2019/20年シーズンからトップカテゴリーも完全電気自動車によるEV新時代に突入したフランス伝統の氷上戦e-Trophee Andros(アンドロス・e-トロフィー)第4戦セッレ・シェバリエは、初日土曜をヤン・エルラシェール(アンドロス・スポーツ01/イバン・ミューラー・レーシング)が勝利し今季2勝目をマーク。続く日曜はニコラ・プロスト(ルノーZOE/DAレーシング)が優勝を飾り、シリーズ復帰後の初勝利を挙げている。
この新時代の氷上シリーズは、従来までV型6気筒の内燃機関をミッドシップに搭載してきたエリート・プロクラスも、4WS機構(四輪操舵機構)を継承しながら350馬力を発生する2基の電気モーターを搭載したEVワンメイクシャシー“アンドロス・スポーツ”へと置き換えられ、1月18~19日開催のセッレ・シェバリエで第4戦を迎えた。
EV新時代アンドロス・e-トロフィー第3戦は、シリーズ4連覇デュブールの『ルノーZOE』が初優勝
フランス南東部プロヴァンス地方の、エクラン国立公園の近くに位置するスキーリゾートでの勝負は、EV新シリーズ開幕戦勝者のエルラシェールが予選から好調を維持。
各セッションの順位に応じた総合獲得ポイントでその日の勝者が決まる仕組みを採用する選手権規定により、エルラシェールは2回のクオリファイヒートで最多得点を稼ぐと、スーパーポール・セッションで最速を記録したオリビエ・パニス(アンドロス・スポーツ01/セバスチャン・ローブ・レーシング)を総得点で上回り、最終スーパー・フィナーレのポールポジションを確保する。
そのエルラシェール、オリビエ・パニスに加えて、前戦勝者で最上位カテゴリー4連覇中のジャン-バティスト・デュブール(ルノーZOE/DAレーシング)、タイトル争いを展開するオーレリアン・パニス(アウディA1/セインテロック・レーシング)、そのチームメイトでWorldRX世界ラリークロス選手権で2019年ランキング2位となったアンドレアス・バッケルド、そして前戦2位表彰台と調子を上げているナサニエル・ベルトン(プジョー208/シルヴィアン・プーシャー・コンペティション)の6台が、全6周のスーパー・フィナーレ進出を決めた。
シリーズが用意するワンメイクシャシーを採用したマシンをドライブする2台がフロントロウから発進した決勝ヒートは、ポールシッターのエルラシェールが圧倒的な優位を堅持し、2位浮上のデュブールに対して11.578秒というアイスレースでは異例の大差をつけて勝利。この日、65点を稼ぎ出したエルラシェールが、同62点のデュブール、59点のパニスを従えてシーズン2勝目を飾った。
続く日曜のラウンド2は、前日勝者のエルラシェールを2回の予選ヒートで唯一アウトクオリファイしたプロストの日となり、勢いそのままにワークス・ルノーのマシンを駆る元ABBフォーミュラE選手権レギュラーはスーパーポールでも最速、最多得点をマークする。
すると、決勝ヒートでもその新型『ルノーZOE』艦隊が後続に対して充分なマージンを築くことに成功し、プロスト、デュブールの順でワン・ツー・フィニッシュを達成。67点を稼いだプロストが、シリーズ復帰後の初優勝を飾っている。
一方、このスーパー・フィナーレで2位に入ったデュブールは、総合得点で60点となったエルラシェールにわずかに届かず、59点で最終リザルトは3位に。しかし、シーズン序盤からポイントリーダーの座を守ってきたオーレリアン・パニスが8位に終わったことで、選手権首位浮上を果たした。
EV初年度も終盤戦に差し掛かったアンドロス・e-トロフィー。残るラウンドは1月24~25日開催の第5戦ラン・アン・ヴェルコールを経て、2月1日クレルモン・フェランでのグランドフィナーレで電動新時代の初王者が決する。
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