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【最新モデル試乗】クルマ好き期待のマツダCX-60。公道走行でわかった直6ディーゼル・マイルドHVの実力

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【最新モデル試乗】クルマ好き期待のマツダCX-60。公道走行でわかった直6ディーゼル・マイルドHVの実力

受注好調。直6ディーゼルHVが一番人気

 そういえば、と思い数えてみると、筆者はこれまでの25台の愛車歴のうち、車高の低いクルマが大半だが、直6のFR車を実に10台も所有していた。筆者と同じように、「直6」と「FR」というキーワードに反応して、CX-60のことが気になっている人は大勢いることだろう。
 CX-60についてはこれまでテストコースでプロトタイプをドライブしたり、事前説明の場で実車に触れる機会があった。だが、公道を走るのは初めて。いよいよそのときが訪れた。

【最新SUV研究】もはや BMWを超えた!? マツダCX-60のドライビング・エンターテインメント性能を実感

 4種類のパワートレーンが揃う計画が明らかにされているが、今回ドライブしたのはディーゼル+マイルドハイブリッドのe-SKYACTIV Dで、グレード名はXD-HYBRIDとなる。
 7月末時点の受注は6400台で、構成比はPHEVが5%、XD-HYBRIDが45%、XDが36%、ガソリンの25Sが14%と、予想どおりXD-HYBRIDが最も多く、4WDの比率は61%を占める。
 年齢層は、40代(27%)を頂点とするゆるやかな山型となっていて、けっして安くないクルマながら20代以下が14%にも達しているというから驚いた。

 試乗車は、最量販のXD-HYBRIDのグレード名に「プレミアム~」が付く上級モデルのプレミアム・モダンとプレミアム・スポーツの4WDだ。
 車両重量はともに1940kgで、車検証によると前軸重が1060kg、後軸重が880kgとFFよりもいくぶん前後配分が均等に近い。
 外見はまさしくプレミアム。どちらもブラックメタリック塗装(プレミアムモダンは切削加工)の20インチホイールを履き、存在感は際立っている。

 インテリアも質感は非常に高いことを再確認した。プレミアムモダンはダッシュ回りの新感覚の表現が興味深く、プレミアムスポーツは印象的なタンカラーのインテリアが目を引く。500万円台半ばでこれほどのクオリティ感を実現するとはたいしたものだ。
 公道に出る前に、独自の新機能、自動ドライビングポジションガイドとシースルービューを試した。運転に不慣れなユーザーにも、こうしたサポートあると何かと助かるのはいうまでもない。ガイドに従いドライビングポジションを合わせると、初めて乗るのにすぐに馴染めてしっくりくるのは、最近のマツダ車のお約束だ。

直6のサウンドとスムーズさに心が躍った。8速ATも好印象

 いざ走り出せば、直6ならではサウンドとスムーズな吹き上がりにニンマリ。SKYACTIVで直6ならディーゼルでも美味なものとなることがよくわかった。エンジンの存在をあえて感じさせるように味付けされていて、思わずアクセルペダルを踏みたくなってしまう。5200rpmからレッド表示になる。実際に回るのは4700~4800rpmだが、物足りなさは感じない。
 マイルドハイブリッドの強みで、発進はスムーズかつレスポンスもリニアで乗りやすい。アイドリング時の振動は少々気になったのだが、マイルドハイブリッドのおかげでアイドリングストップ後の再始動も静かでスムーズだ。

 プロトタイプの試乗会では3.3リッターとしては物足りないという意見もあった。確かに性能重視のディーゼルのように下からドンとくる印象ではないものの、今回はとくに不満は感じなかった。実際、最大トルクが550Nmに達している。それでいて燃費公表値は1.8リッターのCX-3や2.2リッターのCX-5のXDを大幅に上回っており、効率のための排気量拡大というマツダの説明どおりと考えると納得できる。

 トルコンレスの8速ATもダイレクト感があり、これまでの6速より2速も増えてステップ比がよくなったおかげで、よりスムーズに走れる。駐車のときにギクシャクするのではと危惧していたが、滑らかな動きで安心した。

 一方でシャシーの仕上がりについては、やや期待したほどではない面も見受けられた。普通に走るぶんには、思ったよりもリアの乗り心地が硬いかな程度で、それほど悪く感じなかった。だが、荒れた路面を通過したときやワインディングを攻めぎみに走ったときの動きには、煮詰められていないように感じられたのは否めない。
 KPCやピロ足も効いてリアの安定感はまずまずだった半面、全体的に大味で、プロトタイプに乗って感じたよさとは少々異なる印象を受けたのが正直なところだ。

 おそらく開発陣が意図したことがまだ上手く表現できていないと思う。プラットフォームを刷新して満足に仕上げるというのは、やはりそれなりに難しい作業のようだ。ただし、マツダがこのクルマをどのようにしたかったのか、目指しているものはうかがえた。
 いい形となるにはもう少し時間を要しそうだが、期待して待つことにしたい。

マツダCX-60 主要装備

グレード=XDハイブリッド・プレミアムモダン
価格=8SAT 547万2500円
全長×全幅×全高=4740×1890×1685mm
ホイールベース=2870mm
トレッド=フロント:1640/リア:1645mm
最低地上高=180mm
車重=1940kg
エンジン=3287cc直6DOHC24Vディーゼルターボ(軽油仕様)
最高出力=187kW(254ps)/3750rpm
最大トルク Nm(kgm)/rpm=550Nm(56.1kgm)/1500~2400rpm
モーター最高出力=12kW(16.3ps)/900rpm
モーター最大トルク=153Nm(15.6kgm)/200rpm
WLTCモード燃費=21.0km/リッター(燃料タンク容量58リッター)
(WLTC市街地/郊外/高速道路:18.0/21.2/22.4km/リッター)
サスペンション=フロント:ダブルウィッシュボーン/リア:マルチリンク
ブレーキ=前後ベンチレーテッドディスク
タイヤ&ホイール=235/50R20+アルミ
駆動方式=4WD
乗車定員=5名
最小回転半径=5.4m

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