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999台限定のオープン ミニ・エレクトリック・コンバーチブルへ試乗 次世代への探り?

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999台限定のオープン ミニ・エレクトリック・コンバーチブルへ試乗 次世代への探り?

欧州市場向けに999台の限定

ミニのバッテリーEV(BEV)版、ミニ・エレクトリックには沢山の魅力が詰まっている。ただし、ハッチバックの航続距離はカタログ値で231kmと、長いとはいえない。駆動用バッテリーの容量が28.9kWhと、最近の基準では大きくないためだ。

【画像】999台限定のオープン ミニ・エレクトリック・コンバーチブル 競合クラスのBEVと比較 全120枚

そんなミニ・エレクトリックに、コンバーチブルが登場した。駆動用バッテリーの大きさは同じながら、魅力を一層高めることへ挑んでいる。多少の妥協も求められるが。

生産数は限定。欧州市場向けに999台が提供される予定で、英国には150台が割り当てられるという。

現在の市場を俯瞰してみると、このクラスのBEVでオープンモデルは存在しない。フィアット500eとアバルト500eにもコンバーチブルは設定されているが、実際は左右にルーフのフレームが残るランドレー・スタイル。完全なオープンになるわけではない。

英国価格は5万2500ポンド(約845万円)と、かなり強気。BMW 3シリーズ・クラスの電動4ドアサルーン、BMW i4よりも高い。今なら、2.0Lターボエンジンを積んだアウディTT ロードスターもオーダーできる。

既存モデルの派生版だと考えると、高コストな新技術が投じられているとは考えにくい。BEVのコンバーチブルとして、最初のモデルだとミニが主張しているとはいえ。

次世代の電動ミニに追加される可能性がある、コンバーチブル仕様の様子を伺っているのかもしれない。次期型のハッチバックは、2024年の発売が予定されている。

車重は105kgの増加 航続距離は199km

一般的なオープンモデルと同様に、本来あったルーフが切り取られたことでの剛性低下を補うため、ミニ・エレクトリックのシャシーやボディは補強されている。確かに、路面の不整を越えても粗野な振動は生じない。カシっとした安心感がある。

その代償として、車重は明らかに増えている。ハッチバックから105kgの増加となり、航続距離は199kmへ縮まっている。

0-100km/h加速時間は、ハッチバックの0.9秒増しとなる8.2秒。ソフトトップをたたむと開放的になり、風が吹き込み、実際よりスピード感は増すけれど。

航続距離は、現実的な条件下では160km程度になる。今回試乗した初夏の陽気のスペイン・マヨルカ島では、149kmがメーターパネルに表示されていた。太陽を楽しめるコンバーチブルでも、シティカーだと考えていい。

製造終了となったBMW i3と同じく、動力源として搭載するのはハイブリッド同期と呼ばれる独自開発の駆動用モーター。競合のBEVが採用するユニットと比べて、出力特性に優れていることが特長となる。

実際、走り出してみるとアクセルレスポンスは他に例がないほどダイレクト。130km/hへ迫っても、加速力が鈍るような素振りもない。

海岸線をゆったり流す方が得意

ミニ・エレクトリック・コンバーチブルには、スポーツからグリーンプラスまで、複数から選べるドライブモードが実装され、アクセルレスポンスをマイルドにすることも可能。ステアリングホイールの操舵時の重さも調整できる。

回生ブレーキの効きの強さも選べる。通常はブレーキペダルを踏まずに発進から停止までまかなえる、ワンペダルドライブにも対応する。

筆者が運転してみた印象としては、ドライブモードはスポーツより1つ穏やかなミッドで、回生ブレーキは惰性走行できる設定が好ましく感じられた。リラックスして、ミニを滑らかに運転できる。

エンジンやエグゾーストのノイズが放たれない、無音状態に近い聴覚体験は、コンバーチブルにピッタリ。サスペンションも適度にマイルドで、マヨルカ島の路面をしなやかに均していた。グレートブリテン島の傷んだ路面でも、手を焼くことはないだろう。

グレードはクーパーSがうたわれるが、操縦性を磨いた電動ホットハッチだと、高い期待は抱かない方がいい。ハッチバックより車重が増え、重心高も高い。タイトコーナーの頂点めがけて、鋭く食らいついていく勢いは得にくい。

ステアリングの反応はリニアだが、活発な内燃エンジン版ミニのような、テールを振り回せる滑沢さまでは備わらない。峠道をエキサイティングに巡るのではなく、海岸線をゆったり流す方が得意といえる。

魅力的でも少々の割高感は否めない

台数限定のミニ・エレクトリック・コンバーチブルだが、オプションも限定的。ボディカラーで選べるのは、エニグマティック・ブラックかホワイト・シルバーの2色のみ。それ以外、選べるアイテムはないようだ。

サイドシル部分には、「1 of 999」と記されたプレートがあしらわれている。だが、個別に番号が変わるわけではない。お高めな価格を考えると、ちゃんとカウントしても良かったと思う。

エレクトリック・コンバーチブルは、魅力的な電動ミニであることに間違いはない。だが、少々の割高感は否めないだろう。希少性によるプレミアもあるとはいえ。

ミニ・エレクトリック・コンバーチブル(欧州仕様)のスペック

英国価格:5万2500ポンド(約845万円)
全長:3863mm
全幅:1727mm
全高:1415mm
最高速度:149km/h
0-100km/h加速:8.2秒
航続距離:199km
電費:5.8km/kWh
CO2排出量:−g/km
車両重量:1395kg(予想)
パワートレイン:AC永久磁石同期モーター
駆動用バッテリー:28.9kWh
急速充電能力:−kW(DC)
最高出力:183ps
最大トルク:27.4kg-m
ギアボックス:シングルスピード

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