激安チェーンは大丈夫?
執筆:Kumiko Kato(加藤久美子)
【画像】雪道でも高い走破性【デリカD:5とレヴォーグを比較】 全151枚
撮影:Hiroto Kato(加藤博人)
雪があまり降らない、積もるのは1年に1度あるかないか。
東京以西の都市部など暖かい地域では大雪の予報が出ると慌てるドライバーが少なくない。
普段ほとんど雪が降らない地域のクルマはスタッドレスタイヤなどを装着していないクルマがほとんどであるがゆえ、大雪警報が出ると慌ててタイヤチェーンを買い求める人が多くなるのは当然のことであろう。
筆者も今年1月、実家(下関)から横浜までクルマで移動する日程に大雪の予報が出ており、あわててチェーンを用意しようとした。
しかし、すでにアマゾンや楽天などECサイトにはサイズのあうチェーンがな
スタッドレスタイヤは在庫があるが4本セットで8万円。
カー用品店もいくつかまわったがチェーンを買い求める人々であふれていて、在庫も切れていた。
結局このときは、「翌日に入荷」するというチェーンを予約して買ったのは装着しやすいやや高級な金属チェーンであった。
激安チェーンの存在に気付いたのは、アマゾンでサイズのあうチェーンを探していたときのことだった。
「在庫あり」となっている非金属チェーンがサイズ豊富でずらりと並んでいる。
しかも値段が安い。ほとんどが5000円以下の激安価格だ。
もちろんメーカーやブランドははっきりしない。評価も色々。
なかには、レビュー無しだけど高評価のマークで埋め尽くされている商品もあった(最近増えている怪しい評価方法。レビューを書かず、星マークだけを5つ(満点)にする)。
このような激安チェーンは、買ってもいいのだろうか?
なんとなく見た目も怪しく、本来2~3万円する非金属チェーンの価格と比べると10分の1以下の価格だ。
かつて存在 違法コピー製品とは?
怪しい。
だけど希望のサイズはどこも在庫切れ。
1回くらいなら使えるのでは?
1回分3000円と考えれば使い捨て感覚で使ってもよさそう?
そう思う人もいるだろう。筆者もそう考えていた(結局買わなかったが)
しかし、これはかなり危険な選択だということをあとで知った。
非金属チェーン国内シェアNO.1の「バイアスロンシリーズ」を販売するカーメイトに驚く話を聞いた。
ECサイトで販売されている激安チェーンは、明らかにバイアスロンのコピー商品と思われるものもある。
激安チェーンを実際にタイヤに装着して雪道でテストしたところ、数百メートル走って切れたり、スパイクピンが飛んで行ったりした例も中にはあったようだ。
「明らかなコピー商品を含めて、さまざまな激安チェーンを取り寄せてテストをしていますが、それらの多くは中国製でした」
「中国にはタイヤチェーンを使う文化がありませんから、チェーンを開発、製造する技術もありません。なんとなくこんなものかな? と、見よう見まねで作っているチェーンが日本で流通しているのかもしれません」
「ですが、タイヤチェーンはファッションやドレスアップのためにつけるものではなく、雪道でスリップして自車はもちろん、他車を守るために使うものです。バイアスロンの偽物はもちろん、激安の非金属チェーンは大変危険なものがあると認識していただきたいです」
これには驚いた。
1回3000円の使い捨て感覚で使うどころか、わずか数百m走行で切れることがあるという。
どんなチェーンを選べばよい?
では、どんなチェーンを選べばいいのだろうか?
安心、安全の目安の1つに、「JASAA認定品」であることがあげられる。
JASAAとは一般財団法人日本自動車交通安全用品協会のことで、同協会が認定しているタイヤ滑り止め装置は「タイヤ滑り止め装置認定委員会」委員の立会いのうえ、各種の実車走行試験をおこない、性能が確認された製品とされている。
具体的には「道路の破損が少ない」、「高速道路の本線やインターチェンジの坂道をすべてクリア」、「着脱が容易 」、「関越トンネルを装着したまま走行できる」、「 滑らかな走行」、「アイスバーンに強い」、「600km以上の耐久性」といった特徴を備えている。
ちなみにこのJASAAという組織。初めて聞いた! という方もいるかもしれないが認定委員の所属に要注目(令和3年7月16日現在)
委員長:NPO法人救急ヘリ病院ネットワーク
委員:科学警察研究所
委員:株式会社高速道路総合技術研究所
委員:一般社団法人日本自動車連盟
委員:北海道大学
委員:警察庁交通局
委員:一般財団法人日本自動車交通安全用品協会
警察庁の附属機関である科学警察研究所や警察庁交通局に所属する担当委員によって認定されるのだから、相当高レベルで耐久性のある商品であることは間違いないだろう。
認定試験は例年1~2月の間に実施し北海道地区において制動試験、登坂試験、耐空転試験、静的けん引試験、耐久試験、緩衝試験及び着脱試験を実施する。
小型トラックおよびトラック/バスについては、北海道地区において登坂試験、動的けん引試験、耐久試験、緩衝試験及び着脱試験をおこなう。
委員を乗せて北海道を600km走行
試験の内容はどれも過酷で非常に高い品質が求められる。
登坂性の試験では勾配平均12%の圧雪路及び勾配平均8%の氷盤路で一旦停止後、再発進したときに滑らかに登坂できることなどが挙げられるがもっとも過酷なのは耐久試験だろう。
耐久性の認定試験は実際にテストを受けるチェーンを装着した車両に認定委員をのせて実際に1~2月の期間、北海道地区を600km走行するのである。
雪道だけではなく一般路での耐久性も重要であるため、600kmのうち圧雪路7:無雪路3の割合でおこなわれる。
「600kmの距離を走行したとき、装置に著しい磨耗がなく、破損、スパイク金具の脱落など各部に異状がないこと」が耐久性認定のための条件だ。
いくつもの厳しい認定試験をクリアした製品には「JASAA」認定マークが付与される。
厳しい認定試験を受けた非金属チェーンのメーカー(全6社)と主な商品を紹介しておこう。
合同会社アイコ:NETGEAR、サイバーネットツインロック2、マルチロック、スノーゴリラ フェルマーレなど
株式会社アムス:タフネスクロス、エクスグリップ、スノーアドヴァンスなど
株式会社コイズミ:イエティ スノーネット RV、イエティ スノーネットWDなど
株式会社ソフト99コーポレーション:救急隊ネット、救急隊ネット改
コーニック:RESISTO
なお、手軽で場所を取らない非金属チェーンとして近年人気を集める「布製チェーン」については、認定試験に参加したことはないそうだ。
あるメーカーの担当者いわく、「布製チェーンはあくまでも緊急用。到底、600kmもの距離を走れるはずはありません」とのこと。
たしかに布製チェーンは無雪路に非常に弱い。
アスファルトの上を10数m走っただけで破れてしまった経験もある。
また乾いた圧雪路では滑り止め機能が働くが、都心に積もる水分が多く溶けやすい雪では雪氷が接地面に張り付いて滑りまくる。
クルマにあったタイヤチェーンを所有していない状態で大雪警報が出た場合、極力出かけないことが1番だが、どうしてもクルマで出かけなくてはいけない場合は早めに信頼できる安全な滑り止め装置を用意しておくことを切におすすめする。
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