世界耐久選手権(WEC)第7戦富士6時間レース終盤、トヨタ8号車は青旗を無視したとしてドライブスルーペナルティを受けたが、これについてトヨタと、ポルシェ側の意見は食い違っている。
今回のWEC富士はレース終盤に出動したセーフティカーにより、残り時間1時間30分の時点で各車がほぼ同じ戦略で、”スプリントレース”をすることになった。
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3番手でレース再開を迎えたトヨタ8号車は、アルピーヌ35号車に抜かれて4番手に後退する苦しい流れの中、新品タイヤを有効に使うべく早めにピットイン。ここで最後のピット作業を済ませた。
ピットから出た8号車の後ろからは、レースリーダーのポルシェ6号車が接近。フルサービスで1分20秒前後のピットタイムがかかる中、レースラップで1周1分32~33秒の富士ではピットタイミング次第で周回遅れになるリスクがあるのだ。
他のマシンと争う上でも周回遅れになるわけにはいかないトヨタ8号車と、引っかかるわけにはいかないポルシェ6号車。結果として、2台はターン15で接触。トヨタ8号車がコース外に押し出されるような形となった。両車に大きなダメージはなく、レースを継続。しかし残り時間15分のところで青旗無視によるドライブスルーペナルティが科せられ、8号車は3番手から大きく後退し、10位でフィニッシュした。
優勝したポルシェ6号車のドライバーであり、レース終盤を担当したケビン・エストレは、トヨタ8号車に乗っていた平川亮が、至る所でブロックしてきたと語った。
「トヨタ8号車は少なくとも片側(正しくは4輪とも)はコールドタイヤでコースに出てきた」
そうエストレは説明した。
「彼は至る所で僕をブロックしていた。僕は彼を抜かなくちゃいけなかったけど、彼が抜き返してきたりした」
「かなりアツくなっていて、僕たちはターン15で少し接触してしまった。彼らは僕たちに厳しく攻めてくるけど、今年は僕たちの方が強い。彼らは攻め続けてきたけど、成功しなかったんだ」
平川自身、ペナルティになるようなことをした覚えはないとしつつ、6号車を簡単に前に行かせるわけにはいかなかったと認めている。
スチュワードは報告書の中で、「8号車は何度も青旗を提示されており、ターン13-14-15-16で6号車と争いを続けるべきではなかった」と述べている。
しかし、トヨタのテクニカル・ディレクターであるデビッド・フローリーは、平川にペナルティを科すという決定に納得できない様子を見せ、エストレに抜かせるための十分な時間が与えられていなかったと主張。裁定に対する不満を隠さなかった。
前戦オースティンで7号車に与えられたペナルティを踏まえつつ、「またしても、我々に対して下された決定には疑問が残る」と彼は語った。
「青旗無視のペナルティについては、2つのセクターで青旗が出された場合は明らかだが、我々が青旗の提示を受けたのはターン8が初めてだ」
「我々は戦略を(他と)ズラしていた。レース終盤にニュータイヤを履き、そのタイヤでフルスティントを走るために、その前のスティントを短縮することを決めたからだ」
「6号車からの遅れは実際には25~30秒で、丸一周遅れていたわけではないんだ。いずれにしても、青旗が振られたのはターン8が初めてで、彼(エストレ)はターン15で我々を押し出した」
「我々は彼が通れるスペースを残していたのに、彼は我々にぶつかってきて、コース外に押し出したんだ」
「このレースでは、過去4シーズンよりも黄旗違反によるペナルティが多かった。我々はオースティンでこうした状況について不満を訴えている」
「競技面の対応に満足できていないのは明らかだ」
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