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虎視眈々と逆転を狙う予選上位陣。ポール候補だった24号車リアライズ Zはタイヤ選択に苦戦/第6戦GT500予選

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虎視眈々と逆転を狙う予選上位陣。ポール候補だった24号車リアライズ Zはタイヤ選択に苦戦/第6戦GT500予選

 スーパーGT第6戦SUGOの予選は8号車ARTA MUGEN NSX-GTがポールを獲得し、決勝でも当然、優勝候補の筆頭となる。オーバーテイクの難しいSUGOのレースは、アクシデントがなければ予選上位陣が圧倒的に優位。虎視眈々と逆転優勝を狙う上位陣、そして予選で気になったチームにセッション後、聞いた。

 今季のスーパーGTは第2戦から第5戦までは450kmの2ストップ戦略のフォーマットで開催されたが、今回のSUGO戦は300kmの1ピット戦略のレースとなる。決勝の戦略としてはセーフティカー(SC)やFCY(フルコース・イエロー)などのアクシデントの影響を避けるために、ほとんどのチームがミニマム周回数(28周)でのピットインがの濃厚で、戦略的な幅(ピットウインドウ)の選択肢が限られることが予想される。

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 コース幅の狭いSUGOのコースではオーバーテイクも難しいことから、予選上位が圧倒的に優位のなか、8号車にとっては、まずは予選2番手を獲得した23号車MOTUL AUTECH Zが8号車の直接的なライバルになる。

 その23号車は予選Q1を担当した松田次生がトップタイムをマーク。クルマを降りた次生はガッツポーズを見せてスタッフと喜ぶなど、好調な様子を見せた。

「やっぱりQ1でも、トップタイムを獲れると嬉しいですよね」と、予選後に振り返る次生。

 怪我から復帰して3戦目、「やっぱり『ここにいるぞ』というのを見せたかったというのもありますし、いいラップを刻めたというのもあって、ガッツポーズが出ちゃいました(笑)」と、会心のアタックに次生も素直に笑顔を見せた。

 「決勝でもまた、ガッツポーズができるように頑張ります」と、次生が意気込むように、チャンピオンシップを考えると23号車はこのSUGOで大量得点が必要だ。

 23号車は前回の第5戦鈴鹿で暫定2位フィニッシュながら、車検不合格で失格となってしまった。その原因がレース中のタイヤのアクシデントによる車高低下でスキッドブロックが削れてしまったことが明らかになっており、その前戦の悔しさをこのSUGOで果たしたいところだ。

 予選3番手の17号車Astemo NSX-GTでQ2を担当した松下信治もまた、今回の予選とクルマの仕上がりに大きな手応えを感じている。

「アタックは良かったですね。クルマもかなり決まっていて今年で一番いい状態だと思います。朝の走り出しから良くて好調だったのですけど、予選前に雨が降ってきて『あれ!?』って(笑)。Q1で晴れたので、そこは練習走行からクルマをあまり変えずにいきました」と松下。

 17号車はSW58kgで燃料リストリクターが1段階制限が入っている状態だが、「やっぱりセクター3とセクター4、バックストレートとメインストレートがキツいですよね。ポールは届かなかったけど、そこに匹敵するポテンシャルはあると思っています」と、そこまでのハンデとは感じていない様子だ。

 また、4番手となったGRスープラ最上位の39号車DENSO KOBELCO SARD GR Supraにとっては、期待以上の結果となった模様。Q2を担当した中山雄一に予選後に聞く。

「今日はチームとしてQ1を通るというのが第1目標でした。練習走行、専有走行と天候が不安定なところもあったので関口(雄飛)選手がずっと乗って、僕はフリー走行では一度も乗る機会はありませんでした。FCYの時に乗れましたけど、1分14秒台の世界だったので(苦笑)。予選は1分10秒台の争い、SUGOはちょっとミスをしたらすぐに壁なので、恐る恐る行かなきゃ行けない中だったのですけど、その中でなんとかQ1のタイムは更新できました」と中山。

「予選でGRスープラの最上位にはなれたので、なんとかギリギリ及第点かなと思います。アタック自体、大きなミスはなかったですし、終わってみたらもうちょっと行けたなという部分はありますけど、前とはコンマ6秒差なので、順位は変わらなかったかなと思います」と続ける。

 一方、8号車と共にSW軽量組で優勝候補の最右翼の1台と見られていた24号車リアライズコーポレーションADVAN Zは、タイヤ選択の面で苦しい予選となってしまった。予選Q1では平手晃平が担当して4番手で通過したものの、Q2では7番手。Q2を担当した佐々木大樹が振り返る。

「ちょっと読みが外れてしまって、タイヤの持ち込みセット数の制限でQ1でアタックした同じタイヤでQ2を行けませんでした。路面コンディションが上がっていく中で、そっち(Q2のタイヤ)ではない方向になってしまった。まずはQ1を突破する方に焦点を合わせていたので、そのタイヤでもいけるかなと思ったのですけど、厳しかったですね」と、佐々木。

「コンディションが良くなると速度域が上がるので、タイヤには剛性でしっかりしたところが重要になるのですけど、その点で足りなくて、タイムを出すのは厳しかったですね」と続ける。

 雨が降ったと思えばすぐにドライアップするなど、不安定なコンディションで行われた今回のSUGOの予選。決勝では予選上位陣が圧倒的に優位ではあるが、SUGOでのレースは荒れる展開が多い。今回も決勝日も天候の変化、そしてアクシデントやトラブルが多くなることが考えられることから、予選上位陣と言えども、決勝に向けては慎重な様子だ。

「決勝はまた、最近のGTはコンディションが読めない。Q2のしっかり感が弱いタイヤでも速い時があるので、決勝ではQ1のタイヤとどっちがいいのかわかりません。ウエイトも軽いですし、SUGOなのでオーバーテイクは難しいですけど、うまくレースをして追い上げたいですね」とは24号車の佐々木。

「最近のGTは予選と決勝でガラッと雰囲気が変わるので、その中でも決勝もいいパフォーマンスが出せるように、今からレースに向けてチームでしっかり話し合っていきたいです。ただ、決勝はホンダとミシュランタイヤがかなり速そうだなと。予選でもちょっとびっくりしました。それでも決勝は荒れる可能性が高いので、何事もなく、作戦でもミスなく生き残ることが大事だと思います」と、慎重な39号車の中山。

 17号車の松下も「SUGOはなかなか抜けないと思うので、作戦といってもそこまで選択肢があるわけでもないですけど、ピット作業、そしてレース後半のペース、そういった部分が鍵になってくると思うので、そこを意識して、決勝は笑って終えられるようにしたいですね」と、決勝への展望を語る。

 ひさびさの300kmのレース、そして1ピット戦略。雨は降るのか、降らないのか、そしてレースは荒れるのか、荒れないのか⎯⎯SUGOの日曜日は、緊張感の高い1日となりそうだ。

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