現在位置: carview! > ニュース > スポーツ > 団結が試されるプレーオフ開幕SSW決戦は、ロガーノ&ブレイニーの王者ペアに軍配/NASCAR第27戦

ここから本文です

団結が試されるプレーオフ開幕SSW決戦は、ロガーノ&ブレイニーの王者ペアに軍配/NASCAR第27戦

掲載
団結が試されるプレーオフ開幕SSW決戦は、ロガーノ&ブレイニーの王者ペアに軍配/NASCAR第27戦

 いよいよ2024年のタイトル天王山に突入したNASCARカップシリーズのプレーオフ初戦、シーズン第27戦となるアトランタ・モータースピードウェイでの『Quaker State 400(クエーカーステート400)』は、ダニエル・スアレス&ロス・チャスティン(トラックハウス・レーシングチーム/シボレー・カマロ)のシボレー艦隊を退けた、ジョーイ・ロガーノ&ライアン・ブレイニー(チーム・ペンスキー/フォード・マスタング)の”チャンピオンコンビ”がオーバータイムスプリントを制覇。ロガーノはプレーオフ開幕の勝利で次なるステージ”Round of 12”へのアドバンテージを手にすると同時に、今季2勝目、キャリア通算34勝目を飾っている。

 前戦でチェイス・ブリスコ(スチュワート・ハース・レーシング/フォード・マスタング)が実に73レース連続無勝利記録に終止符を打ち、今季限りで活動休止を表明しているスチュワート・ハース・レーシング(SHR)に大逆転でのプレーオフ進出権をプレゼント。これで今季タイトルを争う16名が確定した。

73戦連続無勝利記録に終止符。ブリスコがブッシュの野望を粉砕/NASCAR第26戦

 そんな劇的なレギュラーシーズン最終戦を経て、迎えたポストシーズン開幕はスーパースピードウェイ(SSW)で無類の強さを誇るマイケル・マクドウェル(フロントロウ・モータースポーツ/フォード・マスタング)が予選ポールポジションを獲得。自身今季5度目、キャリア通算でも5度目、そしてSSWでは「2位以下からスタートしたことはない」という圧倒的な高速域での巧みさを披露した。

 迎えた決勝は、序盤こそ“ノーコーション”の穏やかな展開が続くも、56周目にまさかのドライバーがまさかの事態に陥ることに。今季プレーオフにNo.1シードで臨んでいたカイル・ラーソン(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)が3番手を走行中、ターン2を抜けようとした瞬間に突如として制御を失い、激しくウォールに衝突。5号車のカマロZL1はSAFERバリアから跳ね返りトラック中央へ滑り出ると、ここに差し掛かったブリスコの14号車マスタング“ダークホース”が激突し、その衝撃で左フロントを大破して両者ともにここで事実上の勝負を終えることになる。

■3台巻き添えクラッシュでベテランにもダメージ
「大丈夫だ。ありがたいことに、車内のすべてがうまく持ちこたえた。あれは大きな衝撃だった。何が原因だったのかよくわからない」とインフィールドケアセンターでの処置を終え振り返ったラーソン。

「コーナーではかなり緊張していたし、重圧と負荷を背負っていた。それからコーナーをかなり回ったところで、突然クルマが飛び出してしまった。わからないけど、すべてが本当にあっという間に起こったんだ……」

 一方、先週の勝利で滑り込みプレーオフ進出を決め、意気揚々と乗り込んできたブリスコも、思わぬ筋書きでアトランタを去ることとなった。

「あれは大きな衝撃だった。長いキャリアの間に受けたなかでも最大の衝撃のひとつだったよ」と明かしたブリスコ。

「大丈夫でよかった。あとは勝つだけだ。(前戦の)ダーリントンでやらなければならなかったのはまさにそれだったし、またできるとわかっている。ワトキンスグレンとブリストルに行って同じことをやろうとするだけさ!」

 これでステージ1はブレイニーが、続くステージ2はその僚友のサポートを得たオースティン・シンドリック(チーム・ペンスキー/フォード・マスタング)が勝利を攫っていく。しかし終盤205周目には、そのブレイニーを含む3台が巻き添えになるクラッシュが発生。姿勢を乱したクリス・ブッシャー(RFKレーシング/フォード・マスタング)がチャンピオンの左リヤにヒットし、ここでコーションが発令される。

 その最大の犠牲者となったのが今季限りでの現役引退を表明済みのマーティン・トゥルーエクスJr.(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリXSE)で、今季ここまで未勝利ながら獲得ポイントでプレーオフ進出権を確保したベテランは、ここでのダメージにより複数回のピット作業を強いられる。

 さらにデブリ回収を経て残り5周でのリスタート。この日は終始トップグループで周回したカイル・ブッシュ(リチャード・チルドレス・レーシング/シボレー・カマロ)やチャスティンらに混じり、ここアトランタで2月に勝利を挙げているスアレスが隊列を率いると、フィニッシュを目前にして後方ノア・グラグソン(スチュワート・ハース・レーシング/フォード・マスタング)のアクシデントによりオーバータイムに突入する。

■僚友を失っての惜敗2位に複雑な胸中を語る
 ロガーノの隣に並びアウトサイドから最後のリスタートに挑んだスアレスは、背後のチャスティンからプッシュを受ける。一方、ボトム側のペンスキー艦隊は一糸乱れぬ隊列を維持してホワイトフラッグに突入。この瞬間、ターン3でわずかにウォールにタッチしたチャスティンが失速したことで勝負は決し、99号車カマロZL1の後方からチームメイトが姿を消したことで「厳しい勝負になると覚悟した」スアレスは、最後のひと伸びが足りず惜敗の2位フィニッシュとなった。

「いや、絶対に満足していない。満足だが、満足できない」と、チェッカー直後に複雑な胸中を語ったスアレス。

「プッシャーであるチームメイトを失った。彼(チャスティン)は素晴らしい仕事をしていたし、僕らにはいいチャンスがあると感じていた。タイヤがパンクしたか何かわからないが、彼を見失った瞬間、厳しい戦いになるだろうと分かった。でも、それがレースの一部だよね?」

 一方、集団後方ではデニー・ハムリン(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリXSE)やハリソン・バートン(ウッドブラザーズ・レーシング/フォード・マスタング)らを巻き込むマルチタングルが発生するなか、トップチェッカーを受けたロガーノは規定周回数260周を6周ほど超過した勝負でアトランタ通算2勝目を飾り、プレーオフ順位でも5番手に浮上した。

「ペンスキーはいつだってSSWで速いクルマを提供してくれる。最終的にクラッシュしてしまうことの方が多かったが(笑)、ようやく速いレースカーをうまく利用して、ここアトランタでふたたび勝つことができた」と満足げな2022年王者のロガーノ。

「僕は長いあいだ、すぐそばのコンドミニアムで805号室に住んでいた。このトラックでレースをすることを夢見ていたんだ。だから、ここでヴィクトリーレーンに入るのはいつも特別なことさ。今日は本当に良いチームがここにいたし、ついにJL Kids Crew(JLキッズ・クルー/ロガーノの慈善事業のひとつ)とここで一緒に優勝できて本当にうれしいよ!」

 併催されたNASCARエクスフィニティ・シリーズ第24戦『Focused Health 250(フォーカスド・ヘルス250)』は、ジョージア州ウィンストン出身のオースティン・ヒル(リチャード・チルドレス・レーシング/シボレー・カマロ)が今季3勝目で年間のアトランタ双方を制すなど、こちらもSSWでの強さを披露している。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

2025最新版《アルファード&ヴェルファイア》ズバリ! “買い”のポイント
2025最新版《アルファード&ヴェルファイア》ズバリ! “買い”のポイント
グーネット
ホンダ『プレリュード』、米国でも25年ぶりに復活へ…次世代ハイブリッド車として2025年投入
ホンダ『プレリュード』、米国でも25年ぶりに復活へ…次世代ハイブリッド車として2025年投入
レスポンス
「えっ…!」この道「ウインカー」出す? 出さない? 真っ直ぐも行ける「道なりカーブ」どうする!? 「正解」の曲がり方とは
「えっ…!」この道「ウインカー」出す? 出さない? 真っ直ぐも行ける「道なりカーブ」どうする!? 「正解」の曲がり方とは
くるまのニュース
ベン・キーティングがWEC復帰、小泉洋史は外れる。コルベットZ06 GT3.Rのラインアップ確定
ベン・キーティングがWEC復帰、小泉洋史は外れる。コルベットZ06 GT3.Rのラインアップ確定
AUTOSPORT web
パイセンに続け!! 将来はトヨタで[WRC]のシートを掴むかもしれないラリードライバーの卵 
パイセンに続け!! 将来はトヨタで[WRC]のシートを掴むかもしれないラリードライバーの卵 
ベストカーWeb
ヒョンデの新型EV『インスター』、東京オートサロン2025で日本初公開へ
ヒョンデの新型EV『インスター』、東京オートサロン2025で日本初公開へ
レスポンス
クルマのホーンボタンには「ラッパのマーク」がないと違反! なんと「有名薬のラッパのマーク」を切り貼りしても「手書き」でもOKってマジか!!
クルマのホーンボタンには「ラッパのマーク」がないと違反! なんと「有名薬のラッパのマーク」を切り貼りしても「手書き」でもOKってマジか!!
WEB CARTOP
ブランドイメージ構築に課題? レクサスLBX 長期テスト(5) モデルの強みはNXと共通
ブランドイメージ構築に課題? レクサスLBX 長期テスト(5) モデルの強みはNXと共通
AUTOCAR JAPAN
[15秒でわかる]ブガッティの特別なガレージと展示台
[15秒でわかる]ブガッティの特別なガレージと展示台
レスポンス
実質約445万円で買える ホンダの燃料電池車[新型CR-V e:FCEV]は本気で買いたくなるほどのデキだったのか? 
実質約445万円で買える ホンダの燃料電池車[新型CR-V e:FCEV]は本気で買いたくなるほどのデキだったのか? 
ベストカーWeb
6速MTあり! ミツオカ最新「ビュートストーリー」がスゴい! 全長4m「ちょうどいいボディ」に超レトロデザイン×「豪華インテリア」採用! 「小さな高級車」どんなクルマ?
6速MTあり! ミツオカ最新「ビュートストーリー」がスゴい! 全長4m「ちょうどいいボディ」に超レトロデザイン×「豪華インテリア」採用! 「小さな高級車」どんなクルマ?
くるまのニュース
レッドブルのジュニアチームで5年目を迎える角田裕毅。ホーナー代表、2025年末で手放す可能性を示唆も、昇格も否定せず
レッドブルのジュニアチームで5年目を迎える角田裕毅。ホーナー代表、2025年末で手放す可能性を示唆も、昇格も否定せず
AUTOSPORT web
軽自動車サイズの布製タイヤチェーン「モビルシュシュ」が一般販売開始
軽自動車サイズの布製タイヤチェーン「モビルシュシュ」が一般販売開始
レスポンス
0-100キロ加速2.9秒! SL史上初PHEVのメルセデスAMG「SL 63 S Eパフォーマンス」は3350万円…日本仕様車は左ハンドルのみです
0-100キロ加速2.9秒! SL史上初PHEVのメルセデスAMG「SL 63 S Eパフォーマンス」は3350万円…日本仕様車は左ハンドルのみです
Auto Messe Web
新人コラピントは素晴らしいドライバーだ! 僚友アルボンが称賛。シーズン終盤にクラッシュ連続も「F1に相応しい存在」
新人コラピントは素晴らしいドライバーだ! 僚友アルボンが称賛。シーズン終盤にクラッシュ連続も「F1に相応しい存在」
motorsport.com 日本版
技術も力もいらない簡単装着! 持ってて安心な新タイヤチェーン「バイアスロン・イージーフィット」が雪道ドライブの最強の味方だった
技術も力もいらない簡単装着! 持ってて安心な新タイヤチェーン「バイアスロン・イージーフィット」が雪道ドライブの最強の味方だった
WEB CARTOP
制限速度を守ってる自分を抜かしていったクルマにオービスが光らないって納得いかん! なんで自動速度取締機は大幅にマージンをとってるの?
制限速度を守ってる自分を抜かしていったクルマにオービスが光らないって納得いかん! なんで自動速度取締機は大幅にマージンをとってるの?
WEB CARTOP
ミズノの「歩ける」ドライビングシューズ、新登場の高級モデル『ベアクラッチL』を試してみた
ミズノの「歩ける」ドライビングシューズ、新登場の高級モデル『ベアクラッチL』を試してみた
レスポンス

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村