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”心の悪魔”と戦い続けたハミルトン、6度目の王者獲得は「最もタフなシーズン」

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”心の悪魔”と戦い続けたハミルトン、6度目の王者獲得は「最もタフなシーズン」

 メルセデスのルイス・ハミルトンは、アメリカGPで2位に入ったことで、2019年のF1ワールドチャンピオンに輝いた。これで3年連続、自身6回目の王座獲得ということになる。この数字は、ミハエル・シューマッハーの7回に次ぐ歴代2位となる大記録。伝説のファン-マヌエル・ファンジオの5回を上回った。

 しかしハミルトンにとっての2019年シーズンは楽なモノではなかった。チームの非常勤会長であったニキ・ラウダが死去。さらにベルギーGPのサポートイベントとして行われたFIA F2のレースでは、アントワーヌ・ユベールが事故死した。ハミルトンはこの影響を大きく受けていたという。曰く、ラウダが死去した直後のモナコGPから先日行われたメキシコGPまで、その感情は”ジェットコースター”のように浮き沈みしていたという。しかもそのメキシコGPは、長年共に働いてきたレースエンジニアのピーター・ボニントンが欠席していた。

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「1年中ずっと集中を続けること、それは本当に難しいことだ。そしてそれが本当に理解できるのは、戦いのトップにいる、本当にひと握りのアスリートだけだろう」

 ハミルトンはそう語った。

「毎週毎週、失敗なんてできない。例えば僕がアメリカGPの予選でやったような失敗はね。そして低調な状態から復活しなければいけないんだ」

「でもそれは簡単なことじゃなかった。シーズンが始まろうという頃、メルボルンに行く時には正直に言って、僕らは遅れを取っていると思っていたんだ」

「そして今シーズンの後半は、本当にチャレンジングだった。最も過酷なシーズン後半だったよ。フェラーリ、そしてレッドブルと戦わなければいけなかったからね」

「目的地にたどり着くために、毎年異なる感情の”ジェットコースター”に乗っているみたいだ」

「僕らは一人一人、人生の何かに苦労している。大小あるだろうけどね。僕はいつも、外から見れば素晴らしい人間だという風に見られるようにしている。でも、常にその通りだとは限らない」

「僕もまた、いつも色んなことに苦労し、”悪魔”と戦っている。でも、人として常に成長したいと思っているんだ」

 ハミルトンは、特定の個人的な問題について、具体的に言及することは避けた。しかしシーズン中にニキ・ラウダを失ったことにより、大きな打撃を受けたことは認めた。また、ユベールの死によっても、多くのことを考えさせられたという。

「今年ニキを失ったが、そのことでそれほどショックを受けるとは思っていなかったと言うべきだろう。でもそのことによって本当に動揺したし、今では彼のことをとても恋しく思っている。彼のことをどれだけ愛しているのか、僕は分かっていなかった」

 そうハミルトンは語った。

「それは結果的に、僕らにとっては厳しい転換点だった。またスパでは、若いドライバー(ユベール)を亡くした。その事故が起きた時、僕はモニターで見ていたんだ」

「そういうことが起きると、心の中で多くの疑問が投げかけられる。『神よ。今がもうやめる時なんだろうか? それとも続けるべきか?』と、思考が混ざり合うんだ。なぜなら、他にも色々な人生があるからね。僕はまだ家族と過ごしたいと思っているし、いつか家族を持ちたいとも思っている。他にも色んな人生がある」

「でも、僕は今やっていることをするのが大好きなんだ。そういう意味では、僕を止められるモノはそれほど多くないと思う」

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