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携帯電話見本市で新型EVを披露 フィスカー・オーシャン、欧州正式デビュー

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携帯電話見本市で新型EVを披露 フィスカー・オーシャン、欧州正式デビュー

世界最大級のICT見本市で堂々の欧州デビュー

スペイン・バルセロナで開催された携帯電話関連見本市モバイル・ワールド・コングレス(Mobile World Congress)で、新型EVのフィスカー・オーシャンが大勢の観衆を前に欧州での正式デビューを果たした。

【画像】フィスカー・オーシャン【ライバルEVと写真で見る】 全108枚

フィスカーのCEOであるヘンリック・フィスカーは、この見本市が新型フィスカーを公に発表するための「理想的な場所」であると述べている。オーシャンは、昨年のロサンゼルス・モーターショーですでに一般公開されている。オーストリア・グラーツのマグナ・シュタイヤー社で生産され、2023年の第2四半期に納車を開始する予定だ。

フィスカーは最近、ドイツ・ミュンヘンに欧州部門オフィスを開設し、欧州市場での年間販売台数を約6万台と見込んでいる。

オーシャンは、競争力のある性能、多くの先進技術、最大560kmの航続距離を備え、アウディQ4 eトロンやBMW iX3に対抗すると期待されている。また、衝突試験とホモロゲーションのため、パイロット生産も実施される。

デザイン面では、2019年に初めて公開されたコンセプトとほぼ変わらず、「空力的な電動ハッチバック」ではなく「真のSUV」と表現されている。路上での存在感を強調するスリムなライト、ショートオーバーハング、ワイドスタンスが特徴で、今後登場するであろう新モデルのデザインの方向性も見えてくる。

5人乗りで、インテリアには再生漁網、古着、古ゴムからなる「完全ヴィーガン」な素材を使用し、サステナビリティに取り組む姿勢を見せている。フィスカーは、「世界で最もサステナブルなEV」と主張する。

また、すべての窓を下げ、ルーフを格納することでオープンカー風の走りを実現する「カリフォルニア」モード、後席乗員が車内の各種機能を操作できる「リモ」モード、停車中に縦向きから横向きに切り替え可能な17.1インチの回転式インフォテインメント・タッチスクリーンなどを搭載する。

航続距離600km以上 ソーラールーフも

欧州仕様のグレードは3種類。エントリーグレードの「スポーツ」はフロントアクスルに最高出力279psのモーターを搭載し、0-97km/h加速6.6秒を実現。続く「ウルトラ」は前後アクスルにモーターを搭載して出力を547psに高め、0-97km/h加速3.9秒を達成する。

さらに、最上級の「エクストリーム」では558psに強化され、0-97km/h加速も3.6秒に短縮される。フィスカーはバッテリー容量をまだ公表しておらず、充電速度はまだテスト中であるとしている。

エントリーモデルのスポーツには、443kmの走行が可能な「ツーリング」バッテリーが搭載される。主な装備は、17.1インチのタッチスクリーン、「ビッグスカイ」ルーフ、電動テールゲート、クルーズコントロール、自動ヘッドライトなど。

中間グレードのウルトラには「ハイパーレンジ」バッテリーが搭載され、航続距離は628kmに延長される。オープンスカイルーフ、自動緊急ブレーキ、遠隔車両探知機、「ドギーウィンドウ」、カリフォルニア・モードが標準装備となる。価格は4万8900ポンド(約753万円)から。

最上級グレードのエクストリームは5万9900ポンド(約923万円)からで、荒天時の安定性を高めるスマート・トラクション、360度カメラ、ワイヤレスの携帯電話充電器、レーンチェンジアシスト、回転式インフォテインメント・システムが装備されている。

また、エクストリームのルーフにはソーラーパネルが搭載され、晴れた日には電力を補充できるようになっている。フィスカーによると、このルーフは年間最大2400kmの航続距離を生み出すことができるという。

上位モデルにはCATL製バッテリー採用

3つのグレードに並び、限定生産の「ワン」仕様も設定されている。エクストリームをベースにした限定モデルで、最初の5000台に適用される予定。22インチのホイールと記念サインを装着しており、価格は5万9900ポンド(約923万円)から。

フィスカーは、無線によるアップデート、先進技術、そして持続可能性が、オーシャンを成功へと導くと述べている。

走行モードは「アース」と「ファン」を全車標準で設定。上級グレードのウルトラとエクストリームには性能を高める「ハイパー」モードが追加され、後者には専用の「オフロード」モードも用意されている。

ウルトラとエクストリームには、中国のCATL社が供給するニッケル・マンガン・コバルト(NMC)バッテリーが採用されており、フィスカーによると「クラストップの航続距離とパフォーマンス」を実現するとのことだ。

ユニークな機能と性能を兼ね備えた先進EV

フィスカーCEOは、「性能、価値、持続可能性を兼ね備えたユニークなEVができたと想います。カリフォルニア・モード、17.1インチの回転スクリーン、クラス最長の航続距離といった業界初の機能を備えているのです」と語り、販売成功には欧州市場が「不可欠」であるとしている。

CEOはAUTOCARの取材に対し、バッテリーとパワートレインは「今年選定した」ものであり、オーシャンの欧州市場投入を少し前に控えた段階だったと述べている。その理由は、「自動車業界では、車両開発に4年ほどかかるのが一般的なサイクルなので、(消費者が)購入するときには2年半から3年前の技術になっている」ためだという。

「それを、2年半という短い開発期間に変えようとしているのです。その秘訣は、素晴らしいエンジニアリングと開発チームを持っていることにあります。当社は高品質のクルマを作るため、マグナ社と緊密に連携して生産を行います。工場を建てたり、クルマの作り方を指導したりする必要はないのです。それが当社のビジネスモデルの利点であり、差別化要因となるでしょう」

英国での価格は3万4990ポンド(約540万円)からとなっているが、本拠地の米国では3万7499~6万8999ドル(約430~780万円)で販売される。フィスカーCEOは、欧州で製造することで輸入税やコストを抑えられると述べている。

オーシャンは、フィスカーが計画するEVシリーズの第1弾である。このモデルに続いて、IT大手フォックスコンと共同開発した新モデル「プロジェクト・ピア」が、2023年末から比較的手頃な価格帯で発売される計画だ。

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