鈴鹿もたくさんのドラマが生まれた!
2024年6月2日、鈴鹿サーキットでスーパーGT第3戦の決勝レースが開催されました。3時間の時間制レースを制したのは、GT500クラスが37号車Deloitte TOM’S GR Supra(笹原右京/ジュリアーノ・アレジ)、GT300クラスが777号車D’station Vantage GT3(藤井誠暢/チャーリー・ファグ)でした。今回はGT500クラスのレポートをお届けします。レース終盤にはドラマがありました!
日産「フェアレディZ」が1-2フィニッシュ! SUPER GT第2戦富士GT500クラスは波乱の展開でした
(motorsport.comの記事をもとに再編集しています)
2023年は苦労した37号車がポールポジションを獲得
岡山での開幕戦、富士での第2戦を終え、スーパーGTの舞台は鈴鹿に移った。レースフォーマットは今季2度目となる3時間レース。レース戦略の幅はGT500はとくに狭いと言われるが、決勝レース直前に雨が降り始めたことで、波乱の予感をにわかに漂わせていた。
ただ12時のウォームアップ走行時にはダンプコンディションとなっていたものの、各車がグリッドに整列するタイミングで天候が晴れに変わり、13時30分のレーススタートに向けて路面が急速に乾いていった。その結果、決勝はドライコンディションでのスタートとなった。
GT500のポールポジションは37号車Deloitte TOM’S GR Supra。昨年から苦戦するレースが多かったが、笹原右京とジュリアーノ・アレジの好アタックでついにグリッド最前列を手にした。2番グリッドには16号車ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT、3番グリッドには14号車ENEOS X PRIME GR Supraが続き、日産勢最高は3号車Niterra MOTUL Zの6番グリッドだった。
スタート直後から2位以下の争いが激化
クリーンなスタートとなり、37号車Deloitte TOM’Sの笹原右京がトップでオープニングラップを終えた。16号車ARTAの大津弘樹はスタート直後から笹原にプレッシャーをかけたが、オーバーテイクには至らず。その後大津は14号車ENEOS X PRIME GR Supraの福住仁嶺に迫られる格好となり、5周目のS字でオーバーテイクを許して3番手に落ちた。
2番手に上がった14号車ENEOSはトップを走る37号車Deloitte TOM’Sにひたひたと迫っていった。一方で3番手の16号車ARTAはそこから10秒以上離される形。僚友8号車ARTAとバトルを繰り広げた。さらにそこから11番手の36号車au TOM’S GR Supraまでが大きな集団となり、各所でバトルが展開された。
ルーティンストップで最も早く動いたのは、38号車KeePer CERUMO GR Supraで22周目(レーススタート後40分ごろ)。3番手だった16号車ARTAの大津も24周目にピットインして佐藤 蓮に交代した。16号車はドライバー交代をしなかった38号車CERUMOに一旦は前に出られたが、佐藤がコース上で抜き返すことに成功している。
レース開始1時間が経過した32周目、37号車Deloitte TOM’Sに接近していた14号車ENEOS、8号車ARTAなど4台が一気にピットイン。その翌周にはトップの37号車もピットに入った。14号車は大嶋和也にドライバー交代した一方、37号車は笹原がドライブを継続したこともあり、位置関係が入れ替わることはなく、首位の座をキープした。
スタートから80分が経過した頃、6番手争いの集団にいた23号車MOTUL AUTECH Zの千代勝正がシケインへのブレーキングで大湯都史樹が乗る38号車CERUMOに追突。シケインとホームストレートに車両のパーツ片が落下してしまい、フルコースイエロー(FCY)が出された。38号車はリアに大きなダメージを負ったため、そのままリタイア。23号車には後にドライブスルーペナルティが科されている。
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ペナルティを消化した14号車が怒涛の追い上げ
レースは1時間半が経過し折り返し。37号車Deloitte TOM’Sと14号車ENEOSは依然として接近戦だが膠着状態が続く。そこから10秒以上離れて3番手に16号車ARTA、4番手に12号車MARELLI IMPUL Z、5番手に36号車au TOM’Sという順位だった。
2回目かつ最後のピットインのタイミングが迫る残り1時間強。14号車ENEOSの追撃を堪えていた37号車Deloitte TOM’Sは60周でピットに入り、笹原からジュリアーノ・アレジにドライバーを交代した。14号車は一気にペースを上げ、その2周後にピットイン。こちらも大嶋から福住に交代し、37号車の遥か前方でコース復帰することに成功する。
ただ、快調にトップを走っていた14号車に悲劇が訪れる。2回目ストップのピットアウト時に他車の走行を妨害するような形となったため、アンセーフリリースによるドライブスルーペナルティが宣告されたのだ。これで37号車Deloitte TOM’Sが労せずトップに返り咲き。16号車ARTA、36号車au TOM’Sもそれに続き、14号車は4番手まで落ちてしまった。
しかし、ここから14号車ENEOSをドライブする福住の怒涛の追い上げが始まった。まず36号車au TOM’Sを攻略すると、16号車ARTAにもじわじわと迫る。そして残り25分(78周目)のシケインでオーバーテイクに成功し、2番手に浮上した。
この時点でトップの37号車Deloitte TOM’Sのアレジとのギャップは11秒ほどだった。前が開けた福住はプッシュするが、アレジも負けじとプッシュ。その差は次第に縮まらなくなっていった。
アレジはギャップをキープしたまま92周を走り切り、37号車Deloitte TOM’Sはトップでチェッカー。アレジと笹原にとっては、GT500初優勝となった。2位は14号車ENEOS、3位は16号車ARTAだった。36号車au TOM’Sは5位でフィニッシュし、ランキングトップの座をキープしている。
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