物議を醸しているマクラーレンの”ミニDRS”リヤウイングの合法性について、FIAが介入しチームに変更を要求しているが、フェラーリのフレデリック・バスール代表は白黒つけられる問題だったと考えている。
先週のアゼルバイジャンGPでオスカー・ピアストリがドライブしたマクラーレンMCL38のオンボード映像から、リヤウイングの上部フラップがたわんでスロットギャップ(メインプレーンとフラップの隙間)が広がることで、空気抵抗を減らしてトップスピードを向上させていることが明らかになっていた。
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このウイングは静止状態での荷重テストには合格していたものの、FIAによるデザイン分析の結果、ウイングの挙動がレギュレーションに適合していないと判断。FIAはシンガポールGPの金曜日に、チームに修正を求めたという。
マクラーレンはその後、この要請に同意し、変更を加えることを確認した。
マクラーレンのリヤウイングがたわむという問題はアゼルバイジャンGPで発覚し、ここ数日の間に物議を醸したものだが、元はと言えば、フレキシブル・フロントウイングをめぐるシーズン中の論争に端を発している。
しかしフェラーリのバスール代表は、チームがリヤウイングを曲げることは、レギュレーションや関連する技術指令(TD)の勧告に照らし合わせると、まったく別の話だと言う。
「フロントウイングで起こったこととリヤウイングで起こったことの間には、ある種の混乱があると思う」とバスール代表はシンガポールで語った。
「フロントウイングについては、TDの最初の段落に『変形を意図してクルマの一部を設計することはできない』と書かれているため、グレーゾーンになる可能性があることに我々は同意している。意図を管理するのは難しい」
「しかしリヤウイングは全く違う話だ。それはたわみの最大値も定められているからだ。これは白か黒かの問題だ。グレーでもダークグレーでもライトグレーでもない。私にとっては明確なことだ」
リヤウイングの問題がクローズアップされるようになったのはアゼルバイジャンGPの後であり、バスール代表はそれ以前のレースでマクラーレンがこの設計の恩恵を受けていたことにフラストレーションを感じたと語った。
フェラーリの分析によれば、ピアストリとランド・ノリスが2位と3位を獲得したイタリアGPのような低ダウンフォースのコースでも、このウイングが使用されていたという。
「ビデオや写真を見たよ」とバスール代表は付け加えた。
「モンツァの状況を思い返すと、少しフラストレーションを感じるよ。100分の2秒(実際は0.075秒)差で5台が並んでいたんだから」
「100分の2秒の差で1、2番手から5、6番手になってしまうんだ。バクーでは、ターン1で10周連続でサイド・バイ・サイドになった。フラストレーションが溜まっているのは想像できると思う」
マクラーレンのリヤウイングへの注目がここ数日で高まる中、バクーでフェラーリがマクラーレンのリヤウイングについて抗議していた可能性はあっただろう。そのような動きが選択肢にあったかどうか尋ねられたバスール代表は、次のように答えた。
「可能性はあったかもしれないが、(必要な)証拠を揃えるのはそう簡単ではないよ」
「でも今は、正直なところ未来に集中したいので、このページを閉じたい。バクーとモンツァは終わったし、まだ7レース残っている。今週末は勝たなければならないし、それが我々にできる最高の返答になるだろう」
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