「これは僕に責任があるので、責められるのも当然です。しかし、僕はこれを受け止め、前に進もうと思います」
2024年F1第11戦オーストリアGPのスプリント予選で14番手に終わった角田裕毅(RB)は、そう言って自らを責めた。
角田裕毅、ターン9での大スピンがSQ2の走りに影響「フロアを傷めてしまった」/F1オーストリアGP
チームメイトのダニエル・リカルドが16番手に終わり、SQ1で敗退するなか、なぜ僚友を上回った角田がこれほどまでに責任を感じる発言をしたのか。そこには、今週末のRBの戦い方を説明する必要がある。
チーム代表のローラン・メキースによれば、「まだバルセロナ(第10戦スペインGP)での失速原因が100パーセント解明していないため、オーストリアでは旧スペックと新スペックのハイブリッドで走らせる」という決断をチームは下した。
ただし、このハイブリッドはどちらかが旧スペックで、どちらかが新スペックという単純なものではなかった。2台とも旧スペックと新スペックのハイブリッド空力パッケージなのだが、その仕様が2台で異なるのだという。
どちらかを旧スペックにすることは、残りのシーズンを考えて得策ではないと判断。ただし、2台そろって失速したスペインGPの轍は踏みたくない。そこで、新スペックの理解を短時間で深めるために、2台で仕様を分け、1回のフリー走行で結論を出すという戦略に出たのである。
60分のフリー走行で速かったマシンは、その仕様でセットアップを煮詰めていく。だが、遅いマシンは明らかに変更が必要だと判断すれば、速いほうの仕様に空力パッケージを変更したうえで、スプリント予選に向けてセットアップも変更するという、かなりアグレッシブな戦略だった。
そんななかで始まったフリー走行。2台は走行データを集めるために精力的に周回を重ねた。そして、セッションを通して、概ね角田がリカルドをコンマ数秒上回る走りを披露していた。
そこでチームは角田の仕様をそのままにして、リカルドの仕様を変更することにした。つまり、リカルドは変更した仕様でいきなりスプリント予選に臨むことになる。
それを知っている角田は、予選でチームメイトを上回るのは当然のことと受け止めただけでなく、異なる仕様でフリー走行を走ってくれたリカルドの分、さらにはチームの期待を一身に背負い、予選に臨んでいた。
しかし、それがコース全長が短く、より一層僅差の戦いになるレッドブルリンクのタイムアタックで、角田に必要以上のプレッシャーを与えてしまったのかもしれない。
SQ1の最終アタック、ターン7で縁石に乗ってフロアを痛めてしまった角田は、ダウンフォースを失った状況でターン9へ進入。コースをはみ出し、グラベルトラップに片輪を落としてスピンしてしまう。
SQ1はかろうじて15番手で通過した角田だが、ターン7で縁石に乗ってフロアを痛めてしまったために、SQ2では満足なアタックができなかった。
「僅差の予選では、その状況はSQ3へ進出するために、マシンのポテンシャルを少しでも多く引き出さなければならないのですが、今日は理想的な状況とは言えませんでした。もう少し、うまくできたと思うので、残念な結果でした」
なお、角田はフリー走行でステアリングコラムに違和感を訴えていた。しかし、それは予選でのミスとは関係ないと言う。
「異なる問題です。予選までにチームは作業してくれました。完全に修正できたかどうかはわかりませんが、それがコースオフした原因ではないです。僕がプッシュし過ぎだったのは確かで、ターン7の進入でわずかに限界を越えて縁石に乗った自分の責任です」
今週末は今シーズン3度目となるスプリント・フォーマットで開催されている。その借りを返すチャンスは、まだ多く残っている。
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