RAV4と同等サイズのクロスオーバーEV
分散投資。複数の投資先へ資産を振り分けることで、リスクを減らしつつ、リターンを増やすという考え方だ。ただし、必ずしもその投資が成功するわけではない。ここ2年間で、純EVへ注力したテスラは企業価値を大幅に高めた。
【画像】本気の純EV トヨタbZ4X AWDプロトタイプ 欧州で競合する純EVと写真で比較 全128枚
トヨタは過去数十年という長期スパンで、ハイブリッドと燃料電池という技術分野へ投資を続けてきた。バッテリーEVの開発にも取り組んではいたが、どちらかといえば控え目な規模だったといえる。
やや保守的に、純EVの開発戦略を進めてきたトヨタ。その結果、今後しばらくはライバルを追い上げるべく、積極的な戦略を取る必要が出てきたようだ。
2021年12月、トヨタ自動車のCEO、豊田章男氏は今後4兆円規模の投資を行い、30車種の純EVの開発を進めると発表した。また増大する需要に応じて、2030年までに350万台の純EVを販売する計画を立てたという。
そして、その第1弾になるであろうモデルが、今回試乗を許されたクロスオーバーのトヨタbZ4Xとなる。まだプロトタイプではあったが。
見慣れない車名だが、bZはビヨンド・ゼロの略。ゼロ・エミッションを超えた価値を意味し、今後のトヨタの純EV数車種へ与えられるシリーズ名でもある。4Xは、コンパクトSUVを示す。同等のサイズを持つ、トヨタRAV4から展開した2文字だそうだ。
航続距離はFWDで450km、AWDで410km以上
bZ4Xは、スタイリングでもRAV4とイメージを共有する。ブラックの樹脂製ホイールアーチやツートーンのルーフだけでなく、シルエット自体も遠くない。
反面、バンパー下部のエアインテークや、センサーを内蔵したグロスブラックのグリルなどで差別化も図られている。今後のbZモデルシリーズで共通するという、シャープなヘッドライトが凛々しい。
基礎骨格をなすのは、まったく新しいe-TNGAという純EV専用アーキテクチャ。スバルと共同開発されたもので、スバル・ソルテラも採用している。
トヨタによれば、プラットフォームを延長することで車内空間にゆとりをもたせ、リアシートの足元空間は約900mmと、レクサスLSに迫る広さがあるとしている。キアEV 6やフォルクスワーゲンID.4といった競合に対抗するために。
パワートレインは、発売時点で2種類が提供されるようだ。エントリーグレードが、シングルモーターの前輪駆動。最高出力204psと最大トルク26.9kg-mを発揮し、0-100km/h加速を7.7秒でこなす。
もう1つがツインモーターの四輪駆動。最高出力218ps、最大トルク34.2kg-mに増強され、0-100km/h加速時間は6.9秒へ短縮される。
駆動用バッテリーの容量は、共通して71.4kWh。航続距離は暫定値だが、前輪駆動で450km以上、四輪駆動で410km以上が見込まれている。また、低い気温でもバッテリーの温度を一定に保ち、性能低下を抑えるヒートポンプが搭載される。
現在の純EVとして、充分な動力性能や航続距離ではあるが、際立つ数字でもない。キアEV 6やテスラ・モデルYは、どちらも480km以上の航続距離を実現している。
充分な力強さにソフト寄り乗り心地
急速充電能力も、ライバルより少し見劣りする。bZ4Xは最大150kWまで対応するが、先出のEV 6とモデルYは、200kWまで許容できる。
といっても、0-80%の充電を30分以下でこなすというから、充分な早さではある。さらに駆動用バッテリーは、購入から10年後でも70%の容量が保証されるそうだ。
さて、今回試乗したのは、ツインモーターのbZ4X。瞬発力はEV 6やモデルYの四輪駆動版ほど鋭くはないが、充分な力強さは備えている。明確にパワー感の違いを感じるのは、110km/hを超えた辺りからのようだ。
不足ないパワーを安楽に引き出せるため、リラックスして余裕のある走りを得られる。純EVのSUVという、bZ4Xの個性にも合っていると思う。
サスペンションの設定も、競合モデルと比較して明らかにソフト寄り。市街地でも高速道路でも、優しくしなやかな乗り心地を維持していた。
高めの全高も相まって、コーナーでのボディロールは大きめ。それでも、バルセロナ郊外のカーブが連続するコースを運転した限り、驚くほど巧みに駆け抜けていた。
確かにボディの動きは感取されるものの、充分に抑制されている。ブレーキペダルの踏みごたえも一貫しており、速めのペースでの運転へ、不安を感じることはまったくない。ステアリングの重み付けも自然で、ノーズの反応も漸進的だった。
ちなみに、トヨタはバイワイヤーでのステアリング・システムを開発中ということだが、今回は試すことができなかった。操縦桿風のヨーク型ステアリングホイールとセットになるようで、150度傾けるとフルステア状態にできるという。
この続きは後編にて。
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みんなのコメント
ガソリンが悪ではないし、発展途上のEVがダメでもなく、極寒地や地方ならガソリン車、都会なら電動車という風に共存出来れば良いのではと考えます。