アルゼンチン最大のツーリングカーシリーズ、スーパーTC2000の最終戦が11月24~25日にコルドバで開催され、土曜予選でポールポジションを獲得したディフェンディングチャンピオン、ファクンド・アルドゥソ(ルノー・フルーエンスGT)が決勝5位フィニッシュで、見事2年連続のシリーズタイトルを獲得した。
通常のシリーズ戦のように、土曜クオリファイレース、日曜フューチャーレースのフォーマットとは異なり、タイムアタック形式の予選セッションを制して2ポイントを獲得したルノースポールのアルドゥソは、これで前戦ブエノスアイレス200kmに続いての2戦連続ポールポジション。
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唯一のタイトル候補として立ちはだかるシボレーYPFチームのアグスティン・カナピノ(シボレーYPFクルーズ)に対し221対196点と、ポイント上でも優位な状態で今季最終戦のレースを迎えることとなった。
その2016年王者カナピノは予選4番手スタートから、アルドゥソの決勝リザルトにかかわらず6位以内の入賞が逆転タイトルへの絶対条件に。その周囲の予選上位グリッドには、フロントロウ2番手にプジョースポール・アルゼンティーナのマリアーノ・ウェルナー(プジョー408)、予選別グループで最速を記録したリオネル・ペーニャ(ルノー・フルーエンスGT)が3番手、そして背後の5番グリッドには元WTCC世界ツーリングカー選手権レギュラーのネストール・ジロラミ(プジョー408)ら実力者が並び、アシストを期待したシボレーのチームメイト、ベルナルド・レイバーは7番グリッド止まりと厳しいレース展開が予想された。
注目のスタートでは、フロントロウ同士のバトルを制した2番手ウェルナーが首位に浮上し、アルドゥソはリスクを避け一時後退。その立場を逆手にわずか4周で3秒のマージンを築くなど、プジョーがみるみるリードを広げていく。
その背後では、2番手の宿敵に迫ろうとシボレーのカナピノがペーニャのルノー・フルーエンスGTを仕留めに掛かるが、ルノースポールのチームプレーを課されたペーニャは鉄壁のディフェンスラインを取り、両車は軽い接触を繰り返しながらもシボレーを前に出すことを許さず。27周の決勝レースは周回数だけが進んで行くことに。
しかし7周目を過ぎた時点でルノースポールのサインガードに無線が入り、2番手を走る現チャンピオンから「パワーステアリングの油圧系統が機能していない」との悲痛な叫びが届くも、彼のフルーエンスGTはラップタイムを落とすことなくトラックを走り続ける。
すると11周目に7番手走行中のTOYOTA GAZOO Racingアルゼンティーナ、マティアス・ロッシ(トヨタ・カローラ)がエンジンから白煙を上げリタイヤに。その同じ頃、カナピノにかわされたペーニャのタイヤがブローアップし、緊急ピットを余儀なくされるなどレースが慌ただしく動き始める。
続く16周目にはレイバーのシボレーがスピンオフ、21周目には後続のバトルでクラッシュが発生し2度のセーフティカー(SC)ピリオドとなり、そのリスタートでは2番手争いのタイトル攻防戦が激化。
カナピノがマシンを接触させながらアルドゥソをオーバーテイクすることに成功し、その間隙に乗じた4番手のジロラミもルノーに襲いかかると、タイトルを意識して徹底的にリスクを避けたいアルドゥソは最終周のターン3で4番手に下がるリスクマネジメントを見せる。
さらにシトロエン・トタル・アルゼンティーナのファクンド・チャプル(シトロエンC4ラウンジ)も争う意志なく前に出したアルドゥソは、そのまま5番手のポジションでフィニッシュラインへ。
今季最終戦のレースはプジョーのマリアーノ・ウェルナーが快適なリードで勝利を飾り、2位カナピノ、3位ジロラミの表彰台に。
シボレーの元王者は自らの仕事を完遂したものの、現役王者の優位は揺らがず。5位に入ったアルドゥソが241点対230点のポイント差でドライバーズタイトルを獲得。同シリーズが2012年にSTC2000と名称を変更して以来、2014-15を連覇したジロラミ以来の2年連続チャンピオン誕生となった。
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