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「ぶつかる必要はなかった」「久々にこんなに抜かれた」「地の利はある」GTWCアジア・富士戦を終えた日本勢の声

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「ぶつかる必要はなかった」「久々にこんなに抜かれた」「地の利はある」GTWCアジア・富士戦を終えた日本勢の声

 ファナテック・GTワールドチャレンジ・アジア・パワード・バイ・AWSは7月24日、第3ラウンドの決勝レース2となる第6戦が静岡県の富士スピードウェイで行われた。前半スティントはポールポジションスタートのカーガイ・レーシング777号車がリードしたものの、前戦優勝ハンデの“+15秒”もあってピット後に逆転を許し、代わってトップに立ったトリプルエイトJMRの99号車メルセデスAMG GT3(H.H.プリンス・アブドゥル・ラーマン・イブラヒム/ニック・フォスター)が今季2勝目を飾った。

 多くの陣営が(ドライバー2予選を担当した)プロドライバーでスタートしたレースでは、前半戦を中心に随所で見応えあるバトルも勃発。ここでは、第6戦決勝を戦い終えた日本勢6人のコメントをお届けする。

プロ同士の白熱バトルも。トリプルエイトの99号車メルセデスがレース2を制す/GTワールドチャレンジ・アジア第6戦富士

■藤井誠暢「クロスの隙を作らなければ抜かれない」
 2番手スタートから序盤は単独走行、その後は背後に迫られる展開となったDステーション・レーシング47号車アストンマーティン・バンテージAMR GT3の藤井誠暢。プラス・ウィズ・BMWチーム・スタディの荒聖治とは、2コーナーからコカ・コーラコーナーにかけてポジションを争うなかで接触する場面もあった。

「僕はリヤタイヤが厳しくてトラフィックを作っていましたが、僕がストレートから1コーナーでブロックしているライン、TGRコーナーでクロスさせないラインは、うしろにいる人はタイミングが合わず少しイライラするとは思いますが、僕が前にいるわけで、クロスラインの隙を作らなければ抜かれないとは思っていました」と藤井は荒とのバトルを振り返る。

「立ち上がりで荒選手が押してきて、引くときに引っかけてしまって。荒選手は謝りに来てくれましたし、ペナルティも出ていないのでいいですが、あそこでぶつかる必要はなかったですね。こちらはリヤディフューザーが壊れてしまいましたし」

「富士は抜きどころが決まっていて、TGRコーナーでインを閉めると、左に来る。どの角度でくるかをみているので、クリップで合わせるんです。うしろはアクセルオンのタイミングがズレるのでイラッとしやすい。でもレースですし、テクニックですから」

 その後、ピット作業時にはオフィシャルから破損箇所を修復するよう指示があり、大きく遅れることに。47号車は総合9位でレースを終えた。

■荒聖治「充分戦えるパフォーマンスはある」
 5番グリッドスタートだったプラス・ウィズ・BMWチーム・スタディの荒聖治。レース前半は好ペースを見せ、ポジションを上げていった。

「スタートは、無難にいきました。基本的にみんな同じタイヤなので、同じように性能が落ちてくる。そのときに、僕と後ろのポルシェ(30号車)のペースが結構速くて、前を抜いていくことができました」

 荒はやがて前述のとおり藤井のテールを捉えるが、リヤに接触してしまう。

「藤井(誠暢)選手に接触してしまったのは申し訳なかったです。あのまま(右側に)いたら僕が脱輪してしまうので、行き場がなくなって左に切ったのですが、そこで僕のフロントと向こうのリヤが接触してしまいました」

「こちらもタイヤの落ちはありましたが、(47号車より)少し状況は良かったのだと思います。加速はアストンマーティンが速いですが、ストレートエンドは我々もダウンフォースを削っていたおかげで伸びていたので、そこが順当に狙い目かなと思っていました。また、ああいう加速区間で向こうの立ち上がりが少し悪くなったりしたときに、いけるかなという感じでした」

 その後、山口智英へとバトンタッチするピット作業では、規定の90秒に対してわずかにピットタイム(入口・出口間の所要時間)が足りないというミスを犯してしまい、ペナルティを受けることとなった。

「チームの計算では、少し余裕を持ってやっていたんですが、ちょっと誤差が……」と荒は説明する。

「ただ、充分戦えるパフォーマンスはあることがわかったので、次のSUGO大会でもいいレースができたらいいなと思っています」

■藤波清斗「チームに申し訳ない」
 4番グリッドからスタートしたヨギボー・レーシング27号車フェラーリ488 GT3の藤波清斗。シルバー+シルバーのドライバーコンビに与えられる35kgのウエイトハンデも効いたか、接戦の序盤にポジションを落とす場面が見られた。

「今日はチームに申し訳ない気持ちですね。惨敗です。久々にこんなに抜かれました……」と肩を落とす藤波。

「BoPも厳しくなっていますし、ウエイトも思っていた以上に響いてしまって。ライバルたちもすごく速かったですね。コーナーはあまり変わりませんでしたが、ストレートが厳しかったです。結果的に横溝(直輝)選手に負担をかけてしまったので、そこは反省点ですね。もう少し自分が前の順位で帰ってくることができれば表彰台にいけたかもしれません」

「ただクルマはフリープラクティスから決勝まで、エンジニアさんもひとつひとつやってくれて進化しましたし、良い方向にいっていますが、BoPが下がってしまっているから、良い方向に行っているのが活かせていないです。でもいいパッケージですし、あと3大会頑張りたいですね」

■木村武史&ケイ・コッツォリーノ「BoPが結構効いた」
 前日の第5戦で見事に今季2勝目を挙げ、この第6戦もポールポジションからスタートしたカーガイ・レーシング777号車フェラーリ488 GT3。スタートドライバーを務めたケイ・コッツォリーノは、前戦優勝車両に与えられるピットタイムのハンディキャップ『+15秒』分のマージンを作り出そうと力走した。

「とにかく、めちゃチギろうと思ってました。ただ、ニュータイヤではなくて予選で使った中古タイヤでスタートしたので、意外と引き離せなかった。(2番手の)藤井選手、めちゃくちゃ速かったですね」

 結局、ピットストップ前までに稼ぎ出したマージンは6~7秒と、ハンデを跳ね返すまでには至らなかったが、そのなかでは収穫もあったという。

「スティントの後半もタイヤのグリップがたれなかったし、僕の35分間、常に100%プッシュすることができたので、これはオーバーオールの表彰台行けるだろうなという感触はありましたね」

 コッツォリーノからマシンを引き継いだ木村武史は、15秒のハンデを消化しながらも2番手でコースに復帰。だが、背後から迫ったライバルに先行を許してしまった。

「昨日よりプッシュはしていて、アウトラップでもBMWとポルシェを抑えられたので、これは来るかなと思っていました」と木村。

「ただ、タイヤが中古だったのと、(前日に変更された)BoPが結構効きましたね。オーバープッシュした分、タイヤを滑らせてしまい、それで2台にいかれてしまいました。仮にBMWが(ペナルティがなく)残っていたとしても、今日はBMWとポルシェには敵わなかったと思います」

 3番手でフィニッシュに向けて走っていた木村だったが、最終ラップに向けて背後にヨギボー・レーシングのフェラーリを駆る横溝直輝がじわじわ迫ってきていた。

「(最終コーナー手前で)前にGT4がいたので、アウトから抜くかインから抜くか勝負どころだったんですが、あえて私はインから行って。横溝選手はアウトから行ったのですが、私の方が少し早くアクセルを開けることができ、逃げ切ることができました」

 優勝と3位という好成績で富士ラウンドを終えたカーガイ。見据えるのはもちろん、ジャパンカップのタイトルということになる。

「今回、BoPも苦しい状態にはなったけど、フェラーリは正直、直線の長い富士が一番苦手。そこでダブルポールと優勝ができたということで、チームにとってはすごく自信になりました。今後、BoPがどうなるかは分かりませんが、コーナリングが得意なフェラーリが次以降(SUGO、岡山)かなりいいパフォーマンスが発揮できると信じています」(コッツォリーノ)

■永井宏明「なんとか決勝でいい方向に」
 7番手からスタートした上村優太が序盤からポジションを上げたポルシェセンター岡崎30号車ポルシェ911 GT3 R。ピットウインドウが開く前には首位から約10秒差の5番手だったが、全車がピットを終えると3番手にポジションアップ。さらに5号車BMWが脱落したことにより、2位に順位を上げてフィニッシュしている。

 雨がらみとなった鈴鹿の第3戦に続く2位表彰台となったわけだが、後半を担当した永井宏明は、「今年のルールで、キャンバー角に規制が入りました。それに合わせてクルマを作り込めておらず、フリー走行ではちょっと苦戦していました」と振り返る。

「予選でもまだマシンが決まっていなかったのですが、なんとかこの決勝でいい方向に持ってこられたので、この結果が出ていると思います」

 海外のチーム、ドライバーとレースをするのは「楽しい」と日本を代表するジェントルマンドライバーでもある永井は言う。

「アジアの方たちは経験のないサーキットだと思うので、この先も僕らは“地の利”はあると思います。クルマの方も今回、調整がうまくいきましたので、SUGO、岡山と、うまくアジャストしていければ、チャンスはあると思います」

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