2024年F1第20戦メキシコシティGP、金曜日に行われたふたつのセッションでいずれも3番手と絶好の滑り出しを見せた角田裕毅(RB)。そのペースは土曜日になっても維持された。
現地時間午前11時30分から開始されたフリー走行3回目(FP3)。ミディアムタイヤを履いてコースインした角田は、周回を重ねるごとにタイムをアップ。セッション序盤とはいえ、全車が計測ラップを終えた段階で、この日もトップ3につけた。
2024年F1第20戦メキシコシティGP TV放送&タイムスケジュール
ソフトタイヤを履いてのタイムアタックが始まると、トップチームのドライバーが角田のタイムを更新していったため、最終的に角田のポジションは7番手となったが、それでも予選でQ3に進出できるペースを保っていた。
迎えた予選。Q1を7番手で通過した角田だったが、ここからペースが徐々に鈍くなる。Q2の1回目のアタックを終えた角田は、Q1での自己ベストを上回る1分17秒129をマークするも、「バランスがばらばらだ」と無線で不満を訴えていた。
こうして迎えたQ3進出を賭けた2回目のアタック。セクター1で区間自己ベストを更新できなかった角田はセクター2に突入。この区間では自己ベストを更新し、最後のセクター3に入った。
その最初のブレーキングとなるターン12の進入で、角田の左フロントタイヤが派手にロックアップ。タイヤスモークを上げながらコースアウトすると、激しくバリアにクラッシュした。一見、セクター1での遅れを取り戻そうとブレーキングを遅らせたように思えるが、角田はそれを否定した。
「セクター2では自己ベストを更新できていたので、特にあのブレーキングで攻めていたわけでもありません。とても奇妙なロックアップでした。この週末は一度もフロントブレーキをロックアップさせていなかったから、ロックアップしたときはとても驚きました」と、角田。
セクター1で角田が失ったタイムはわずか0.083秒。セクター2では0.180秒自己ベストを上回っていたので、セクター3を区間自己ベストと同じペースで走っても、角田は0.1秒は自己ベストを更新できていた。その情報はステアリング上のモニターにも示されていたはずなので、角田が言うように必要以上に攻める必要はなかった。
にもかかわらず、角田はブレーキングでロックアップさせた。
続けて、角田は予選をこう振り返る。
「風の影響なのかどうかはわかりませんが、Q1からQ2にかけて、バランスが難しくなっていったのは事実です」
ただし、それはほかのドライバーも同じ。角田もこう言って悔しがった。
「Q2で脱落することになるとは思ってもいませんでした。最高の結果を得るチャンスを台無しにしてしまって、とても残念です」
角田にとって気掛かりなのは、クラッシュしたマシンのダメージ。というのも、今回角田はひとつしかないアップデートされたフロアを搭載しており、もしこれが修復不可能となれば、旧スペックに戻すことになる。それはつまり、パルクフェルメ違反となる。
「もし、新しいフロアが壊れて使えなくなると、ピットレーンスタートとなるので、そうならないことを願います」
今回、RBはアメリカGPで投入した新しいフロアをさらに改良したものをひとつだけメキシコシティGPに持ち込み、それを角田のマシンに搭載していた。もし、クラッシュによってそのフロアが使えずにオースティンのスペックに戻すことになると、パルクフェルメ違反となりピットレーンスタートとなる。
新型フロアが無事あることを祈りたい。
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