モリタホールディングス(HD)は、電気トラック(EVトラック)を用いた日本初の電動消防車「MoEVius(メビウス)」のコンセプトモデルを「東京国際消防防災展2023」で公開した。ベース車両は三菱ふそうトラック・バスの電気トラック「eキャンター」で、モリタHDが放水に必要なポンプ機能などを搭載した。従来の車両と遜色がない放水性能を実現したという。日本消防検定協会(市橋保彦理事長)から必要な承認を得て、23年度内の販売開始を目指す。
メビウスにはEV専用ポンプを採用。途中充電なしで、通常の消火活動に必要な2~3時間の放水が行える。また、電動機器を稼働する電池を搭載すると車両重量が増加するが、軽量部材の利用や構造を見直したことで、従来の車両とほぼ変わらない重量に仕上げた。車両を含めた充電時間は残量がゼロの状態から、満充電まで急速充電で1時間30分、普通充電では半日かかるという。車体のサイズは全長6・76メートル、全幅2・2メートル、全高2・8メートル。900リットルの水槽を備えている。
モリタホールディングス、EVモーターズ・ジャパンと資本業務提携 EV消防車を共同開発
量産が可能となった場合、三田工場(兵庫県三田市)や子会社での生産も視野に入れている。担当者は「ほかの消防車両への応用も検討していく」と、電動化の見通しも示した。
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