4月16日、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権のバーチャルレース、IMSA iRacing Proシリーズ第2戦ラグナ・セカが行われ、BMW M8 GTEを駆るブルーノ・シュペングラー(BMW IMSAチーム・レッド)が優勝。開幕2連勝を飾った。
IMSA iRacing Proシリーズは、その名のとおりレーシングシミュレーターの『iRacing』を使ったバーチャルレースシリーズ。新型コロナウイルスの影響で、2020年シーズンの中断を余儀なくされている北米スポーツカーシリーズが立ち上げた新しいeスポーツだ。
参加者はウェザーテック・スポーツカー選手権などIMSAシリーズを戦う現役ドライバーで、その数は50名に上る。レースフォーマットは90分のタイムレース。これはシリーズ化する以前の今年3月に、セブリング・インターナショナル・レースウェイを舞台に行われたスペシャルラウンドで採用されたものがそのまま引き継がれた形だ。
現役ドライバー50名が参戦するIMSA iRacing Proシリーズが誕生。4月16日始動
シリーズ戦として初めての開催となった第2戦ラグナ・セカでも出場ドライバーは上限の50名を数え、それぞれが個性豊かなカラーリングが施されたBMW M8 GTE、フォードGT、ポルシェ911 RSR、フェラーリ488 GTEのステアリングを握った。
レースはアメリカ東部時間の18時20分にスタート。直前に行われた予選でポールポジションを奪ったロドリゴ・プラカー(フォードGT)を先頭に、ケルトン・コック(フォードGT)、シュペングラー、ミルコ・ボルトロッティ(フォードGT)ら予選上位ドライバーが互いを牽制しつつ、まずは綺麗な隊列を保ったままスタートを切っていく。
後方でもとくに大きな混乱はなくオープニングラップが完了。すると翌2周目、シュペングラーがコックを交わして2番手に浮上し、その間にポールシッターのプラカーは3秒ほどのマージンを築く。
トップグループの後方では、リチャード・ウエストブルック(フォードGT)とニック・キャツバーグ(BMW M8 GTE)が現実世界さながらの好バトルをみせ、この戦いを制したキャツバーグが5番手へとポジションアップに成功する。
上位陣に動きがあったのはスタートから19分後。レース序盤で2番手の座を奪われたものの、シュペングラーの背後にピタリと付けていたコックのフォードGTが、ラグナ・セカの名物コーナーである“コークスクリュー”の進入でライバルのインを差して逆転。コックはその勢いのまま首位を走るプラカーへと迫っていく。
そのコックはスタートから30分を迎えるタイミングで給油のためピットへ。これでふたたび2番手となったシュペングラーは約10分後にピットに入り、ピットアウト後はトップに躍り出た。一方、シュペングラーに合わせ、翌周にピットに入ったプラカーは9番手まで順位を落としてしまう。
■首位浮上のエングにまさかのアクシデント!
90分レースの折り返しを迎えたところでフルコースコーションが導入され、各車の間隔がリセットされる。約5分間のセーフティーカーランの後にレースが再開されると、シュペングラーを先頭にフィリップ・エング(BMW M8 GTE)、キャツバーグが続きBMW勢がワン・ツー・スリーを形成する。
その後方ではスタートからトップ5圏内を走り続けるボルトロッティのフォードGTが4番手に。また、中段グループから追い上げてきたシェーン・ヴァン・ギスバーゲンのBMWが5番手につけた。
この頃、レース前半のリーダーであったプラカーは9番手からの巻き返しを図っていたが、ジェシー・クローン(BMW M8 GTE)との8番手争いのなかで彼のBMWと交錯。クラッシュを喫し勝負権を完全に失うこととなった。
上位陣ではレース残り時間18分となったところで、エングが周回遅れに引っかかったシュペングラーを交わして首位に浮上する。ところが、そのエングに悲劇が訪れる。
トップ浮上からわずか数分後、エングの目前で2台の周回遅れによるクラッシュが発生。これを交わしきれなかったBMWも大きなダメージを受けピットインを余儀なくされてしまったのだ。
このアクシデントでふたたび首位は返り咲いたシュペングラーはその後、2番手に順位を上げたキャツバーグと、ボルトロッティを交わして4番手から表彰台圏内へとポジションを上げてきたヴァン・ギスバーゲンのバトルを尻目にリードを拡大していく。
最後は約5秒のマージンをマネジメントしてVASCヴァージン・オーストラリア・スーパーカー王者の逆転を許さず、前戦セブリングに続く2連勝を飾った。ヴァン・ギスバーゲンはトップと1.7秒差の2位。キャツバーグが3位に入ったことでBMW勢がワン・ツー・スリー・フィニッシュを達成している。
4位はボルトロッティ、5位にはポルシェ911 RSRをドライブしたアイハンキャン・グーベンが入り、不運に泣いたエングは6位でのフィニッシュとなっている。予選7番手からスタートした道見真也(フォードGT)は、序盤に大きく順位を落としたものの10位まで順位を挽回してみせた。
IMSA iRacing Proシリーズの次戦、第3戦ミド・オハイオは4月30日(木)に開催される。
.@KentonKochRacin on the inside in the Corkscrew for P2! #IMSA / @WeatherTechRcwy pic.twitter.com/drij9HHAH1— IMSA (@IMSA) April 16, 2020 Ahhh Pflucker.#IMSA / @WeatherTechRcwy pic.twitter.com/SixFCZX8uU— IMSA (@IMSA) April 16, 2020 “That was the leader!” @Philipp_Eng caught up in huge contact! #IMSA / @WeatherTechRcwy pic.twitter.com/KU4BzxiqsY— IMSA (@IMSA) April 16, 2020
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