バーレーン・インターナショナル・サーキットを舞台に、F1 2023年シーズンがキックオフ。開幕戦バーレーンGPの予選では、レッドブルのマックス・フェルスタッペンがポールポジションを獲得した。
現地の時刻は18時00分を回り、砂漠に陽が落ちたバーレーンに予選の時間がやってきた。この前に行なわれたF1フリー走行3回目から大きくコンディションは変化し、気温24度、路面温度は29度となった。
■下位に沈んだサインツJr.、歯車が噛み合わず「クルマがテストの時みたいに反応してくれない」
今回の予選は、同地で行なわれたプレシーズンテストやグランプリ週末ここまでのフリー走行で速さの片鱗を見せてきたアストンマーチンの実力が”本物”なのか、そして昨年のチャンピオンチームであるレッドブルとのパフォーマンス差がどれくらいのモノなのか……今後のシーズンの展開を占う上でも大きな注目を集めるセッションだった。
まずトップ15台が突破する18分間の予選Q1では、序盤にシャルル・ルクレール(フェラーリ)がミディアムタイヤで走行を開始したもののマシンの空力パーツが破損。コース上にデブリが落下したことで赤旗が提示された。
赤旗は残り12分というところで解除され、ここまでコース上に姿を現していなかったドライバーも、ピットオープンと共に走行を開始。セッション再開後は全車がソフトタイヤを履いた。
まず、フェルスタッペンが1分31秒295というターゲットタイムを出すも、アストンマーチンのフェルナンド・アロンソが0.137秒上回りトップへ浮上。しかし、続いてアタックを行なったルクレール、ジョージ・ラッセル(メルセデス)、カルロス・サインツJr.(フェラーリ)がふたりを交わし、最初の計測ではサインツJr.が1分30秒993で一番時計。Q1から4チームがタイムを出し合った。
Q1は残り4分を切ると、Q2進出の当落線上にいる中団グループのドライバーから再びコースイン。実質的に2回目のアタックとなるこの走行では、Q1進出が確実視される上位勢には手持ちタイヤをセーブすべくユーズドのソフトタイヤを投入するドライバーもいた。
アストンマーチンのもうひとり、ランス・ストロールはトラックリミット違反により最初のアタックではタイム抹消にあっていたが、Q1最後のアタックで1分31秒184をマークしてチームメイトの後ろ5番手に。ストロールの後ろには2019年以来のフル参戦となるニコ・ヒュルケンベルグが驚きの6番手タイムを記録した。
アルファタウリは、角田裕毅が8番手タイムとなる1分31秒400を記録してQ2に駒を進めた一方で、今年初のF1フル参戦を果たすニック・デ・フリーズが19番手。その他のルーキー勢も軒並みQ1で姿を消すこととなった。なおルーキー、ローガン・サージェント(ウイリアムズ)は15番手のランド・ノリス(マクラーレン)と1分31秒652で並んだものの、先にタイムを出したドライバーが優位のため惜しくもQ2進出を逃した。
Q2では開始から3分が経過したところから各ドライバーが走行を開始。角田をはじめ新品ソフトタイヤが手持ちにないドライバーはユーズドタイヤを履いた。
Q2はストロールからタイム計測を開始し、まずはベンチマークとなる1分32秒305を記録。そのタイムをメルセデス勢やアロンソらが上回っていった。しかしフェルスタッペンは王者の存在感を見せつけるが如く全セクターで全体ベストを記録し、1分30秒503でタイムシートのトップに浮上。チームメイトのペレスがこれに続いて、レッドブルがワンツーとなった。
ウイリアムズのアレクサンダー・アルボンがアタックのタイミングをずらし、コース上でひとりタイム計測を行なう中、他14名のドライバーは一度ガレージにマシンを戻した。
最終アタックにはそのアルボンとQ3進出が確実なレッドブル勢を除き、12台がコース上へ。その中でルクレールが1分30秒282でトップタイムを更新し、フェルスタッペンとペレスの間にメルセデス勢やサインツJr.、アロンソが入った。
トレーニング中の事故により怪我を負っての参戦となったストロールも10番手に入り、フェラーリ、レッドブル、メルセデス、アストンマーチンの4チームが2台揃ってQ3に駒を進めた。
Q3進出の残り2枠はヒュルケンベルグとエステバン・オコン(アルピーヌ)が掴み取った。11番手ノリス以下、アルファロメオ勢と角田、アルボンがここで敗退となった。
ポールポジションを決める12分間のQ3が開始されると、レッドブル勢とフェラーリ勢、そしてストロールの5名がまずはタイムアタックを開始。フェルスタッペンは1分29秒897でルクレールに0.103秒差を付けてトップに。ルクレールが2番手、ペレスが3番手で続いた。
タイム計測のタイミングをずらしたアロンソは自己ベストとなる1分30秒336を記録したものの、トップ3に及ばず4番手となり、一足先に予選を終えた。
残り時間が少なくなる中、最終アタックを行なったフェルスタッペンは1分29秒708をマークして、自身のトップタイムをさらに更新。ペレスも1分29秒846とタイムアップを果たし、0.138秒差の2番手。レッドブルとしては開幕戦の予選でフロントロウ独占となった。
3番手には最後タイム計測を行なわなかったルクレール。4番手にはサインツJr.と2列目にフェラーリのふたりが並んだ。
ダークホースと呼ばれてきたアストンマーチンのアロンソは結果5番手。レッドブルらとのポールポジション争いには届かなかったが、メルセデスの2台を上回るなどビッグチームに匹敵するパフォーマンスを手にしていることは確実のようだ。
ストロールが8番手、オコンが9番手、トラックリミット違反によってタイムを出すことができなかったヒュルケンベルグが10番手となった。
昨シーズンから新技術規定が導入されたF1。新規定2年目となる2023年シーズンでは、アストンマーチンが上位争いに加わり、中団グループは群雄割拠の様相を呈している。チームの勢力図に大きなうねりが起こる中で、今年最初のグランプリウィナーとなるのは誰か……決勝レースは日本時間3月6日(月)00時00分にスタートを迎える。
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