FIAは2021年からのWRC世界ラリー選手権単独タイヤサプライヤーとして、ピレリと選定したことを明らかにした。ピレリはすでにF1にもタイヤを供給しており、サーキットレースと公道ラリーの両ジャンルでワンメイクタイヤサプライヤーを務めることになる。
WRCでは2022年からハイブリッドシステムを含む新車両規定が導入される予定で、それに先駆けて2021年から“タイヤ開発の激化”を防ぐべくコントロールタイヤを導入することが決定されており、そのサプライヤーにピレリが選ばれた。今回の契約は2021~24年までの4年間で、WRC最上位クラスのほか、WRC2、WRC3にもタイヤを供給する。
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現在、F1でもワンメイクタイヤサプライヤーを務めるピレリは、1973年からラリー競技に参入しており、WRCでは通算181勝、25のシリーズタイトル獲得に貢献している。
2008~10年の間には単独タイヤサプライヤーとしてWRCに関与。この期間中には若手育成プログラム『ピレリ・スタードライバー・プログラム』を行っており、2019年のWRCワールドチャンピオンであるオット・タナクは、同プログラム卒業生のひとりだ。
単独サプライヤーとしての役目を終えた2011年以降も、ピレリはラリーへの関与を続けており、2018年からは下位クラスのWRC2へタイヤを供給しているほか、若手ラリードライバーの登竜門とも呼べるジュニアWRCではすでに単独サプライヤーを務めている。
WRC最上位クラスについては、ピレリの単独供給が終わった2011年からほぼ全チームがミシュランタイヤを使用。一時はDMACKタイヤを使用するチームも存在していたが、現在は最上位クラスの全車がミシュランを履いている。
FIAラリーディレクターを務めるイブ・マトンは「世界ラリー選手権が新たな章へ足を踏み入れるタイミングの2021年から4年間、ピレリが単独タイヤサプライヤーとなることをうれしく思う」とコメントしている。
「ピレリがこれまでに培ってきた経験を存分に活かしてくれると信じているよ」
ピレリのモータースポーツ部門でシニアバイスプレジデントを務めるジョバンニ・トロンチェッティ・プロベラ氏は「我々ピレリは、テクノロジーと情熱をモータースポーツにもたらすことができ、これが世界ラリー選手権のシングルタイヤサプライヤー獲得につながった」とコメント。
またピレリでF1などのカーレーシング部門責任者を務めるマリオ・イゾラは「ラリー競技最高峰への復帰は以前から検討されてきたこと」と明かした。
「今回の契約は最高のタイミングで交わされたと思う。(2019年は)ピレリ・スタードライバー・プログラム出身であるオット・タナクがワールドチャンピオンに輝いたシーズンだからね」
「F1だけでなく、WRCでもタイヤサプライヤーを務めることで、我々の製品はモータースポーツのよりさまざまな条件にさらされていく。そうなることで我々の製品はさらに改良されていくんだ」
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