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【注目モデル試乗】日本にはアルファード/ヴェルファイアがある! 世界が注目する大空間サルーンの完成度

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【注目モデル試乗】日本にはアルファード/ヴェルファイアがある! 世界が注目する大空間サルーンの完成度

新型は「快適な移動の幸せ」をコンセプトに開発

 それにしても、20年あまり前に初代アルファードが誕生したころ、これほどの存在に成長するとは思いもしなかった。いつしか「トヨタの最高級ミニバン」を超えて、「大空間高級サルーン」となり、高価であるにもかかわらず驚くほどの売れ行きを見せてきたのはご存じのとおりだ。
 8年ぶりにモデルチェンジした新型も人気は高く、販売現場が混乱するほどの受注状況になっている。すでに納車された幸運なユーザーを街中で見かけるようになってきた中、4代目アルファード/3代目ヴェルファイアの実像をお伝えしよう。

【注目モデル詳細解説】アルファード/ヴェルファイアは「快適な移動の幸せ」を徹底追求。世界の高級車の代表として開発した新型の開発ウラ話

 新型は、「快適な移動の幸せ」という壮大なコンセプトを追求している。このクルマを使うすべての人が相手を思いやり、感謝しあえる空間を目指したのだ。
 ところでアルファードとヴェルファイアの関係を「[ライバル]として激しく闘い続けるだろう」と、発表会の場で執行役員のサイモン・ハンフリーズ氏は述べていた。氏が兄弟車ではなくライバルと表現したのは、走りの味付けが2台で明確に異なるからである。2台の個性を徹底的に際立たせたのは、歴代で初めてである。

 ヴェルファイアは、旧型のモデル末期に販売比率が全体の5%を切るほどまでに落ち込んだ時期があった。新型ではアルファードと統合される予定だったという。ところが、統合の方針に社内で猛反発の声が上がる。そこで開発陣は、ヴェルファイアをアルファードとは別のキャラクターに仕立て直し存続を図った。ヤングアットハートなユーザーに向けて、「素直にカッコイイと思える意匠と、ドライビングプレッシャーを感じられる運動性能を付与した」と開発責任者の吉岡氏は説明する。

 新型ヴェルファイアにはZプレミアのようなパワフルで走りに特化したグレードを設定し、ドライバーズモデルであることを明確にした。
 一方で、両車のデザインの差はむしろ小さくなったように感じた。また、新旧を比べるとメッキの使用面積がだいぶ少なくなったのも意外に感じたポイントだ。

 2台の違いについて説明しよう。ヴェルファイアは、足回りの専用チューニングをはじめ、19インチタイヤを標準で設定。フロントにパフォーマンスブレースを追加して、アクティブなユーザーが好む俊敏な操舵応答性と接地感を追求した。
 さらにヴェルファイアには、2.4リッターターボ(279ps/430Nm)が設定された。一方のアルファードは、これまでの路線を踏襲した内容に仕上がっていると思っていい。

新型は細部まで高級&快適を追求。ボディ骨格から鍛えた「源流主義」が光る

 新型はプラットフォームを新たにTNGAのGA-Kをベースに開発。足回りをしっかりと動かすために、車体剛性を従来比で50%も引き上げるとともに、サスタワーやリアのホイールハウスなどの着力点についても剛性を30%向上させた。

 床下にはブレースを追加し、アンダーボディに使った構造用接着剤は従来比で5倍もの長さになった。そして剛性を高めたいところと振動を吸収させたいところで硬さを使い分け、最適化を徹底した。タイヤはすべて新規開発。路面の入力に合わせて減衰力を変える周波数感応型ショックアブソーバーを大半のモデルに採用し、ロードノイズや乗り心地を向上させている。

 これらの成果は、乗ると明らかである。十分よくできていた従来型に対して、まったく「別物」といえるほどのレベルに仕上がっている。とくに従来比で約3分の1に低減することができたという振動の少なさは印象的だ。

 従来型の2列目シートで見受けられた微振動はかなり払拭されていた。これにはシートに新採用した防振構造や、2種類のパッドを適材適所で使い分けたことが効いている。
 エグゼクティブラウンジの2列目シートの快適性は、やはり圧巻といえるレベルだった。満ち足りた気分にひたれて、もっと長く座っていたいと思った。
 新たに設定されたスーパーロングオーバーヘッドコンソールは、視覚的に目を引くだけでなく機能的にも便利だ。乗降時にはユニバーサルステップが重宝する。
 ドライバーズシートも特等席。ステアリング角度が5度起こされたことで、より運転しやすいポジションが取れるようになった。

2台ともに快適さは超一流。そのうえでヴェルファイアはスポーティ!

 アルファードはエグゼクティブラウンジの2WDとE-Four(ともに17インチタイヤ)を乗り比べた。走りは圧倒的に滑らか。高級サルーンとしてすべての人に愛されるに違いない完成度が印象的だった。

 乗り心地はどちらも十分に快適な中にも、2WDはしっとりしなやか。E-Fourは重量増に対して足まわりが微妙に強化されているせいか、若干の硬さ感を感じたものの、足回りの味付けのよさと優れた前後バランスが効いて、フラット感においては微妙に上回るように思えた。ハンドリングは素直だった。操舵に対する応答遅れはなく、正確にイメージしたラインをトレースしていける。なんら物足りなさを感じることはない。

 ヴェルファイアは、アルファードから乗り換えるとてすぐに違いがわかる。タイヤは19インチ、専用チューニングされた足回りは、路面への感度が高く凹凸を感じやすくなっている。だが、決して不快というほどではない。接地感は高くステアリングにも手応えがあり、切ると俊敏に回頭する。反応はクイックすぎるほどではなく、挙動は乱れにくいので同乗者に不快な思いをさせる心配はない。

 後席は、多少のコツコツはあるが快適だ。むしろ振動の振幅が小さく、収束が早い点が好印象だった。ヴェルファイアは、乗り心地も操縦性も絶妙なさじ加減でスポーティさと乗り心地の両立が図られている。中でもZプレミアは足回りのチューニングと重量の違いによってか、よりアクティブな走りを楽しめるようになっていた。

日常ユースで心地いいハイブリッド。2.4リッターターボはパワフルさが印象的

 パワートレーンは、両車とも2.5リッターハイブリッドが新型のメインである。ハイブリッドは従来型にはなかった2WDが用意されたのがポイントだ。また、アルファードにはジェントルな2.5リッターのガソリン車も用意されている。

 ハイブリッドはエンジンとフロントモーターの出力が従来よりも大きく向上し、システム最高出力は197psから250psに向上、ハイパワー化のメリットで、なかなか力強いながらも、ジェントルにしつけられている。チューニングしだいで、もっと瞬発力を出せそうだが、あくまでも高級サルーンにふさわしく「控えめ」にしているようだ。

 エンジンの停止~再始動は意識しないとわからないほどスムーズ。市街地を主体に使うなら、出足のアクセルレスポンスがリニアで力強く、扱いやすいハイブリッドに優位性を感じる。WLTCモード燃費は16.5~17.7km/リッターと経済的だ。

 ヴェルファイアのZプレミアに搭載される2.4リッターターボは、279ps/430Nmとハイスペックだけあって、さらに力強い。クラウンRSなどでもすでにその高い性能は何度か味わっているが、車重2トン超の重量級ミニバンとの組み合わせでもパワーは申し分なく、速さを体感できる。踏み込むと伸びやかな吹き上がりを味わえるのが、このエンジンの醍醐味だ。
 それでいて、あまり唐突に強い加速Gが生じるような特性とはされていない。たとえば欧州勢のダウンサイジングターボ車が、中間加速の盛り上がり感を強調するかのようにしているのと比べると、控えめな印象を受ける。最高級ミニバンとして、加速時に頭が揺すられて同乗者に不快な思いをさせないように、との配慮があっての味付けだろう。
 新型は静粛性についても申し分ない。中でもエグゼクティブラウンジは想像以上に静かで感心した。走行中でも1列目と3列目で無理なく話しができるほど会話明瞭度は高い。インフォテイメント系や先進運転支援装備についても最新の機能が満載されていることをお伝えしておこう。

 新型の完成度は驚くほど高い。これなら皆がほしがるのも納得だし、購入した誰もが満足するだろう。ワールドワイドに通用する、最高級サルーン&ミニバンに新たなベンチマークが誕生した。

アルファード主要諸元

グレード=エグゼクティブラウンジ(FF)
価格=THS 850万円
全長×全幅×全高=4995×1850×1935mm
ホイールベース=3000mm
トレッド=フロント:1600/リア:1600mm
車重=2230kg
エンジン=2487cc直4DOHC16V(レギュラー仕様)
最高出力=140kW(190ps)/6000rpm
最大トルク=236Nm(24.1kgm)/4300~4500rpm
モーター最高出力=134kW(182ps)
モーター最大トルク=270Nm(27.5kgm)
WLTCモード燃費=175km/リッター(燃料タンク容量60リッター)
(市街地/郊外/高速道路:15.3/19.0/17.6)
サスペンション=フロント:ストラット/リア:ダブルウィッシュボーン
ブレーキ=フロント:リア:ベンチレーテッドディスク
タイヤ&ホイール=フロント:225/65R17+アルミ
駆動方式=FF
乗車定員=7名
最小回転半径=5.9m

ヴェルファイア主要諸元

グレード=Zプレミア(FF)
価格=8SAT 655万円
全長×全幅×全高=4995×1850×1935mm
ホイールベース=3000mm
トレッド=フロント:1600/リア:1600mm
車重=2180kg
エンジン=2393cc直4DOHC16Vターボ(プレミアム仕様)
最高出力=205kW(279ps)/6000rpm
最大トルク=430Nm(43.8kgm)/1700~3600rpm
WLTCモード燃費=10.3km/リッター(燃料タンク容量75リッター)
(市街地/郊外/高速道路:7.1/10.6/12.6)
サスペンション=フロント:ストラット/リア:ダブルウィッシュボーン
ブレーキ=フロント:リア:ベンチレーテッドディスク
タイヤ&ホイール=フロント:225/55R19+アルミ
駆動方式=FF
乗車定員=7名
最小回転半径=5.9m

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みんなのコメント

6件
  • moe
    俺たちのような土曜日にトヨタの悪口をネットに書き込むことしかやることが無いような友達も恋人もいない童貞貧乏がどれだけトヨタを口撃してもリア充富裕層にはトヨタ、レクサスが大人気なんだから悔しいよな。
  • ********
    確かに日本独自?のミニバンに意外と世界が気が付いて無いかもね。
    自動車評論家の無謀な運転で良し悪しを判断するような性格の車でも無いし
    あのメルセデスも動かしたんだから
    LMみたいなショーファーカーも世界で増えてくる可能性も高い。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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