2024年のF1はさらなる混戦模様に？ アストンマーチン、マシン性能の“収斂”で「素晴らしい年になるはず」

　2023年シーズンのF1はレッドブルとマックス・フェルスタッペンが圧倒的な強さを見せた。しかし現行グラウンドエフェクトレギュレーション導入3年目となる2024年シーズンには、上位チームがより接近することになると予想していることを、アストンマーチンでパフォーマンスディレクターを務めるトム・マッカローは示唆した。

　マッカローは予選Q3に8チームが食い込んだ今年の最終戦アブダビGPの勢力図が、今後のF1を示していると考えているのだ。

「トップ10に8チームが入ったという事実と、予選の接近戦ぶりを見れば、驚異的なことだ。そう思わないか？」

　マッカローはそう語った。

「レギュレーションが安定すると、常に収斂という要素がある」

「今年、いくつかのチームが素晴らしい成長を遂げたが、彼らは同時にスタートが悪かったと認めるはずだ。だから来年は、このスポーツにとって素晴らしい年になると思う」

「コースサイドでの作業が重要になると思うし、その差はそれほど大きくないと思う」

「しかしどのチームも、サーキットでアドバンテージを引き出すために、他チームより10～20ポイント（ダウンフォースを）増やそうとしている」

　2022年はコンストラクターズランキング7位に終わったアストンマーチンだったが、2023年シーズン開幕時点ではレッドブルに次ぐ速さで、表彰台争いの常連となるまでの成長を見せた。

　結果としてアストンマーチンはコンストラクターズランキング5位に終わったが、そのような大躍進を繰り返すことは難しいとマッカローは認めた。

「昨シーズンはそれほど強くなかったからこそ、このような大躍進が果たせたのだと思う」とマッカローは言う。

「もし今、同じような躍進を果たせるなら、レッドブルよりずっと前にいることになる。あり得ないけどね！」

「昨年中にマシンを開発し、その年の終わりには4番手チームにかなり接近していた。我々は前に近づいていたのだ。ただ、2022年終盤を見ると、躍進はそれほど大きくなかった」

　そしてマッカローは来季に向けたアストンマーチンの目標として、大きな仕様変更をマシンに施すのではなく、様々なサーキットで戦闘力を発揮できるマシンに仕上げていくことを挙げ、次のように語った。

「全てのサーキットで持ち込み（のセットアップ）から、リヤウイングやフロントウイングを調節するだけで一気に強いマシンを作ろうとしている」

「現時点では、低速域、高速域、空力効率など、コンポーネントを少しずつ変えていく必要がある。だから、イベントごとにいくつかのコンポーネントを変えてきたのだ」

「来年はその必要がないようなマシンにするのが目標で、基礎の力を高めていく」

「コンポーネントを使ったテストや、特定のパーツを使ったサーキットでのテストから学んだことで、マシンの開発に役立つ知識が得られたと思う」