ラリージャパンの主催者は、WRC最終戦の競技開催中のステージに無許可の一般車両が侵入し、同ステージがキャンセルとなったことを受け、5万ユーロ(約800万円)の罰金と、10万ユーロ(約1600万円)の執行猶予付きの罰金を言い渡されることになった。
競技3日目(土曜日)の朝、競技開催中のSS12(恵那SS)のコース上に黒いバンが侵入するという事件が起きた。
■「いきなりステージから現れたんだ」エバンス、WRCラリージャパン“一般車両乱入事件”を語る。当該SSは安全確保のため中止に
このバンはスタッフの制止を振り切ってコース上に侵入し、走行を開始しようとするエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(トヨタ)のマシンの前にとどまった。コース外に退去するように促されるもこれに応じず、同ステージを中止にせざるを得なかった。
最終的には警察が現場に駆けつけ、当該車両をコース上から排除することになった。
FIAはこの件について、「適切な対策を講じなかったために危険な状況が生じた」とみなして調査を開始。その結果、イベントの主催者に対して多額の罰金が科されることになった。
「主催者は連帯して、5万ユーロの罰金を支払う義務がある」
報告書にはそう記された。
「主催者には、さらに10万ユーロの追加の罰金が科され、以下の条件を付して執行猶予が適応される」
この”以下の条件”とは、次のふたつだ。
a. 主催者は、2025年の次回WRCラリージャパンまでに、専任のFIAタスクフォース、FIA安全部門、ASNである日本自動車連盟(JAF)と協力して、道路の監視とコミュニケーションに関する特定のモジュールを含む完全なマーシャルトレーニングを実施する必要がある。包括的なプレゼンテーションとレポートを含むトレーニングの結果は、FIA委員会に送付されなければいけない。
b. 次回の2025年WRCラリージャパンでは、主催者が2024年のFIA国際モータースポーツ競技規則の第12.2.1.h条に違反することがあってはならない。
ちなみに国際モータースポーツ競技規則の第12.2.1.h条には、次のように規定されている。
「結果的に危険な状況となるような、いかなる危険な行為または適切な対策の不履行」
スチュワードの報告書によれば、黒いバンはマーシャルポストからステージ上に侵入したことが確認されたが、当該のポストはテープとマーシャルのみで規制されており、物理的な障壁はなかったという。
しかもこの事件は、ステージ全体を管理するマーシャルから、ラリーコントロールにすぐ伝えられることはなかった。最初の連絡は、エバンスが所属するトヨタのチーム代表者を通じて、ラリーコントロールにいるFIAのスポーティング・デレゲートに届いたとされている。
調査によれば、黒いバンが突破したふたつのチェックポイントは、ふたつの異なる会社で働く警備員によって調査され、両者の間での連絡がなかったことも明らかになった。
また報告書では、コース責任者は「ラリーの残りステージをより安全に運営するため」に、緊急対応計画を策定することを指示されていたことも明らかにされた。そして十分な緊急対応計画を策定できなかったり、FIAの安全代表者と合意した計画から逸脱したりした場合には、イベントが中止されることになっただろうとも述べられた。
しかし最終的に、コースにアクセス可能な分岐点には物理的なバリアが設置されたため、イベントを継続することができた。
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みんなのコメント
軽い気持ちで邪魔に入ったのでしょうが、とんでもない借金を抱えることになるであろう犯人w