車では、はじめて正真正銘のMモデル用ユニットがベースのエンジンを積むのだから。
アルピナはまた、55年の歴史で初となる、年間販売2000台突破の達成へ、このB3が貢献してくれることにもひそかに期待している。開発コストが急速に高まっている昨今、それが叶うとすれば、こんなにうれしいことはない。
今回のツーリングモデル、価格は7万ポンド(980万円)近い。それだけに、新しくアルピナを購入しようというユーザーは、ベースとなる5万3000ポンド(約742万円)弱のBMW M340iツーリングよりスペシャルなマシンであることを期待するはずだ。もちろん、日常使いでの多才さはそのままに。
それを成し遂げるのは、決してたやすい仕事ではない。ましてや、アウディRS4アバントやメルセデスAMG C 63ステーションワゴンといった、価格帯が近く、能力の高い競合モデルたちにも負けるわけにはいかない。
しかしながら、B3ツーリングにとって最大のライバルは間違いなく、アルピナが特別な協力関係を築くメーカーが、遠からず市場投入するあのクルマだ。基本設計や生産ラインをある程度まで共用し、必然的にアルピナ版3シリーズの比較対象とされ続けてきたM3に、BMWは2022年、はじめてツーリングを設定するのである。
そのミュンヘンが送り出すいとこのようなM3ツーリングの登場で、B3ツーリングのセールスは割を食いそうにも思えるが、アルピナ創業者の息子でもあるアンドレアス・ボーフェンジーペンCEOは、むしろ自社の商品への関心がいっそう高まるだろうと考えている。とくに、M3のワゴンがデビューするまでの2年間は。
となれば、知りたいのはM3ツーリング登場を待つべきかどうか、さもなくばブーフローエのファクトリーで仕立てられたB3ツーリングに今すぐ飛びついて正解なのか、ということにほかならない。
意匠と技術 ★★★★★★★★★☆
アルピナの大きな売りは、コントロールやスタビリティがアウトバーンで要求されるレベルを満たしていながら、快適性も高いこと。そして、ハンドリングの性格は、ドライバーに語りかけてくるようなもので、決して声高に主張することはない。
先代B3は、これらの点においてじつに魅力的だった。新型が目指すのも、これらに連なるもの。そこでベースに、G20世代のM340iを選んだ。
ただし、エンジンは別だ。2993ccの直6ユニットは、M3に搭載されるのと同じS58型を採用した。これはアルピナにとってプラス要素だ。少なくとも、通常のBMW用ユニットに、ターボチャージャー追加のための加工を施す必要はなくなった。S58ユニットは、元からツインターボ仕様だからだ。
ただし、アルピナはタービンハウジングを小型化し、吸気系をモディファイすることで、トルク特性とレスポンスとのバランスを独自のものに仕上げている。冷却系も強化し、インタークーラーとエアダクトを大型化するとともに、2基の冷却器を追加している。
最高出力は、先代の430psから462psへアップ。71.3kg-mの最大トルクは、3.0Lの量産エンジンでは過去最強で、AMGがC 63 Sに積んだ4.0LのV8と同じ数値だ。ちなみに新型M3は、強化版のコンペティション仕様でも66.2kg-mにとどまる。
この大トルクを受け止めるべく、ZF製の8速トルクコンバーターATも強化された仕様に。これは、一般的にはV8と組み合わされるトランスミッションで、ロールス・ロイスではV12とのセットで使っている。
駆動力は前後アクスルへ可変配分され、リアには電子制御LSDを搭載。通常時の前後配分は、M340iよりわずかながらリアの比率を下げて、トラクションを重視した。また、アンダーボディには駆動系冷却用にNACAダクトが追加されている。
そのほかでは、サスペンション部材の一部で強度アップが図られ、トレッドを拡大。パワーステアリングのプログラムやステアリングジオメトリーは変更され、前輪のネガティブキャンバーが1°増しているほか、ピボットベアリングが専用品に換えられている。
ダンパーはM340iと同じものだが、プログラムは見直され、アイバッハ製の専用スプリングを装着。バンプストッパーとスタビライザーも専用品だ。サスペンションのセッティングは変更可能だが、そのパラメーターはBMWが用意するものより幅広く、長距離ドライブ用のコンフォートプラスモードが加わっている。
ホイールは標準装備が19インチで、オプションが20インチ。いずれもピレリがアルピナ向けに開発し、ALPのサフィックスが与えられたPゼロを履く。このアルピナスペックのタイヤのサイドウォールは、非常に薄い見た目ががほのめかす以上のしなやかさを生む。
内装 ★★★★★★★★★☆
BMWはアルピナに、エクセレントなキャンバスを与えた。ブーフローエでは、そこへわずかに手を加えたのみだ。B3におけるもっともわかりやすいのは、このうえなくしなやかな、ラヴァリナレザーを採用したこと。塩漬けにせずなめすバイエルン産の皮革だ。ステアリングリムとエアバッグのカバーには、ステッチが入っている。
それだけでも運転環境に華やかさが加わるのだが、オプションのシフトパドルも装着すれば、操縦系の手触りにリッチさが増す。これはアルミ素材をCNC加工したもので、旧型B4 S エディション99ではじめて導入されたアイテムだ。
BMWのライブコクピット・プロフェッショナルも、アルピナ仕様にお色直し。ブルーの盤面にグリーンのハイライトが入る魅力的なルックスだが、青いパネルに鮮明なオレンジの指針が躍る伝統的なアナログメーターが過去のものとなったのを嘆くテスターもいた。
好みと予算に応じて、インテリアはさらに手を入れることができる。標準仕様は、アルカンターラと人工皮革のセンサテックで覆われ、サポート性に優れるBMWの新世代スポーツシートを装備する。その上にはヴァーナスカレザー仕様が用意されるが、テスト車はさらに上級のメリノレザーが張られていた。これは1900ポンド(約26.6万円)のオプションだ。
まだまだ懐具合に余裕があれば、ダッシュボードをメリノレザー張りにすることもできる。そうなれば、室内の雰囲気は3シリーズより7シリーズに近づく。室内すべてをラヴァリナレザーで覆うメニューも準備されているが、それを叶えるには桁違いの予算が必要。それだけに、これは普通なら上位ラインナップのB5ビターボや、フラッグシップサルーンのB7の領分だ。
ハードなパネルはピアノブラック仕上げだが、追加費用なしでアルミに変更することもできる。ウッドパネルがお好みなら、オークやメープル、アッシュなどのバリエーションが揃っている。
標準装備の内容は、先代モデルと同様に充実している。それでも、有償オプションには便利なものも少なくない。われわれとしては、5000ポンド(約70万円)ほどはアイテム追加の予算を計上したいところだ。そうすれば、忘れられないくらい豪華なクルマに仕立てられる。
実用面では、ラゲッジルームが特筆に値する。後席はスイッチひとつでフォールドでき、最大容量は1510Lに達する。これはメルセデスやアウディはもちろん、ワゴンの大家ともいうべきボルボが擁する競合モデルさえも凌ぐサイズだ。
これ以上の積載性を望むなら、格上のB5ビターボ・ツーリングやアウディRS6、メルセデスAMG E 63ステーションワゴンなどへアップグレードしなければならないレベルにあるB3ツーリング。同じことは、パフォーマンスにもいえるのだが、それはまた次の項で。
走り ★★★★★★★★★★
近年のアルピナ車の走りにおいては、大トルクによる引き出しやすい動力性能ばかりでなく、あまりにも地味なルックスからは思いもよらないようなパフォーマンスの絶対値も魅力のコアとなっている。となれば、知りたいのは新型B3ツーリングがどれほどのタイムをマークするのか、である。
まずは0-97km/hは3.8秒。正真正銘のスーパーカーでも、このレベルに届いたのはそれほど昔のことではない。0-161km/hは8.7秒で、81.7kg-mを絞り出すV8を積んだRS6と比べても、遅れは1秒以内に収まる。最高速度の公称値は、巡航速度で300km/hとされるが、アウトバーンを貸切にでもしなければそれを試すのは難しい。
だが、重要な意味を持つのはそうしたカタログデータではない。3000~4250rpmで71.3kg-mという最大値もさることながら、5500rpmまで回しても60.8kg-mが出続けているトルクの特性を完全に理解するには、もっとリアルなシチュエーションに当てはまる計測データに目を向ける必要がある。
3速での64-97km/hは1.7秒で、これはポルシェ911カレラSより速い。4速・80-113km/hの2.1秒は、RS6を凌ぐ。5速・97-129km/hは、BMWの現行M5と同じ2.8秒だ。
デフォルトのコンフォートモードで、ZF製ギアボックスがややシフトダウンしたがらないように思うかもしれないが、その理由は簡単だ。必要ないのである。
これはリアルな状況で驚くべき速さをみせる3シリーズだ。そしておそらく、新型M3より全開で走ることを必要としない。
B3ツーリングのデジタル速度計は、数字が急速に跳ね上がっていくが、その能力にただし書きをつけるとすれば、そのデリバリーにブースト感があることだ。トルクの湧き上がりは正確だが、2400~3000rpmでのそれは非常に急激なのだ。
しかし、全体的にエキサイティングそのもので、それも喜んでキャラクターのうちに数えたいところ。というのも、このMディビジョン由来の3.0Lユニットが全力を発揮しても、トラクションとスタビリティは完全だからだ。それは、路面がドライでも湿っていても変わらない。
ほかにも、ZF製トランスミッションが、このようなクルマに理想的なほど合っているように感じられる。シフトはそつなくクイックで、しかし普通の運転では、万事が期待通りにスムースだ。新型M3が先代モデルのDCTに見切りをつけ、同じテクノロジーを導入したことも、B3に乗ったあとなら驚きはしないはずだ。
使い勝手 ★★★★★★★★★★
インフォテインメント
B3は、アルピナ向けに仕立て直したBMWのライブコクピット・プロフェッショナルを装備。盤面がアルピナらしくブルーに彩られる12.3インチ画面のメーターパネルと、10.3インチのタッチ操作式センターディスプレイが備わる。操作は、センタートンネル上のダイヤル式コントローラーを用いれば、より直観的に行える。
高速走行向けのタイヤ空気圧モニターなど一部のメニューを別にすれば、これは上級仕様のBMWに搭載されるのと同じシステム。すなわち、クラスベストのシステムといえるものだ。
グラフィックはきわめて鮮明だ。また、BMWは賢明にも、音量やエアコンの調整用に実体スイッチを残したので、走行中のにも簡単かつ安全に操作できる。
デジタル仕様のラジオが268ポンド(約3.8万円)、スマートフォン向けのワイアレス充電器が420ポンド(約5.9万円)の有償オプションだったのは意外だ。Apple CarPlayはサブスクリプション対象だが、新車購入から1年分は車両購入金額に込みで、支払いが発生しない。
いっぽう、パーキングアシスタントは標準装備。前後のパークディスタンスコントロールとリバースアシスト、リアカメラがセットになっている。B3はそれほど大きいと感じないクルマではあるものの、これらのツールはやはり便利だ。
燈火類
ヘッドライトは、最上位仕様のLEDマトリックス・アダプティブビームが標準装備。ハイビームは強烈に明るいが、対向車の眩惑を引き起こすことはまずない。
ステアリングとペダル
2ペダルとも明らかに右寄りだが、操作に窮屈さはまったくない。ブレーキペダルは幅が広く、左足ブレーキもやりやすい。ステアリングコラムの電動アジャストは幅広い。
操舵/安定性 ★★★★★★★★★★
アルピナが新型B3で、従来のスイッチトロニックに替え適切なシフトパドルをはじめて用意したことは、じつに都合がいい。というのも、この新型は先代よりもマニュアル操作をしたくなるムードのあるクルマだからだ。
ステアリングは先代ほどキビキビしたものではないが、鼻先の向きはより歯切れよく変わり、コントロール性も上がった。ロールレートはすばらしくなだらかだ。
そのため、B3ツーリングが世代交代で100kgほど重量増加したことは、スペック表を見るまで気づかないかもしれない。ダンパーをスポーツモード以下にすると、ほかのいかなるエキサイティングなワゴンにもないくらい、公道上で直観的かつイージーに走らせられることがわかる。
こうなると、M3ツーリングに出番があるのか心配になってくる。このアルピナ以上の性能は必要なさそうだからだ。
もっとエンターテインメントが必要か、と問われら、それは不要だと答える。B3のステアリングはナチュラルなペースで手応えはほどよく、B級道路を流しても非常に満足できる。だが、飛ばすにつれてハンドリングはエキサイティングな面をみせるようになり、走らせ甲斐のあるクルマだということを知らしめてくれるのだ。
四輪駆動でありながら、アンダーステアが強いと思わされることは滅多にない。ノーズの動きは鋭く、スロットルでの姿勢制御も効き、いったんそうとわかれば驚くほど楽しめる。
湿った路面では、前後アクスルにパワーをかけていれば控えめにアングルが付くのみで、しつけのよさに欠けるところはない。これは正確さと落ち着きとのコンビネーションでドライバーを喜ばせるクルマで、プアなコンディションやトリッキーな道でも安全にスロットルを開けられる。
G20世代のB3は、後輪駆動のF80型、すなわち先代M3ほど無謀な走りはできない。あちらは狂気の沙汰のごとく永遠にスライドしていられそうなシロモノだったが、新型B3はそういう類ではないのだ。2点間を結ぶペースと、ファミリーユースに供されるであろうワゴンとしてのありかたを優先したという意味では、そこに間違いは一切ない。
快適性/静粛性 ★★★★★★★★★☆
アルピナ車につきものの問題が、タイヤの空気圧にある。B3ツーリングの指定空気圧は、前後とも3.4バールと驚くほど高い。これは4名の乗員と人数分の荷物を積んでも、公称の最高巡航速度で安全に走り続けるための設定だ。
無論、一般公道でそれが必要になるわけはなく、250km/h以下なら2.7バールが推奨値となる。この調整を怠ると、当然ながら乗り心地に悪影響が出てしまう。
空気圧が適正であれば、パフォーマンス的にこれだけポテンシャルが高いクルマでありながら、十分にリラックスして乗っていられる。
決して路面からの入力を完全に遮断するわけではないが、その代わりにステアリングやシートを通して設置面を感じられて心強い。しかも、その度が過ぎて、乗り心地が乱されたり、反応が過敏になったりすることはめったにないのだ。
この爽快な操作感に加え、サスペンションをアルピナ独自のコンフォートプラスモードにすれば、ボディの上下動は驚くほどのしなやかさを感じさせる。このセッティングは、ダンパーレートを大幅に緩めた、高速道路や穏やかな舗装のA級道路でなければ使えないようなものだが、そうした状況であればじつにいい。
アルピナといえば、巨大なホイールを履かせたがる傾向の持ち主だが、これがノイズや低速域での乗り心地ではアキレス腱になることもあった。それがG20世代では改善されている。
B3ツーリングの巡航時における騒音レベルは、洗練性でずば抜けているRS4にはわずかながら及ばなかったものの、M5よりは静かだ。低速時の乗り心地に張りつめた感じは残るが、ひどく過敏ではない。このクルマの速さを考慮すれば、許容できるという以上のものだ。
購入と維持 ★★★★★★★★★☆
BMW正規ディーラーで取り扱われるので、購入窓口を探し回らなくていい。いわゆるチューニングカーを手に入れるときに気になる、メンテナンスなどのアフターサービスにも心配はない。
維持費が法外に高くなることもないだろう。テスト時のツーリング燃費は13.2km/Lで、2013年に計測した先代B3セダンよりわずかながら改善されている。V8を積むC 63よりはずっと経済的で、V6のRSアバントにも勝る数字だ。
ただし、アグレッシブに走らせるオーナーなら、59Lという燃料タンク容量に不満を覚えるかもしれない。たとえ、満タンで高速道路を740kmも走れる計算だとしても。
残価率について、今回提示できるデータはない。とはいえ、その希少性やステータスを考慮すれば、その点でも賢い選択となることに疑いの余地はない。アルピナは高価だが、一般的なブランドのクルマより値落ち幅がずっと小さいのだ。新型B3が、その例に漏れる理由はどこにもない。
スペック
レイアウト
メカニズムのベースとなっているのは、BMW M340iツーリング。サスペンションの基本設計や4WDシステムのxドライブは流用された。
おもしろいのは、B3の高速巡航性能の高いポテンシャルにもかかわらず、BMWの控えめな59L燃料タンクをそのまま使っている点。前後重量配分の実測値は、完璧な50:50だった。
エンジン
駆動方式:フロント縦置き四輪駆動
形式:直列6気筒2993ccツインターボ、ガソリン
ブロック・ヘッド:アルミニウム
ボア×ストローク:φ84.0×90.0mm
圧縮比:9.3:1
バルブ配置:4バルブDOHC
最高出力:462ps/5000-7000rpm
最大トルク:71.3kg-m/3000-4350rpm
エンジン許容回転数:7500rpm
馬力荷重比:248ps/t
トルク荷重比:37.6kg-m/t
エンジン比出力:154ps/L
ボディ/シャシー
全長:4719mm
ホイールベース:2851mm
オーバーハング(前):809mm
オーバーハング(後):1059mm
全幅(ミラー含む):2065mm
全幅(両ドア開き):3650mm
全高:1468mm
全高:(テールゲート開き):2025mm
足元長さ(前):最大1060mm
足元長さ(後):740mm
座面~天井(前):最大975mm
座面~天井(後):980mm
積載容量:500~1510L
構造:アルミニウム/スティールモノコック
車両重量:1865kg(公称値)/1880kg(実測値)
抗力係数:0.35
ホイール前/後:8.5Jx20/9.5Jx20
タイヤ前/後:255/30 ZR20 92Y/365/30 ZR20 94Y
ピレリPゼロ ALP
スペアタイヤ:パンク修理キット
変速機
形式:8速AT
ギア比/1000rpm時車速〈km/h〉
1速:5.00/9.0
2速:3.20/14.0
3速:2.14/20.9
4速:1.72/26.1
5速:1.31/34.1
6速:1.00/44.7
7速:0.82/54.6
8速:0.64/69.8
最終減速比:2.81:1
燃料消費率
AUTOCAR実測値:消費率
総平均:10.0km/L
ツーリング:13.2km/L
動力性能計測時:5.2km/L
メーカー公表値:消費率
低速(市街地):5.9km/L
中速(郊外):9.2km/L
高速(高速道路):10.8km/L
超高速:10.1km/L
混合:9.2km/L
燃料タンク容量:59L
現実的な航続距離:584km
CO2排出量:228g/km
サスペンション
前:マクファーソンストラット/コイルスプリング、スタビライザー
後:マルチリンク/コイルスプリング、スタビライザー
ステアリング
形式:電動、ラック&ピニオン
ロック・トゥ・ロック:2.2回転
最小回転直径:12.0m
ブレーキ
前:395mm通気冷却式ディスク
後:345mm通気冷却式ディスク
制御装置:ABS、ブレーキアシスト
ハンドブレーキ:電動、センターコンソールに設置
静粛性
アイドリング:43dB
全開時:83dB(4速)
48km/h走行時:59dB
80km/h走行時:64dB
113km/h走行時:68dB
安全装備
ABS/ESC/EBD/DTC/DBC
Euro N CAP:テスト未実施
乗員保護性能:成人-%/子供-%
交通弱者保護性能:-%
安全補助装置性能:-%
発進加速
テスト条件:乾燥路面/気温24℃
0-30マイル/時(48km/h):1.6秒
0-40(64):2.2秒
0-50(80):2.9秒
0-60(97):3.8秒
0-70(113):4.8秒
0-80(129):5.9秒
0-90(145):7.2秒
0-100(161):8.7秒
0-110(177):10.5秒
0-120(193):12.6秒
0-130(209):15.1秒
0-140(225):18.2秒
0-150(241):22.0秒
0-402m発進加速:12.1秒(到達速度:189.7km/h)
0-1000m発進加速:22.0秒(到達速度:241.6km/h)
ライバルの発進加速ライバルの発進加速
アウディRS4アバント(2018年)
テスト条件:湿潤路面/気温10℃
0-30マイル/時(48km/h):1.6秒
0-40(64):2.2秒
0-50(80):3.1秒
0-60(97):4.0秒
0-70(113):5.1秒
0-80(129):6.3秒
0-90(145):7.8秒
0-100(161):9.6秒
0-110(177):11.6秒
0-120(193):14.0秒
0-130(209):17.0秒
0-140(225):20.6秒
0-150(241):25.0秒
0-402m発進加速:12.4秒(到達速度:183.0km/h)
0-1000m発進加速:22.7秒(到達速度:231.9km/h)
中間加速
20-40mph(32-64km/h):1.7秒(2速)/3.0秒(3速)/4.3秒(4速)/6.3秒(5速)
30-50(48-80):1.4秒(2速)/2.0秒(3速)/3.1秒(4速)/5.2秒(5速)/8.3秒(6速)
40-60(64-97):1.6秒(2速)/1.7秒(3速)/2.3秒(4速)/3.9秒(5速)/7.2秒(6速)/10.5秒(7速)
50-70(80-113):1.8秒(3速)/2.1秒(4速)/2.9秒(5速)/5.9秒(6速)/9.4秒(7速)/17.3秒(8速)
60-80(97-129):2.1秒(3速)/2.2秒(4速)/2.7秒(5速)/4.3秒(6速)7.6秒(7速)/16.8秒(8速)
70-90(113-145):2.4秒(4速)/2.8秒(5速)/3.8秒(6速)/5.6秒(7速)/14.8秒(8速)
80-100(129-161):2.8秒(4速)/2.9秒(5速)/3.9秒(6速)/5.2秒(7速)/10.5秒(8速)
90-110(145-177):3.3秒(4速)/3.2秒(5速)/4.1秒(6速)/5.4秒(7速)
100-120(161-193):3.6秒(5速)/4.3秒(6速)/5.7秒(7速)
110-130(177-209):4.4秒(5速)/4.7秒(6速)/6.0秒(7速)
120-140(193-225):5.4秒(5速)/5.3秒(6速)
制動距離
テスト条件:乾燥路面/気温24℃
30-0マイル/時(48km/h):8.0m
50-0マイル/時(64km/h):22.0m
70-0マイル/時(80km/h):43.8m
60-0マイル/時(97km/h)制動時間:2.73秒
ライバルの制動距離アウディRS4アバント(2018年)
テスト条件:湿潤路面/気温10℃
30-0マイル/時(48km/h):9.0m
50-0マイル/時(64km/h):25.3m
70-0マイル/時(80km/h):52.1m
各ギアの最高速
1速:67.6km/h(7500rpm)
2速:104.6km/h(7500rpm)
3速:156.1km/h(7500rpm)
4速:194.7km/h(7500rpm)
5速:255.9km/h(7500rpm)
6速:299.3km/h(6692rpm)
7速:299.3km/h(5488rpm)
8速(公称値):300.0km/h(4283rpm)
8速・70/80マイル/時(113km/h/129km/h):1612rpm/1842rpm
結論 ★★★★★★★★★★
われわれが10点満点をつけるのは、状況を一変させるようなクルマであることが多いのだが、アルピナB3はそれほど革新的な存在とはいえない。だが、このワゴン仕様は、じつに魅力的な特質の集合体だ。それは、単に優秀なパーツを集めて組み上げた結果を超えたものだった。
快適性、パフォーマンス、実用性、走りの楽しさ、そして競合車と比較した場合のコストパフォーマンス、それらすべての要素で、これほど魅力にあふれるクルマは、おそらくないだろう。それこそ、B3ツーリングが満点を獲得した理由だ。センセーショナルなほど完璧なプロダクトである。
アルピナの成功を支えるのは、顧客が自社製品に何を求めているかを認識できる能力だ。BMWの現行3シリーズは、E30からとはいわないまでも、少なくともE46以降では、アルピナ車の製作に最適なベースだといえる。しかし、並外れた実力を持つエンジンと細部に渡るシャシーの改修が、このクルマの成熟ぶりと楽しさを新たな高みへと引き上げた。
B級道路のみならず、高速道路においても、新型車を優秀な先代モデルより魅力的なものにする術を、これほどはっきりと示したクルマはほかに思いつかない。パフォーマンスカーを手に入れ、一年中いつでも走らせたいというなら、B3ツーリングはかけがえのないとびきりレアな宝石のような存在となる。
担当テスターのアドバイス
リチャード・レーンこのクルマをドイツで走らせた経験からいうなら、新型B3オーナーは一度でいいからそれを味わってほしい。アルピナのテスト項目には、270km/hでの緊急レーンチェンジがあり、B3の高速域でのスタビリティはとてつもなくみごとだ。
マット・ソーンダース新型B3でとにかく好きな点は、挙動のすばらしい熟成ぶりだ。B5ライトとでもいおうか、ボディサイズは小さくなり、ハンドリングのシャープさはずっと増している。あのソリッド感は、このパッケージをさらに高尚なものにしてくれる。
オプション追加のアドバイス
メリノレザートリムは金額に見合ったアイテムだ。シートだけでなくダッシュボードも革張りになり、じつに贅沢な雰囲気を作り出す。タイヤについては、ぜひ19インチも試したい。乗り心地はソフトになるはずで、もちろん出費も抑えられる。
改善してほしいポイント
・もっと容量の大きい燃料タンクがほしい。75Lくらいはあってしかるべきだ。
・2700rpmでのトルクデリバリーはよりスムースにしてほしい。
・アルピナのステアリングリムは、BMWと違って細く、硬い手触りなのが美点だったのだが。
・S58ユニットに生気を与えるエキゾーストシステムを作ってくれないだろうか。BMWはしてくれないだろうから。
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