ロベール・オプロン氏によるデザイン
ポルシェ911やランボルギーニ・ウラカンといったクルマは、誰しもが知る存在だろう。都心部なら、同じモデルとすれ違うことも珍しくはない。
【画像】アルファ・ロメオSZ 過去のFRモデル 8Cと4C 最新で限定のジュリア GTAmも 全108枚
それを好まないカーマニアなら、アルファ・ロメオSZはいかがだろう。恐らく、運転していて別のSZを目にする機会は殆どないはず。製造期間は1989年から1991年という短さで、台数も1000台を少し超える程度だった。
もっと珍しいエキゾチックがお好みなら、ロードスターのRZという選択肢もある。こちらは、さらに少ない300台程度だ。
SZやRZで議論となるのが、その見た目。カッコいいという人と、醜いという人とで、意見が分かれることは今でも変わりないと思う。少なくとも最新モデルも含めて、似たデザインが存在しないことだけは確かだ。
このボディを手掛けたのは、イタリア・ミラノのカロッツェリア、ザガート。恋い焦がれるほど美しいスタイリングを手掛けることもできる職人集団が、これほど賛否が分かれる作品を作るのか、疑問を持たなくもない。
実のところ、SZのデザインを担当したのはザガートではない。SZを製造していたのはザガートだったが、独創的な造形を描き出したのは、デザイナーのロベール・オプロン氏。
シトロエンSMやGSなど、素晴らしいフランス車を創造した才能あふれるデザイナーだ。彼とともにそのデザインを仕上げたのが、アントニオ・カステラーナ氏という、若きデザイナーだった。
なお、2021年3月29日にオプロンはCOVID-19へ感染し亡くなっている。ご冥福をお祈りしたい。
V6ブッソ・ユニットに軽量なボディ
話題を戻すと、その成果には今でも息を呑む。ボディパネルのギャップも目立つが。
感じ方は読者によって異なると思うが、従来のクルマと一線を画すデザインであることは間違いない。そして、アルファ・ロメオとザガートという名門から生まれながらも、近年まで過小評価されてきたクラシックとなってきた。
アルファ・ロメオSZの見た目以外の特長は沢山ある。プラットフォームはアルファ・ロメオ75のものを短縮したもので、タイヤはスポーティなピレリPゼロが標準。
エンジンは、210psを発揮するトリノ生まれの3.0L V型6気筒自然吸気。開発したエンジニアの名を借り、ブッソ・ユニットと呼ばれ、美しいサウンドで多くの人を虜にした名機といえる。その内容にふさわしく、運転は非常に楽しい。
サスペンションは、フロントがダブルウイッシュボーン式で、リアがドディオンチューブとワッツリンク。ダンパーは調整式を採用し、乗り心地は硬めながら悪くはない。
トランスミッションはショートレシオの5速MTで、リア側に配置するトランスアクスル・レイアウトが与えられている。FRP製のボディは、非常に軽量。パワーウエイトレシオも良好で、0-100km/h加速は6.9秒、最高速度は246km/hを実現していた。
インテリアも見ごたえ充分。素晴らしいサポート性を備えるバケットシートが組まれ、着座位置は適度に低い。ドライビングポジションもしっくり来る。ちなみに、右ハンドル仕様のSZは作られていない。
合法的な速度で運転の喜びを享受できる
先述の通り生産台数は非常に少なく、アルファ・ロメオとザガートというブランドの掛け合わせもあって、近年では価値が見直されている。ファミリーカー並みにまで価格が下落していた時期もあったが、今なら5万ポンド(約775万円)程は必要になるだろう。
その程度の金額で、合法的なスピードでも存分に運転の喜びを享受できる、イタリアン・クラシックが手に入るとも考えられる。独創的なスタイリングのボディを鑑賞しているだけでも、大きな充足感に浸れるはずだ。
専門家の意見を聞いてみる
エイドリアン・ジャーディン氏:アルファエイド社代表
「なんといっても、注目を集める見た目が大好きですね。何度見ても飽きません。ブッソ・ユニットが奏でる惚れ惚れするサウンドと、素晴らしい操縦性も大きな魅力。挙動も予想はしやすいといえます」
「ただし、問題もなくはありません。グラスファイバー製のボディは小さな気泡に悩まされるので、乾燥したガレージでの保管が不可欠。ヘッドライトも、正直明るいとはいえません」
「ノーマルのブレーキは効きが弱く、パッドのアップグレードも必要でしょう。ブレンボ社からアップグレード・キットが売られていましたが、現在は入手できません」
「それと、ガソリンスタンドなどでは予想外に時間が取られます。SZへ興味を持って、話しかけてくれる人が多いので!」
購入時に気をつけたいポイント
エンジン
タイミングベルトとテンショナーの定期点検は忘れずに。エンジンオイル漏れは珍しくない。全体的には堅牢で、目立った不具合は起きにくいようだ。
トランスミッションとステアリング
リンケージが摩耗し、変速フィールが悪化する。2速のシンクロメッシュが駄目になり、プロペラシャフトの振動を招くことがあるという。
ステアリングフルード・ポンプとラックから、フルード漏れする場合がある。システム自体の信頼性は高い。
サスペンションとブレーキ
足回りからノイズが出ることがある。リア側のブッシュ類や、Aフレームのピロボールなどの状態はしっかり確認したい。標準のコニ社製ダンパーが、オイル漏れしていないかも確かめる。特に高価な部品だ。
ノーマルのブレーキは効きが悪く、高性能パッドへの交換や、特注のアップグレード・キットで組み直す方が得策。キャリパーの固着にも注意したい。
ボディとホイール
グラスファイバー製のボディパネルは、細かな気泡ができやすい。各ピラーとフロントガラスの付け根、ドアヒンジ、バルクヘッド、インナーフェンダーなどは錆びるポイント。ヒンジの劣化で、ドアが下がることがある。
エグゾースト系や燃料タンクが錆びることもあるようだ。アルミホイールも腐食することがあり、修理は安くない。
電装系とインテリア
すべてのスイッチ類は作りが良くない。シートの表皮は痛みやすい。プラスティック製部品も割れやすい。オリジナルのステレオユニットは故障しがち。
トリップメーターやヒーターファン、ショックアブソーバーの高さ調整機能、ステアリングコラムのレバー、ラジエターファン、リアガラスの熱線、ウオッシャーなどの動作確認もお忘れなく。
英国ではいくら払うべき?
5万ポンド(約775万円)~6万9999ポンド(約1084万円)
英国の場合、状態の良いSZには5万3000ポンド(約821万円)くらいの予算が必要。先出の確認ポイントは、しっかり確かめたい。メカニズムの信頼性は悪くないが、修理には高額な費用が掛かり得る。
7万ポンド(約1085万円)以上
ボディの状態が良く、メカニズムのメンテナンスも完璧なSZが英国では探せる。個人オーナーから専門の販売店まで売り手は様々でも、整備記録が完全に揃い、納車時からガレージ保管されてきた例が中心だろう。
近年、極上の例では10万ポンド(約1550万円)を超えることもあるようだ。
知っておくべきこと
アルファ・ロメオSZには、3冊の本が含まれるファイルが付属していた。車両番号が記された証明書と、センターコンソールのプレートの状態も確認ポイント。
純正のカーカバーとスペアタイヤ・バッグ、ツールキットも揃っているのが理想。クラシックカーとして、重要なアイテムとなる。
英国で掘り出し物を発見
アルファ・ロメオSZ 登録:1991年 走行距離:6万2700km 価格:5万3995ポンド(約836万円)
英国市場で発見した、最も安価なSZの1台。マイル表示のスピードメーターが付いている。製造番号は、1036台中の439番目とのこと。2003年以降、3名のオーナーが維持してきたという。
整備もしっかり行き届いており、タイミングベルトも最近交換済み。オリジナルのカーカバーやバッグ類などの付属品も揃っているそうだ。
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みんなのコメント
ですから、ある筋ではこれ程メジャーな車はないんですよw
エンジンも吹けが良く、ハンドリングもクイックで運転して楽しい車と思ったが、作りがひどくてとても購入後のメンテに自信が持てず、諦めた。
ボディのチリがバラバラで、ボンネット開けると溶接もひどく、事故車??って思うくらい酷かった。
FRPのボディはあちこち浮きがあり、内装もガタガタ。ぱっと見は良いんだけど、落ち着いて見ると・・・
でもスタイルは今見ても独特だし、面白い車なんだろうな。
でもパーツ入手は難しそうだし、故障箇所によっては不動車になる期間が長そう・・・