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アストンにマセラティ、ジャガーも 意外とお手頃?なV8スポーツ 英編集部が選ぶ旧車10台(2)

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アストンにマセラティ、ジャガーも 意外とお手頃?なV8スポーツ 英編集部が選ぶ旧車10台(2)

ウェストフィールド Sエイト(1991~2010年)

小さく軽量なスポーツカーのパワーユニットは、4気筒エンジンが定番。しかし、英国のウェストフィールド社は、そんな考えにとらわれない。軽量なアルミ製のV型8気筒エンジンが、スリムなシャシーに押し込まれている。

【画像】英編集部が選ぶクラシックV8スポーツ V8ヴァンテージにFタイプ マセラティほか 全144枚

Sエイトは、1991年の発売。その頃には、ロータス・セブン由来の古い技術から、大きな進化を遂げていた。リア・サスペンションは独立懸架式。ローバー社製のV8エンジンという存在が、ケータハムとの間で悩むドライバーを惹き付ける強力な魅力になった。

運転体験は相当にシリアス。車重は700kg以下で、4.0L仕様の場合、0-100km/h加速は4秒台前半。後期型では4.6Lへ排気量が増え、動力性能は一層引き上げられている。

アストン マーティン V8ヴァンテージ(2005~2018年)

ちょっと驚かれるかもしれないが、アストン マーティンV8 ヴァンテージともあろう高性能なロードスターが、2万5000ポンド(約472万円)以下で英国では探せる。生産から10年以上が経過した例では、減価償却は完了。現在は底値にあるといっていい。

とはいえ、基本的に価格帯はもう少し上にある。執筆時にこの予算内で売られていたのは、1台だけだった。

V8 ヴァンテージ・ロードスターの場合、MTは珍しい。殆どのモデルに、セミATのスポーツシフトが組まれている。郊外を飛ばす時は素晴らしい仕事をするが、市街地を低速でさまよう場合は、ドライバーが気を使う必要がある。

スタイリングは美しく、サウンドには聞き惚れる。ジャガー由来のV8エンジンの喜びを堪能できるのだから、多少の妥協は受け入れたいところ。

ただし、小柄なボディでも、アストン マーティンの維持費は安くない。定期的な点検整備のために、予算の積み立ては考えておきたいところ。

ジャガー Fタイプ(2013~2024年)

ジャガーは、Fタイプをもって内燃エンジン・スポーツカーから完全に手を引くことになる。クラシックカーとして価値が高まる前に、中古車を楽しんでおくというのは、悪くない考えだろう。

Eタイプの後継車としてデザインされたFタイプは、2013年にコンバーチブルが発売。2014年にクーペが投入された。初期型に設定されたエンジンは、オーバーラン時にバリバリとサウンドを響かせる、3.0L V6か5.0L V8のスーパーチャージャーだった。

このV8エンジンは、575psへチューニングされたSVRから、往年のDタイプを彷彿とさせる特別仕様のプロジェクト7まで、多様なバリエーションに対応。スリリングなドライビング体験で、ポルシェ911の正当なライバルとして存在感を示した。

2024年に生産終了を控えるモデルだから、最新の技術や強みが備わる点も魅力。2015年からは、V8エンジンには四輪駆動が標準で組み合わされている。

アラード Kタイプ/Lタイプ(1946~1950年)

往年のラリードライバー、シドニー・アラード氏の名を冠した英国のスポーツカー・ブランドが、アラード。1958年に幕を閉じるまで、フォードやマーキュリー、クライスラー、キャデラックなどのV8エンジンが載ってきた。

サーキットでのレースやヒルクライム、ラリーなどで競争力を発揮。特にアメリカで、秀でた性能を証明している。スイングアクスルの足回りにクロスプライ・タイヤを履き、じゃじゃ馬といえる性格ではあったけれど。

アラードJ2といった本格的なレーシングマシンは、2万5000ポンド(約472万円)の予算から大きく外れている。極めて希少で、出品されることも少ない。

しかし、辛抱強く待っていれば、2シーターのKタイプや、4シーターのLタイプが売りに出されることがある。しかも、現実的な金額で。

入手できたら、ヒルクライムなどのクラシックカー・イベントへ積極的に参加し、存分にアラードを謳歌するのが望ましい。荒々しいロードカーとして、自動車旅行の相棒にするのも一興だ。

マセラティ・スパイダー(ティーポM138/2001~2007年)

ジョルジェット・ジウジアーロ氏が描き出したボディが、4.2L V型8気筒エンジン、F136型ユニットをエレガントに包む。称賛を集めた1998年の3200 GTに続く、新生マセラティの第2章といえたスパイダーは、2001年にリリースされた。

ボンネット内に収まるのは、ドライサンプのフェラーリ製V8。短いホイールベース上に、別名4200とも呼ばれる、流麗な2シーターのロードスターが仕上げれられている。

ただし、完璧な内容とはいえなかった。アダプティブダンパーを備える「スカイフック」サスペンションと、セミATの「カンビオコルサ」は、不具合が多くオーナーを悩ませた。ディーラーの整備部門にとっては、良い収入源だったと思うが。

それでも、レザーがふんだんに使われた内装は極上。F136型ユニットは、鳥肌が立つような勢いで回転し、395psと45.9kg-mを繰り出す。故障のことを忘れてしまうほど、官能的なインテリアとV8エンジンだ。

信頼性が影響し、現在は状態の良い例でも1万7000ポンド(約321万円)ほど用意すれば、スパイダーを狙える。後期型のグランスポーツや、希少なMT車でも、2万5000ポンド(約472万円)を下回る価格で取り引きされている。

MGB コステロV8(1970~1976年)

ローバー由来のアルミ製3.5L V8エンジンを、小さなMGBに搭載するというアイデアは魅力的だった。しかし、MGの技術者は実現に苦労していた。

それを横目に、フリーのエンジニア、ケン・コステロ氏がひと足先に実現。1970年から1976年にかけて、190台のGTクーペと35台のロードスターが、グレートブリテン島南部のファーンバラでコンバージョンされている。

コステロV8では、高圧縮比で最高出力は152ps。最高速度は209km/hに届いた。現在も、直4からV8へ置換されるMGBは珍しくない。

MG自らも1973年にV8エンジン仕様を提供しているが、コステロV8も英国では稀に売りに出される。カスタマイズの幅は広く、195psへパワーアップも可能だが、手を加えすぎるとMGB本来の魅力が薄れてしまう可能性はある。

最高のバランスを考えるなら、オリジナル状態を探したいところ。2万5000ポンド(約472万円)から、少し足が出てしまうかもしれないが。

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