アストンマーティン・レーシング、ハリー・ティンクネルとリチャード・ウェストブルックの加入を発表

2020年のル・マン24時間に3台のヴァンテージGTEを投入

アストンマーティン・レーシングは、耐久レースでの経験豊富な英国人ドライバー、ハリー・ティンクネルとリチャード・ウェストブルックの加入を発表。2020年のル・マン24時間レースに、アストンマーティンは3台のヴァンテージGTEを送り込む予定だ。

耐久レースのスペシャリスト、ウェストブルック

現在44歳のウェストブルックは、デンマーク出身のニック・ティーム、マルコ・ソーレンセンと共に95号車をドライブ。IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権GTLMクラスで複数回優勝、デイトナ24時間レースとセブリング12時間でのクラス優勝、ル・マン24時間の表彰台にも2度上がっている。

「誰であっても、アストンマーティンでレースを戦えることに誇りに感じるはずですが、英国人であればなおさらです。現在、アストンマーティン・レーシングは世界耐久選手権（WEC）をリードしており、最高のエンジニアとメカニックによるエリートチームです。 そして、ヴァンテージGTEは最高の状態にありますし、素晴らしいタイミングでチームに加入できました」と、ウェストブルックはチーム加入に喜びを隠さない。

「以前組んでいたニッキー（ティーム）と一緒に仕事ができることを楽しみにしています。彼とは2014年のニュルブルクリンク24時間レースで一緒にレースを戦いました。仕事への取り組み方、レーシングカーに求めるものが近いことは分かっています。マルコ（ソーレンセン）と一緒に参戦したことはありませんが、ライバルとして戦った時は手強い存在でした。私たちがぴったり合うことは理解していますし、それこそがル・マンのようなレースでは本当に重要です」

ル・マン初参戦でクラス優勝を達成したティンクネル

38歳のティンクネルは、2014年にザイテックZ11SNニッサンでル・マン24時間レースデビューを飾ると、いきなり総合5位・LMP2クラス優勝を達成した経験を持つ。2016年シーズンには、ヨーロッパ・ル・マンシリーズも制覇した。彼はアレックス・リン、マキシム・マーティンとともに、97号車をドライブする。

「今年のル・マンが本当に楽しみです。アレックス（リン）とマックス（マーティン）のチームに加われるなんて、本当に素晴らしいことです。アレックスとはカート時代から同じキャリアを歩んできた友人ですし、マックスのこともよく知っています。きっとダイナミックないいチームになるはずです」と、ティンクネル。

「アストンマーティンに乗ることをいつも夢見てきました。ついに子供の頃から見続けていたブランドのためにレースをすることができます。このチームには偉大な歴史があり、私もその歴史の一部にならなければなりません」

Aston Martin Vantage GTE

アストンマーティン ヴァンテージGTE

WECのシーズン4戦を終えて現在ポイントリーダー

アストンマーティン・レーシングのチーム代表を務めるデイビッド・キングは、ふたりの加入について以下のようにコメントした。

「私たちはル・マン24時間にエントリーする3チームすべてが、競争力を発揮できるようにしたいと考えていました。ハリーとリチャードとの契約は、その大きな一歩となるでしょう。ハリーはあらゆるトップレベルの耐久レースでの経験を持ったドライバーです。過去4年間、ライバルチームのドライバーとしてWECを戦ってきたので、彼の素晴らしさを誰よりも知っています。そしてリチャードもGTレースにおいてトップの実績を持っています。そのスピードと経験はチーム参加初年度から発揮されると信じています」

「アストンマーティンは、昨年のル・マンで厳しい戦いを強いられました。2017年に獲得した勝利の感覚を取り戻すことが、今年のターゲットになります。WECでは開幕から4戦を終えて、現在ポイントリーダーです。このペースを維持し、ル・マン24時間という最高のフィナーレでチャンスを掴みたいと考えています」

2019-2020年シーズンのWEC GTクラスにおいて、ティームとソーレンセンのコンビが、第2戦富士と第4戦バーレンで2勝を獲得。ドライバーズ選手権、マニュファクチャラーズ選手権ともに首位でシーズンを折り返した。ル・マン24時間レースは最終戦として6月13～14日に開催される。また、3台目となる98号車のヴァンテージはポール・ダッラ・ラナ、ダレン・ターナー、ルス・ガンの3人がドライブする。