4+とSUV+の後継となるプレミアムコンフォートタイヤ
日本ミシュランタイヤが、新製品のプライマシー5を発売した。静粛性に優れ、上質で快適な乗り心地を提供するとしたプレミアムコンフォートタイヤだ。従来のこのクラスはセダンやハッチバック、ミニバンを主体とした設計のプライマシー4+と、SUV/クロスオーバーに特化したプライマシーSUV+を設定していたが、プライマシー5はこの2モデルの後継に位置付けられる。
今回、既存2モデルの後継を統合した理由について、ミシュランではプライマシーシリーズの想定する購入者層と、SUVオーナーとのニーズの一致を挙げた。調査によれば、優先順位は多少異なるものの、いずれも『乗り心地』、『濡れた路面でのグリップ』、『静粛性』、『低燃費性能』が上位4つを占め、以下も重複するものが続く。そこで1銘柄に集約し、販売店が在庫しやすく、ユーザーが商品選択しやすくなるというメリットを追求した。
むろん、これを可能にするためには技術的な進歩が求められる。SUVは同等セグメントのセダンやハッチバックより重量がかさみがちだが、ミシュランではサイズごとにSUVの高荷重に必要な設計を盛り込み、対策しているという。
性能面では、JATMAウエットラベリングで最高グレードのaを取得。また従来品のプライマシー4+に対し、耐摩耗性能は約30%、摩耗状態でのウエットブレーキング性能は約2.4%、それぞれ向上。静粛性能は、定評のあったプライマシー4+と同等、転がり抵抗は約7%軽減しているという。これらは、さまざまな採用技術が複合的に作用した結果だ。
走行性能と快適性を高める新技術の数々
ウエット性能に効くのが『ロングラスティングスカルプチャー』と銘打ったトレッドパターン。まず、ショルダー部の縦溝の幅を広げ、排水性能を向上。次に、太い縦溝と細い横溝を組み合わせてブロックのエッジ数を増やし、静粛性を損なわずに排水性能と、グリップ力を生むエッジ効果を高めた。また、溝の体積が、新品時も摩耗時もプライマシー4+より10%以上増加しており、ウエット性能の持続性を生んでいる。トレッドコンパウンドには、ウエットグリップや転がり抵抗、耐摩耗性のバランスを高める新世代合成ゴムの『ファンクショナルエラストマー3.0』を使用した。
プライマシーシリーズの静粛性を支える『サイレントリブテクノロジー』は、周方向のどの部分を取っても溝の面積が近くなるよう設計し、吐出される空気の体積を一定にして、空気の振動のばらつきを抑える技術だ。プライマシー5では、第3世代の『サイレントリブ・ジェン−3』に進化。3本のセンターリブに配置されている横溝の両端が、縦の主溝に接続する部分の角度を最適化したことで、ブロックエッジ部の剛性を高め、ブロックの振動を抑制。ノイズを軽減するとともに、耐摩耗性も向上した。
さらにタイヤが持つポテンシャルを引き出すため、トレッド面のより均一な接地圧分布を実現するのが『マックスタッチコンストラクション』。最適化した内部構造により、タイヤの大きな負荷がかかる加減速時や旋回時にも接地面が安定。偏摩耗の抑制にも効果を発揮する。
プレミアムな見た目にもこだわり
ミシュランといえば、さまざまなサイズのブロックを組み合わせ、人間の耳に不快な周波数の音を低減する『バリアブルピッチ』を長年にわたり採用しているが、今回はその改良を実施した。静粛性向上という従来の目的に加え、タイヤの成型工程である加硫の際にゴムの流れをコントロールするよう溝の量と配置を最適化し、真円度も高めている。
見た目の高級感にもこだわり、深みのある黒さとベルベットのような手触りをもたらす『プレミアムタッチ』の採用範囲を先代モデルより拡大。これはサイドウォールのデザインを0.1mm単位まで調整し、光の反射量を減らすもの。光の吸収率が98%という漆黒を背景に、ミシュランマンのスマイルもくっきりと浮かび上がる。
サイズは全42サイズを展開。内径は16~20インチ、幅は195~255、扁平率は40~65の設定で、価格はオープン。販売は、3月1日から順次開始となる予定だ。
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