アプト・クプラ・エクストリームEチームは、2022年シーズンをナッサー・アル-アティヤとユタ・クラインシュミットの“ダカールウィナーコンビ”で臨むことを発表した。
昨年12月の時点でチームは2022年も継続してエクストリームEへ参戦することは確定していたが、これまでステアリングを握ってきたマティアス・エクストロームの参戦継続については不透明なままだった。
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というのも、2度のDTM(ドイツ・ツーリングカー選手権)のチャンピオンであるエクストロームは、昨年はエクストリームEに加えてWRC(世界ラリー選手権)や世界ラリークロス選手権にスポット参戦。電動TCRによるピュアETCRでは初代チャンピオンに輝いた。
直近では、カルロス・サインツやステファン・ペテランセルと共にフォーミュラEのパワートレインを搭載したアウディ『RS Q e-tron』を駆りダカールラリー2022へ参戦するなど、スケジュールは多忙を極めた。
加えて、エクストリームEの使用する電動SUV『オデッセイ21』の壊れやすさや、マシンを製造するスパーク・レーシング・テクノロジーが度重なるサスペンション故障の改善に時間を要していることにエクストロームが不満を抱いていたことから、参戦継続の見通しが立っていなかったのだ。
motorsport.comの姉妹メディアである英Autosportによると、彼はダカール・ラリー2022終了時までエクストリームEの参戦を継続するかどうかを保留することが許可されていて、終了後にシリーズを離れることを決めたという。
エクストロームの後任には、ダカール・ラリー2022で4度目の総合優勝を果たしたアル-アティヤが加入。2001年に三菱・パジェロエボリューションでダカール王者となったクラインシュミットとともに2022年のシーズンに臨むこととなった。
チームを率いるハンス=ユルゲン・アプトは、エクストロームの離脱とアル-アティヤの加入に関して次のように語った。
「もちろん、マティアスを手放すのは少し寂しい」
「彼はファーストシーズンの間、コース内外で素晴らしい仕事をしてくれたし、20年もの間、我々家族の一員だった」
「ユタとナッサーが加わったことで、我々は強力な布陣でチームを再始動することができる」
「目標は変わらない。レース勝利とタイトルを目指して戦いたい」
エクストリームEのファーストシーズンとなった2021年シーズン、エクストロームと途中加入のクラインシュミットはトップクラスの速さは見せたものの、勝利を手にすることはできず、最終順位は9チーム中5位となった。
またチームは、クプラが発表したスポーツSUV『タバスカン』コンセプトのボディキットをオデッセイ21に装着して、エクストリームEの2022年シーズンに臨む。変更点はヘッドライトと3Dプリントされたボディパネルのみであり、マシンパフォーマンス自体に大きな差はない。なお、市販車に似せたカスタマイズをマシンに施すのは、GMC『ハマーEV』のバンパーを使用するチップ・ガナッシ・レーシングに続き2チーム目になる。
エクストリームEのシーズン2は、昨シーズンの開幕戦の舞台サウジアラビア・アルーラではなく、今月末から同国の巨大スマートシティプロジェクトが進められている「NEOM(ネオム)」で開幕を迎える。
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