現在位置: carview! > ニュース > スポーツ > ルノーのF1パワーユニット拠点スタッフ、撤退の方針に“裏切り”と猛反発。次世代エンジンは順調とも主張

ここから本文です

ルノーのF1パワーユニット拠点スタッフ、撤退の方針に“裏切り”と猛反発。次世代エンジンは順調とも主張

掲載
ルノーのF1パワーユニット拠点スタッフ、撤退の方針に“裏切り”と猛反発。次世代エンジンは順調とも主張

 ルノーのF1用パワーユニット(PU)開発拠点であるヴィリー-シャティヨンの従業員達は、次期F1用PU開発断念を検討している会社側に対して、再考を要求する声明を発表した。

 2024年シーズンも苦戦が続くアルピーヌ。ルノーはF1事業の撤退も噂されていたが、2026年以降に導入される次期パワーユニット開発を諦め、カスタマーとして他メーカーのPUを使用する方向へ舵を切ったと見られている。

■フェルスタッペン、来季メルセデスF1入りの路線は消滅。夏休み中に協議とウルフ代表明かす「可能性はゼロじゃなかった」

 PU、そしてヴィリーについての最終的な決定は9月末に下される予定で、すでにルノーによってファクトリーのスタッフを新技術開発へと移管させることへ焦点をあてた調査をスタートさせている。

 しかし、ファクトリーの従業員達からは反発が生まれている。

 ヴィリーのアルピーヌ従業員社会経済協議会は声明を発表し、2026年のエンジンが示している技術的な良い兆候は、ルノーがこのプロジェクトを続けるのに十分なモノだと主張した。声明の中で、彼らは次のように記している。

「当グループの経営陣はヴィリー-シャティヨンの2026年プログラムを停止し、おそらくメルセデスからのエンジン供給を選択すると見られている」

「挙げられている理由は、開発コストを1億2000万ドル(約173億円)から、(カスタマーPUのコストである)1700万ドル(約24億円)へと交換できるという、直接的な節約だ」

「我々はヴィリー-シャティヨンというエリート組織を潰し、メルセデス製のPUをアルピーヌF1の心臓部に搭載することで、そのDNAと伝説を裏切ることが、何故正当化されるのか理解できない」

「F1用のフランス製PUの製造と開発の終了という発表は理解できないものだ」

「アルピーヌそしてルノーグループが自らのイメージに傷をつけることを、我々は認められない。だからこそ、我々は(CEOのルカ)デ・メオ、そして取締役会にこの決定を撤回することを求める」

 従業員らの声明は非常に長いものとなっているが、その中で注目されるのは次世代PUの初期テストは優れたポテンシャルを示しているという点だろう。

「100以上の大変革をもたらすコンセプトが研究され、そのうちの3分1以上がテストベンチでしっかりとしたパフォーマンスを示していた。これは将来のアルピーヌエンジンであるAR26に導入される予定だ」

「目標はアルピーヌの2026年エンジンを、プロジェクト開始から1年半の2024年上半期末にスタートさせることにあった」

「2024年6月26日、AR26の最初のファクトリー仕様に与えられた名前となるRE26Aが、ヴィリー-シャティヨンのエンジンベンチNo.6で最初に始動された。そして、目標期限の面で成功を納めた」

「この最初のエンジンでは、以前システムベンチで検討されたパフォーマンスコンセプトの3分の1がまだ載せられていないが、2024年末までの導入を検討している。しかしながら、最初のテストの結果は有望なものだった」

 声明によるとエンジンは最初の数時間で400kwの出力を超えていて、これは2026年の開幕戦に向けて定められていた性能目標に近いものだったという。熱効率は48%で、信頼性に大きな問題もなかったとされている。

 さらにこのテストエンジンは、アルピーヌが現在使用しているPUよりも12%短くなっており、シャシーとの統合を改善するための大きな余地があるとされている。加えて、レギュレーションで定められた最低重量も下回っているため、アルピーヌはバラストも活用することができる。

 声明はこう続けている。

「RE26Aはヴィリー-シャティヨンの全チームにとっての素晴らしい成功であり、開始から1年半を経てアルピーヌF1チームの野心を高める明らかな可能性を秘めたよくできたエンジンだ」

 なおルノーはPU開発から手を引いたあとは、現在のスタッフたちを水素技術などを含む新しいプロジェクトに移すことを約束しているが、従業員側はこれを意味のないモノだと切り捨てた。

「9月30日に最終的に承認されるはずの現場の転換計画は、アルピーヌレーシングが主導する他のプロジェクト(耐久、フォーミュラE、カスタマー競技、ハイパーカーの水素エンジンなど)へとリソースを移行させるか、大量生産に役立つと思われるが現時点では明確ではない革新的なプロジェクトへエンジニアリングを再分類することになっている」

「現在の自動車産業におけるイノベーションは、バッテリー化学と工業化、そして”ソフトウェアで機能や性能が決まる車両”や、自動運転に重点が置かれている。ヴィリーのスタッフのスキルは、これらのテーマとは関係がない」

 アルピーヌはこの件に関してコメントを控えているものの、ヴィリーの従業員代表は今後計画されているプロジェクトに関して専門知識を求める権利を行使したと理解されている。なおそのフィードバックは9月30日に行なわれる予定だ。

 なおヴィリーの変革プロジェクトについては、まだ最終的な決断は下されていない。

こんな記事も読まれています

三菱「新型パジェロ」いつ登場!? 伝説の「3列SUV」6年ぶり復活へ? 超タフ顔で2025年デビューに期待大!
三菱「新型パジェロ」いつ登場!? 伝説の「3列SUV」6年ぶり復活へ? 超タフ顔で2025年デビューに期待大!
くるまのニュース
二人暮らしができる便利な車! トヨタ ハイエースがベースのキャンパー
二人暮らしができる便利な車! トヨタ ハイエースがベースのキャンパー
月刊自家用車WEB
なぜ高級車は「数千万円」もするのか? 製造工程から見る、一般車との決定的な違いとは?
なぜ高級車は「数千万円」もするのか? 製造工程から見る、一般車との決定的な違いとは?
Merkmal
え、また廃止なの!? [新型ソリオ]ストロングハイブリッド終売宣言は大正解!?!?
え、また廃止なの!? [新型ソリオ]ストロングハイブリッド終売宣言は大正解!?!?
ベストカーWeb
まるで[ラリー車]! 三菱 [アウトランダーPHEV]が最高のクルマに進化した件
まるで[ラリー車]! 三菱 [アウトランダーPHEV]が最高のクルマに進化した件
ベストカーWeb
オールトヨタ製になるぞ!!!!!! 新型[スープラ]は新開発の2L直4ターボ+ハイブリッドが濃厚か!?
オールトヨタ製になるぞ!!!!!! 新型[スープラ]は新開発の2L直4ターボ+ハイブリッドが濃厚か!?
ベストカーWeb
全幅1.97mはデカすぎた!? 中身はよかったけど新規市場開拓ならず? 生産終了した[グランエース]に販売現場が思うこと
全幅1.97mはデカすぎた!? 中身はよかったけど新規市場開拓ならず? 生産終了した[グランエース]に販売現場が思うこと
ベストカーWeb
冷静貫徹のサービスパーク/贅沢すぎるデモラン/多くの著名人も来場【ラリージャパン写真日記最終回】
冷静貫徹のサービスパーク/贅沢すぎるデモラン/多くの著名人も来場【ラリージャパン写真日記最終回】
AUTOSPORT web
[発炎筒と発煙筒の違い]知ってた!? 車載するのはどっち!? 意外と知られていない発炎筒の基礎知識
[発炎筒と発煙筒の違い]知ってた!? 車載するのはどっち!? 意外と知られていない発炎筒の基礎知識
ベストカーWeb
96年前のル・マンで優勝したベントレーが東京を走った!「コッパ・ディ東京」に降臨した「オールド・マザー・ガン」とは?
96年前のル・マンで優勝したベントレーが東京を走った!「コッパ・ディ東京」に降臨した「オールド・マザー・ガン」とは?
Auto Messe Web
一番後ろまで段差ゼロ! いすゞの新型路線バス ついに量産開始へ 「市場が待ち望んでいた」モデル
一番後ろまで段差ゼロ! いすゞの新型路線バス ついに量産開始へ 「市場が待ち望んでいた」モデル
乗りものニュース
こちらも“5気筒500PS”級の新型SUVがテスト。週末は連覇王者がポール獲得で僚友が連勝/TC2000第11戦
こちらも“5気筒500PS”級の新型SUVがテスト。週末は連覇王者がポール獲得で僚友が連勝/TC2000第11戦
AUTOSPORT web
新型「GRヤリス」がマフラー交換だけでパワーアップ! 「スーパーターボマフラー/スーパーターボマフラー アーバンマットエディション」がHKSから同時発売
新型「GRヤリス」がマフラー交換だけでパワーアップ! 「スーパーターボマフラー/スーパーターボマフラー アーバンマットエディション」がHKSから同時発売
くるまのニュース
メルセデスAMG、4シーターカブリオレ『CLE』にワイドな専用エクステリアの“53 4MATIC+”を導入
メルセデスAMG、4シーターカブリオレ『CLE』にワイドな専用エクステリアの“53 4MATIC+”を導入
AUTOSPORT web
ニュル「7分37秒」切り アウディRS Q8 パフォーマンスへ試乗 RSシリーズ最強の640ps!
ニュル「7分37秒」切り アウディRS Q8 パフォーマンスへ試乗 RSシリーズ最強の640ps!
AUTOCAR JAPAN
ランボルギーニ「ウラカンGT3 EVO2」を応援する「JLOC AMBASSADOR」を紹介…コスチュームはひと目で分かる大胆トリコローレカラー!
ランボルギーニ「ウラカンGT3 EVO2」を応援する「JLOC AMBASSADOR」を紹介…コスチュームはひと目で分かる大胆トリコローレカラー!
Auto Messe Web
フェルスタッペン「ラスベガスは今季を象徴するような週末」これまでとは異なる価値を実感/チャンピオン会見 (1)
フェルスタッペン「ラスベガスは今季を象徴するような週末」これまでとは異なる価値を実感/チャンピオン会見 (1)
AUTOSPORT web
「厳しいシーズンを団結して戦ったことは誇り」フェルスタッペンも予想外の苦戦。転機はモンツァ/チャンピオン会見 (2)
「厳しいシーズンを団結して戦ったことは誇り」フェルスタッペンも予想外の苦戦。転機はモンツァ/チャンピオン会見 (2)
AUTOSPORT web

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村