レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表は、セルジオ・ペレスを残留させるというチームの決断を擁護し、「ふたりのベストドライバー」がマシンに乗っていると主張した。
マックス・フェルスタッペンがランキングをリードしている一方、ペレスは苦戦が続いており、ホーナー代表もペレスが悪循環に陥っているにも関わらず、チームはペレスの続投を決定。ペレスをサポートすることで復活を促そうとしている。
■マクラーレンに完敗……レッドブル代表は「パニックになる必要はない。フェルスタッペンのリードが減ったのはまだ4回目だ」
自身の去就が夏休み中に決定すると噂されていた中で、ペレスが夏休み前の2戦で奮起することはなく、ハンガリーGPの予選ではQ1でクラッシュ。決勝は7位まで追い上げるのが精一杯だった。雨に見舞われたベルギーGPでは、予選3番手と健闘。決勝はフロントロウからスタートしたが、パフォーマンスは振るわず8位まで後退した。
そんな状況にもかかわらず、レッドブルはペレスの続投を決定。夏休み明け最初のレースとなったオランダGPで、ホーナー代表は苦悩するペレスに固執する理由について熱弁をふるった。
なぜペレスに時間を与えたのかと、『Sky Sports』に質問されたホーナーは次のように答えた。
「誰に変えるんだ? なぜ変えるんだ?」
「チェコ(ペレス)の能力は分かっている。今季の序盤、彼は5レースで4回の表彰台を獲得していた。そして、もしその彼を取り戻すことができれば……。彼は自信を失っていて、ちょっとしたスパイラルに陥っていると思う」
「このクルマにはベストな2人のドライバーが乗っていると信じている。我々が持っている全ドライバーの全データを見る限りね。我々はその情報を持っているし、もっと良いモノ(ドライバー)がいると思えば、とっくに変えているはずだ」
「我々のマシンは、チャンピオンシップを守ることができるマシンだと信じている。昨年はランキング1位と2位だったし、一昨年は1位と3位だった。言うまでもなく21勝もしたんだ」
オランダGPでもペレスは、フェルスタッペンに差をつけられた6位でフィニッシュ。しかし、ホーナー代表はペレスが調子を取り戻す可能性があるのはオランダGP以降のレースだと考えている。
「彼は少しリセットできたと思う」
「夏休みが終わり、彼が勝ったことのあるサーキットがやってくる。アゼルバイジャンではスプリントレースと決勝で同じ週末に彼は優勝している」
「シンガポールでは混戦の中、シャルル・ルクレール(フェラーリ)との素晴らしいレースを制した。モンツァでも非常に速かった」
「ザントフールトは彼にとってベストなサーキットではない。だから、次のミニブレークまでに行なわれる4つのレースのうち、今回が彼にとって最もチャレンジングなレースだと言える」
ペレスの母国レースとなるメキシコGPは10月25日~27日に開催される。ペレスがレッドブルにもたらしたメキシコのスポンサーの前で、大観衆が彼に声援を送るだろうが、ペレスの残留とメキシコGPの存在は関係ないとホーナー代表は語った。
「いいや違う。パフォーマンスが全てだ」
「我々のドライバープールの中で最高の結果を出してくれると信じている2人のドライバーを起用したんだ。もし、そのことに疑問があるのであれば、変更しているはずだ」
「プレッシャーのかかる仕事であり、ドライバーは皆、結果を出さなければならないというプレッシャーにさらされていることは知っている。それがF1であり、グリッドの上でも下でも同じことだ。だからチェコなんだ。彼の能力はわかっている」
「彼がパフォーマンスを発揮している時の能力を皆分かっている。我々は彼が自信を持てるようなマシンを提供できるよう、最善を尽くしているんだ」
「あなた方(メディア)はすぐにセルジオを非難する。我々は良い時の彼を再発見するチャンスを彼に与えようと懸命に努力している。そして彼は、メディアからのプレッシャーや、その背後で積み重なるソーシャルメディアのプレッシャーに対処しなければならないんだ」
オランダGPでは、マックス・フェルスタッペンをもってしてもランド・ノリス(マクラーレン)に大差をつけられ敗北したレッドブル。ペレスも5番手から順位を上げることができず、6位でレースを終えている。
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