5月18日、全日本スーパーフォーミュラ選手権第2戦の公式予選が大分県日田市のオートポリスで行われ、ルーキの岩佐歩夢(TEAM MUGEN)が自身初のポールポジションを獲得した。
ここでは予選後、全ドライバーが参加して行われる取材セッション“ミックスゾーン”から、ドライバーたちがフリー走行と予選について語った内容を2回に分けてお届けする(Part.1はこちら)。
信頼関係が生んだ“ターゲット1.5倍の過激なセットアップ”。小池エンジニアが振り返る岩佐歩夢の予選PP劇
●坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S) 予選6番手
開幕戦の鈴鹿ではストレートスピードで苦戦し、ポイントを獲得できなかった坪井翔。今回はフリー走行でも時折上位に顔を出し、予選ではセクター3で全体ベストタイムを記録して、6番グリッドにつけた。
「まずはトヨタ勢の中で普通に走れたのかなというところがあったので、そこは良かったです。ただ、クルマ的に鈴鹿ほど決まっている感じはなくて、我慢しながらアタックしていたところありました」と坪井。
実は3番手の山本尚貴(PONOS NAKAJIMA RACING)から6番手となった坪井までが0.033秒差とスーパーフォーミュラでも珍しいほどの大接戦。「今回のアタックはかなり僅差だったので、運が良ければ3番手にいたかもしれないですが、運が悪くて6番手なので、ここばかりは仕方ないかなと思います」と苦笑いをみせた。
ただ、決勝レースでの戦略などを考えると「6番手だと決勝では充分にチャンスがあるのかなと思います」と坪井は言う。「この位置だと少し違った作戦をとりやすいのかなと思うので、決勝ペースがあれば行けるかなと。昨年はポールからスタートして途中で下がっていったので、今年は逆の展開になってほしいなと思います」と決勝に向けては自信をみせていた。
●国本雄資(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL) 予選14番手
名門TEAM IMPULに移籍して2レース目を迎えた国本雄資。前回の鈴鹿では予選で後方に沈み、決勝でも序盤に接触を喫してリタイアとなった。今回はQ1Bグループで1分28秒587を記録したが、Q2進出圏内に0.055秒及ばず、悔しいQ1敗退となった。
フリー走行からのタイムの出方をみると、開幕戦から改善したポイントもあるように感じられたが、当の国本は「あまり良くないというか、良い方向に行っている感じはしないですね」と肩を落とす。
「ひとつ前とは近い(0.055秒差)けど、その先とはだいぶ離れている(0.495秒差)ので、すごくフィーリングは良くないし、今まで走ったオートポリスの中でも、とくに苦しんでいるなという感じはします。今夜チームと一緒にいろいろ見直して、何とか明日追い上げられるようにしたいです」と、コメントも少なめだった。
●大湯都史樹(VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING) 予選11番手
開幕戦の鈴鹿では大苦戦を強いられた大湯都史樹。今回のオートポリス戦ではフリー走行で10番手につけると、予選Q1のAグループで1分27秒838を記録し6番手通過。続くQ2では1分27秒730とタイムを更新し11番グリッドを獲得した。
開幕戦鈴鹿と比べるとポジションとしては大きく上がったが、大湯としてはマシンの感触は今ひとつだという。
「感触としてはフリー走行の時のほうが良く、予選になったら『あれっ?』ってなった部分もあったので……なんでなんですかね(苦笑)」と大湯。
「厳密にはフリープラクティスの最後から微妙に『あれっ?』とはなっていて、感触の割にはタイムが出ていないなというところがありました。『6番手以内に入れればいいな』と予選前は思っていましたけど、全然そんな気配はなく……最初はそれ以上に予選はQ1もQ2も手応えはなかったです。本当にQ1も通れて良かったなという感じです」
とはいうものの、決勝ペースに関しては「フリープラクティスの感じでいくとそれなりに戦えそうな手応えはありました」と大湯。「スーパーGTを含めて昨年までは予選で前に行けるけど決勝で落ちていくことが多かったですが、今年はその逆になっています(苦笑) でも、追い上げることができているということで、良いのかなと思います」とポジティブに捉えていた。
●ベン・バーニコート(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL) 予選17番手
テオ・プルシェールの離脱にともない、急きょITOCHU ENEX TEAM IMPULから参戦することとなったベン・バーニコート。昨年末のルーキーテストに参加しているとはいえ、オートポリス初経験など“ぶっつけ本番”という状態は否めない。予選Q1のAグループに出走し、1分28秒461で10番手となった。
「この限られた時間のなかで、1周にすべてのパフォーマンスをすべて出すというのは非常に難しかった。昨年末のルーキーテストでは走行時間がたくさんあって、プレッシャーもそこまではなかった。ただ、今回は90分のプラクティスから1周勝負の予選だから、すごく張り詰めている感じで難しかったよ」とバーニコートは、初めての予選日を振り返った。
例年よりも大幅に高い気温と路面温度によるものか、今大会では通常とは異なりQ1BグループよりもQ1Aグループのタイムが全体的に良い傾向にあった。
「僕のグループ(A組)はQ1のメンバーがめちゃくちゃ速かった。仮にBグループで走っていたら、Q2に進出できるタイムだったから……」と悔しさをみせるバーニコートだが、「今は切り替えて決勝レースの準備を進めたい。グリッドも後ろの方なのでプレッシャーも少ないから、追い上げていきたい」と、早くも決勝レースを見据えていた。
普段は北米のIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権のレースに出ているため、スタンディングスタートも数年振りだというレクサス使いにして現GTDプロクラス王者のバーニコート。「4回スタート練習をした。2回はめちゃめちゃうまくいって、残り2回が大失敗だった。明日はうまくスタートを切りたいね!」と満面の笑みを見せてくれた。果たして、その出来やいかに……。
全日本スーパーフォーミュラ選手権第2戦オートポリスの決勝はこのあと10時から30分間行われる日曜フリー(FP2)の後、14時50分にスタート予定だ。決勝レースは41周(最大75分)で争われる。
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