1913年に”バムフォード・アンド・マーティン”として創業されたアストンマーチンは、現在もイギリスを代表する高級車メーカーとして知られている。彼らは現在F1にも参戦し、再びレースシーンでの存在感を高めつつある。
そんな彼らの象徴が、一対の翼をモチーフとしたロゴだ。しかしこのアストンマーチンは当初からこの翼のロゴを掲げていたわけではない。彼らは翼をひろげるまで10年以上の時を擁していた。
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今回はアストンマーチンのロゴの変遷を追いかけてみよう。
■1920年
クルマ好き以外の人からすると、このロゴがアストンマーチンのものだと言うことは分からないかもしれない。この『A』と『M』が重なり合ったロゴこそが、アストンマーチンの”オリジン”となるマークだった。
ただこのロゴが使用された期間は短く、新しいオーナーに引き継がれるまでのわずか6年間しか使用されなかった。
■1927年
次のロゴに刷新されたのは、1927年。新オーナーのもと、ロゴには劇的な変化がもたらされた。新ロゴは初めて”アストンマーチン”と言う名称が全て記されたモノとなっており、今に続く翼のイメージを想起させるマークへと変化した。
■1930年
3年という短い間隔で、再びロゴには変更が加わった。ここではロゴがブロンズバッヂからシルバーバッヂへと変更され、文字のスタイルがよりスタイリッシュなものへと変化し、より”V字”感を押し出したモノとなった。
■1932年 翼が登場、大転換
それからわずか2年後、再びアストンマーチンはロゴを変更した。そして、この年に、現在の我々にも広く知られている象徴的な翼のロゴが誕生したのだった。そして、現在に至るまでこの翼とASTON MARTINという文字の組み合わせは基本的に変わっていない。
■1954年
財政ひっ迫により、アストンマーチンは第二次世界大戦終了後に製造業グループ「デイビッド・ブラウン・リミテッド」の傘下に入る形となった。オーナーとなるデイビッド・ブラウンはロゴに社名”David Brown”を追加し、ロゴの主線を太くする微調整も施した。
■1984年
「デイビッド・ブラウン・リミテッド」の傘下に入った後しばらく、アストンマーチンは安定した成長を続け、レースシーンでル・マン24時間レースで優勝するなど活躍してきた。
しかしその親グループが不振に陥ったため、アストンマーチンはグループを離脱。ウィリアム・ウィルソン率いる投資グループ「カンパニー・ディベロップメント」に買収されることになった。
そしてこの新オーナーが行なった最初の大きな変化のひとつが、ロゴから”David Brown”の名を外すことだった。その他の変化としてはロゴの枠線がより太く強調されるようになった。
■2003年
アストンマーチンはその後さらに幾度かの売却を受けながら存続。フォード傘下の2003年にはロゴに微調整が行なわれ、それまでの流れからは一転して線画を補足する変更を受けている。
■2022年
そして2022年、アストンマーチンはロゴに最新のアップデートを行なった。このロゴ変更はBMWや日産、フォルクスワーゲンなどもそうだったように、ロゴのフラット・シンプル化といえるものだった。これによりロゴは線の強弱なども揃えられ、よりミニマムな外観となった。
なお中央のアストンマーチンの文字はグリーンバックにカラーリングが改められており、これは1972年の以来のこととなっている。
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