FIA F3はニューマシンを導入する2025年から3年のサイクルで参戦するチームを発表。イェンツァー・モータースポーツに代わってDAMSがF3にも参戦することを認めた。
DAMSは元F1ドライバーのシャルル・ピックが2022年にチームを買収し、フォーミュラEでの活動を停止してFIA F2を唯一のプロジェクトとして残して以来、初めて複数シリーズで活動を展開することになる。
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DAMSとしては、F1を頂点としたFIAフォーミュラ・シリーズの第3層を戦うのは、GP3シリーズから撤退した2017年以来となる。
1989年にジャン=ポール・ドリオとルネ・アルヌーによって設立されたDAMSは、主にシングルシーターシリーズで活動。2005年にGP2が始まって以来、2017年に同シリーズがF2へと生まれ変わってからも参戦を続け、セルジオ・セッテ・カマラやニコラス・ラティフィとともに2019年のチームチャンピオンに輝いた。
2019年にジャン=ポール・ドリオが亡くなると、以後は息子であるオリヴィエとグレゴリーが共同チームオーナーとなったが、前述のように2022年2月にピックがDAMSを買収しチームの全権を取得していた。
「来シーズンから3年間、F3チームに参戦することが決まり、興奮している」
そうピックは語った。
「すでにF2に参戦している我々にとって、これは論理的なステップであり、この最新の試みは、技術面でドライバーをサポートし、育成するために我々が導入したシステムを使用して、F3プログラムからF2にかけて若手ドライバーを育成できることを意味する」
「F3で最初のシーズンの主な目的は、今年のF2で行なったように、競争力のあるマシンを開発することだ」
「新車の登場とともに選手権をスタートさせるのは、これまで培ってきたノウハウを再利用できる素晴らしいタイミングだ。実績のあるエンジニアと優秀なメカニックを擁する経験豊富なテクニカルチームを編成したので、これからのシーズン、F3で力強いパフォーマンスを発揮し、上位を争うことができると確信している」
DAMS以外の既存9チームは、引き続きF3へ参戦することになる。
2025年に導入される新F3車両は、フロントウイングやリヤウイングの翼端板が湾曲しており、F1やF2の現行車両にも似ている。
新F3車両は「8000rpmで380馬力を発揮するメカクローム特製の3.4リッター6気筒自然吸気エンジン」を搭載し、アラムコが開発する100%持続可能な燃料を使用する。
かつて角田裕毅も所属したイェンツァー・モータースポーツは、今年9月1日のシーズン最終戦モンツァを終えた後、F3からの撤退を発表。チームは撤退の理由について「我々の年齢を考慮した」としているが、新車両への投資も一因だった可能性がある。
F3およびF2のCEOであるブルーノ・ミシェルはDAMSの参戦について次のように語った。
「次の3年サイクルでは、現在の9チームを維持することになった。彼らのプロフェッショナリズムと専門知識は、モータースポーツの最高峰を目指す若いドライバーたちに最高の準備を保証するものだ」
「グリッドを完成させるために、我々はDAMSを選抜チームのリストに加えた。DAMSのことはF2でよく知っている。彼らの血統とパフォーマンスのレベルは、F3に完璧にフィットする」
「最後に、アンドレアス・イェンツァーとイェンツァー・モータースポーツの皆さんに、この場を借りてお礼を申し上げたいと思う」
「彼らはチャンピオンシップに足跡を残した。そして今、新たなチャレンジに集中するという彼らの決断を心から尊重したい」
アンドレアス・イェンツァーが1993年にスイスで立ち上げたイェンツァー・モータースポーツは欧州のミドルフォーミュラを中心に活躍。2010年から始まったGP3、その後身のF3に参戦してきた。
2019年には、角田がイェンツァーからF3に参戦。第7戦モンツァのフィーチャーレースで優勝し、ドライバーズランキング9位を獲得した。2023年にはテイラー・バーナードが勝利を記録しているが、2024年はチャーリー・ブルツ、マックス エスターソン、マティアス ザガゼッタというラインアップでチームランキングは最下位の10位に終わった。
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