2020年シーズン限りでの引退を明言していたWRC世界ラリー選手権6連覇王者のセバスチャン・オジエは、計画を変更し自身のキャリアを2021年まで拡大させたいと語った。このプラン変更はラリー界から高く評価されているようだ。
フォルクスワーゲンで4年連続チャンピオン。2017年のMスポーツ・フォード移籍後にさらに2連覇を成し遂げ、都合6連覇達成という輝かしいキャリアを持つオジエは今シーズン、TOYOTA GAZOO Racing WRTに移籍するとともに2020年限りでのWRC引退を明らかにしていた。
しかし、2020年シーズンは新型コロナウイルス感染症の世界的流行の影響で選手権のカレンダーが大きく変更されるだけでなく、開催ラウンド数の減少ならびに規模の縮小を余儀なくされている。
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第3戦メキシコで今季初優勝を挙げているオジエは、このような状況は引退するシーズンにふさわしくないと述べ、契約を1年延長するためにトヨタと話し合いを始めていることを明かした。
オジエは「今年は複雑な年となっているため、僕はもう1シーズン戦いたいと考えている。このことについてチームと話し合いを始めた」とWRC公式サイト『WRC.com』に語った。
今シーズン加入した前王者の契約延長について正式な発表は行われていないものの、トヨタチームのトミ・マキネン代表は以前、ヤリスWRCをドライブして選手権リーダーに立っている彼を2021年まで維持したいとの意向を明らかにしている。
■オジエの引退撤回をライバルたちも評価
フランス人王者が2018年まで所属していたMスポーツ・フォードのリッチ・ミルナー代表は、オジエがWRCでのキャリアを延長した場合でも彼はベンチマークを提供し続けるだろうと語った。
「このスポーツにはセブ(セバスチャン・オジエ)のようなドライバーが必要だ」とミルナー代表。
「セブは(トップレベルの)ベンチマーク・パフォーマーだ。彼のようなドライバーに対して結果を出した時、真の成功を得ることを意味する。同時に、スポーツにはできるだけ多くのトップドライバーがいるべきだと考えている。我々が望んでいないのは、たった数人だけが(選手権を)支配することだ」
「私たちは彼と2年間ともに働き、その間に大きな成功を収めた。セブはとてもいい人物でWRCには彼とジュリアン(・イングラシア、オジエのコドライバー)のような選手が必要なんだ」
また、トヨタ最大のライバルであるヒュンダイ・モータースポーツに所属し過去4度、シリーズ2位となっているティエリー・ヌービルも同様の意見だ。ヌービルはWRC.comに対し次のようにコメントしている。
「それは間違いなく選手権にとっても彼にとっても良いことだ。契約を延長するのが正しい決断だろう」
「誰だってこのようなシーズンでキャリアを終えたくないはずだ。また、WRCにはセブのような選手が必要だ。チャンピオンシップにとって非常にポジティブなニュースだよ」
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