F1サウジアラビアGPでカルロス・サインツJr.の代役を務め印象的なパフォーマンスを見せたが、フェラーリのフレデリック・バスール代表は今はF2に集中し、ハースからF1のFP1に参加する中で最大限の力を発揮するべきだと語った。
ベアマンがいきなり素晴らしい走りを見せたことで、彼が将来F1デビューするのは確実だと見る向きもある。
■フェラーリF1代表、F1デビュー戦をミスなく終えた新人ベアマンを絶賛「もはや非現実的。感心したよ」
しかしフェラーリはシャルル・ルクレールとの契約を延長し、2025年にはメルセデスからルイス・ハミルトンが複数年契約で移籍するため、当面シートが空くことはないだろう。
フェラーリのシートが空くまで、ベアマンを他チームからF1デビューさせる可能性もある。ハースはその候補であることは明らかだが、小松礼雄チーム代表はケビン・マグヌッセンとニコ・ヒュルケンベルグのコンビに満足していると強調している。
ベアマンがイギリス人ドライバーとして、フェラーリでのハミルトンの足跡をたどる可能性はあるかと尋ねられたバスール代表は、ハミルトンがまだそのスタートラインにすら立っていないことを考えると、そのようなことを考えるのは時期尚早だと明言した。
「ルイス・ハミルトンの後について話し始めないでくれ。ルイスはまだチームにいないんだ!」
ベアマンのチャンスについて尋ねられ、バスール代表はそう語った。
「だがオリー(ベアマン)にとっては重要なマイルストーンになることは間違いない。メルボルンとイモラで、彼はF2プロジェクトに復帰する。オリーにとって最も重要な挑戦はこれだ」
「彼はまもなくハースでFP1セッションを開始する。これは彼にF1マシンでの経験を積ませ、走行距離を稼ぐうえでも重要なことだ。しかし、この1戦(サウジアラビアGP)で彼はすでに結果を手にしていることは確かだ」
ベアマンはエミリア・ロマーニャGP、スペインGP、イギリスGP、ハンガリーGP、メキシコシティGP、アブダビGPでFP1を走る予定だ。チームに義務付けられているルーキーのFP1起用義務は年2回であり、ベアマンはそれ以上に多くのFP1を走る予定なのだ。
バスール代表はベアマンが学び続け、改善を示さなければならないと強調した。
「ジェッダはひとつのステップであって、最終目標ではないと考えるべきだ」
「今回はうまくいったが、今後のF2では別のチャレンジが待っている。彼はシーズン中に我々とハースで何度かFP1を走るだろうし、私を含め6ヵ月後にはもうジェッダの話はしない。メキシコのこと、ブラジルのこと、そして彼がうまくいっているかどうかの話をするんだ」
「毎日が新しいチャレンジになるだろう。でも、彼が今日と同じようなアプローチを続けているのなら、きっとうまくいくだろう」
ベアマンがサウジアラビアGPでドライブすることになったのは、自身がF2で多忙だったにもかかわらず、フェラーリのリザーブドライバーに指名されていたからだ。これは次戦オーストラリアGPも同様だ。
フェラーリはアントニオ・ジョビナッツィとロバート・シュバルツマンもF1リザーブドライバーに任命している。しかしF1が年間24戦という過密な日程となっていること、ジョビナッツィとシュバルツマンがWECを戦っており、マラネロでのシミュレータ業務が必要なことから、リザーブドライバーの役割を分担しているのだ。
つまりマラネロから駆けつけることが難しく、F2でベアマンが現地にいるレースでは、ベアマンがリザーブドライバーを務めるのが理にかなっているのだ。
motorsport.comの取材に応じたバスール代表は、リザーブについて「私はこの決断を冬に下した」と答えた。
「昨年、アントニオがLMHのプログラムと並行して22戦や24戦のリザーブをこなしていたのは少し愚かだったからだ」
「LMHは我々にとってとても重要だ。大きな挑戦なんだ。アントニオやシュバルツマンに、(WEC開幕戦)カタールの翌週に我々に帯同して移動してF1を走ったり、間にレースをはさんだりするようなことは頼みたくない」
「だから、オリーが僕らと一緒にいるときはリザーブで、いないときはシミュレーションに参加することにしたんだ」
ジョビナッツィが今季初めてリザーブドライバーとしてチームに帯同するのは、第4戦日本GPになる予定だ。
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