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元都民のロッテラーが見たフォーミュラE東京大会。都心部での開催に期待「欲を言えば、六本木(笑)」

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元都民のロッテラーが見たフォーミュラE東京大会。都心部での開催に期待「欲を言えば、六本木(笑)」

 実に10年という構想・計画期間を経て、フォーミュラEのシーズン10年目にして初開催を実現し、大成功で幕を閉じた『東京e-Prix』。同レースのために海外局のテレビレポーターとして久々に来日してファンの前に姿を見せたアンドレ・ロッテラーは、2017/18年シーズンに中国チームのテチーターからABBフォーミュラE選手権にデビュー。昨季2022/23年までの全81戦に参戦したのちにフル電動フォーミュラ・シリーズでのキャリアにピリオドを打ち、今季2024年はWEC世界耐久選手権のハイパーカー・プログラムに集中している。

 多忙なスケジュールの合間に、ドイツ・マンハイムにあるポルシェ・ペンスキー・モータースポーツの新ファクトリーを訪れた元スーパーGT/フォーミュラ・ニッポンチャンピオンに、あらためて初開催された東京e-Prixについて話を聞いた。

レーススチュワードとして関わった鈴木亜久里氏。公道でのフォーミュラE東京大会の意義と今後の可能性

■辞めるタイミングを間違えた!?

――長年待ち望んでいた東京での初開催となったフォーミュラE(FE)ですが、現地で観戦されたあなたの目にはどう映りましたか?

アンドレ・ロッテラー「まず最初に思ったことは、フォーミュラEのキャリアを終えるのを1年早まったな、と(笑)。フォーミュラEドライバーの中で、僕ほど日本や東京に強い繋がりを持つドライバーはないからね!」

ロッテラー「あの場にいながらドライブできなかったのが、とても残念で悲しかった」

――あなたのFE現役時代にも何度か『東京大会の開催か!?』との話題があがっていただけに、今回の初開催には特別な感情をお持ちかと思います。

ロッテラー「僕が長年参戦していたフォーミュラEの東京での開催が叶って、本当に心から嬉しく思ったよ。自動車産業全般、そしてモータースポーツにとっても、このレースが開催できたことは大きな意味を持っていると思う。一方でフルエレクトリックカーの国際レース、それも公道でのレースが日本で開催されたことで、日本のモータースポーツ史に新たなページを刻んだ歴史的な日でもあった」

ロッテラー「僕には残念ながらフォーミュラEでのシートはないけれど、歴史的な日にお台場エリアでファンと一緒にレースを楽しめたことはとても光栄だったし、今後のフォーミュラEと日本での今後のレースを応援するとともに、今後の両者の発展を心より願っている」

■かつて住んでいたエリアで走ってみたい

――日本初開催ということで、準備や当日のオーガニゼーションなど日本サイドのスタッフの皆さんは非常に大変だったと思いますが、フォーミュラEのエキスパートとして、あなたは会場の様子をどう見ていましたか?

ロッテラー「この日を迎えるまでの主催者やオフィシャルのみなさんの苦労は大変なものだったと思うが、レースやそのイベントを観に訪れていたファンの皆の楽しそうな笑顔を見ると、それがすべてを物語っていると思う」

ロッテラー「チケットの販売数が限られていただけに、購入できなかったファンも多くいたと聞いていたが、隣接した施設でイベントを楽しみながら映像で観戦できるようになっていたのは良いアイデアだったと思う。もちろん、東京はビッグシティでさまざまな制約があるので、市街地から少し離れた有明での開催は妥当だと思うけれど、元東京都民としては今後の都心でのレース開催を期待したい」

――さまざまな制約は一旦忘れて、元東京都民のあなたが選ぶとしたら、都内のどのエリアをフォーミュラEで走ってみたい、大会が開催されて欲しいですか?

ロッテラー「青山通り(国道246号)、国立競技場から明治神宮球場を通るあたりが適切じゃないかな。充分な道幅もあるし、観客の動線を作るのもあのエリアなら可能な状況だと思う」

ロッテラー「欲を言えば……一番走りたいのは、僕が住んでいた六本木あたりだね(笑)」

■次回の来日は9月の予定

――先ほど述べられたように、あなたには日本に対する特別な思いを持っておられますね。

ロッテラー「長年暮らし、活動の拠点としていた日本に2017年に別れを告げた。だが、もしも僕が今年のフォーミュラEの開催時期に、まだ東京に住んでいられたとしたら、もっともっと特別でクールなイベントとなっていたと感じている。もう日本を去ってから長く経ってしまったが、いまも僕の心に強く残る第二の故郷だ」

ロッテラー「日本のレースには参戦していないが、いまも数多くのファンが僕を待ち、そしてWECでの活動を日本から応援してくれることに心から感謝しているよ」

――日本へはちょくちょく行っているイメージですが。

ロッテラー「2023年はWECのレースで久々に富士スピードウェイへ行き、その前には2018年が最後だった。だから、また今年はフォーミュラEに続き、WECでもまた9月に日本へ行けることをとても楽しみにしている」

――ところで、このフォーミュラEの際には何日ほど日本に滞在していたのですか? テレビのレポーターの仕事以外にはプライベートで何をして東京を楽しんだのですか?

ロッテラー「東京に滞在できたのは、たった3日間! その後にすぐスパ・フランコルシャンでの(WECの)テストが控えていて、すぐにヨーロッパへ戻らなければならなかったのが残念だった」

ロッテラー「でも、その短い滞在期間には旧友やトムスの舘信秀会長夫妻に会ったりと、短い時間を惜しみながら東京滞在を楽しんだ。もちろん、フォーミュラEの会場では多くのファンが声を掛けてくれて嬉しかったよ」

* * * * * * *

 昨季2023年から所属するポルシェ・ペンスキー・モータースポーツのファクトリーで、東京E-Prixについて語ってくれたロッテラー。本人も残念がるように、東京ビッグサイトを取り囲むように設計された特設コースで彼のフォーミュラEでの走りを見ることはできなかったが、今月はFE東京と同じく初開催となるWECイモラが控えており、4月19~21日の週末には6号車ポルシェ963で開幕2連勝を目指すベテラン・ドイツ人ドライバーの活躍が期待される。

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みんなのコメント

7件
  • goo********
    都心部でやるなら、やはりルート246でしょ。
    全長5kmの市街地コース………モータースポーツ文化が馴染まない日本じゃ無理だろうけど。
  • PALA
    今回のコースは市街地感無かったですよね。
    理想を言えばモナコみたいな感じだけど都心で長時間道路を封鎖するなんて無理だろうなあ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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